平成27年・2015|問37|会社法・株式会社の設立

株式会社の設立に関する次のア~オの記述のうち、会社法の規定に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア 発起人は、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。

イ 複数の発起人がいる場合において、発起設立の各発起人は、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならないが、募集設立の発起人は、そのうち少なくとも1名が設立時発行株式を1株以上引き受ければよい。

ウ 発起設立または募集設立のいずれの方法による場合であっても、発行可能株式総数を定款で定めていないときには、株式会社の成立の時までに、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。

エ 設立時取締役その他の設立時役員等が選任されたときは、当該設立時役員等が会社設立の業務を執行し、またはその監査を行う。

オ 発起設立または募集設立のいずれの方法による場合であっても、発起人でない者が、会社設立の広告等において、自己の名または名称および会社設立を賛助する旨の記載を承諾したときには、当該発起人でない者は発起人とみなされ、発起人と同一の責任を負う。

  1. ア・ウ
  2. ア・エ
  3. イ・エ
  4. イ・オ
  5. ウ・オ

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【答え】:1

【解説】

ア 発起人は、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
ア・・・妥当
発起人は、「設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨」を定めようとするときは、発起人全員の同意を得なければなりません(会社法57条2項)。
よって、妥当です。そして、発起人全員の同意が必要なものは下記4つです。

  1. 設立時に発行する株式に関する事項の決定(会社法32条
  2. 現物出資を行う者がいる場合の対抗要件の具備(会社法34条
  3. 発行可能株式総数に関する定款の定め(会社法37条
  4. 設立時募集株式に関する事項の決定(会社法58条
イ 複数の発起人がいる場合において、発起設立の各発起人は、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならないが、募集設立の発起人は、そのうち少なくとも1名が設立時発行株式を1株以上引き受ければよい。
イ・・・妥当ではない
各発起人(発起設立・募集設立)は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければなりません(会社法25条2項)。
募集設立の場合でも、発起人は、1株以上引き受ける必要があります
よって、妥当ではありません。
ウ 発起設立または募集設立のいずれの方法による場合であっても、発行可能株式総数を定款で定めていないときには、株式会社の成立の時までに、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
ウ・・・妥当
発起人は、発行可能株式総数を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、発起人全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければなりません(会社法37条1項)。また、募集設立の場合は、
発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければなりません(会社法98条)。
したがって、発起設立の場合も募集設立の場合も、会社の成立までに、定款変更をして、発行可能株式総数の定めを設けなければなりません。
よって、本肢は妥当です。
エ 設立時取締役その他の設立時役員等が選任されたときは、当該設立時役員等が会社設立の業務を執行し、またはその監査を行う。
エ・・・妥当ではない
設立時取締役の仕事は、「調査」をすることです。
会社設立後の取締役のように「業務の執行」は行わないし、「監査」もしません。設立時取締役は、その選任後遅滞なく、下記事項を調査しなければなりません(会社法46条)。
よって、本肢は妥当ではありません。

  1. 現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること
  2. 現物出資財産についての弁護士等の証明が相当であること
  3. 出資の履行が完了していること
  4. 株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと
オ 発起設立または募集設立のいずれの方法による場合であっても、発起人でない者が、会社設立の広告等において、自己の名または名称および会社設立を賛助する旨の記載を承諾したときには、当該発起人でない者は発起人とみなされ、発起人と同一の責任を負う。
オ・・・妥当ではない
募集設立の場合において、当該募集の広告その他当該募集に関する書面又は電磁的記録に自己の氏名又は名称及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者は、発起人とみなします会社法103条2項)。
これを「類似発起人」と言います。
そして、この類似発起人のルールは、募集設立の場合のみ適用され、募集を行わない発起設立の場合は、上記ルールはありません。
したがって、本肢の「発起設立または募集設立のいずれの方法による場合であっても」という記述が妥当ではありません。

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平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 外国人の人権 問33 民法:債権
問4 基本的人権 問34 民法:債権
問5 憲法9条 問35 民法:親族
問6 司法の限界 問36 商法
問7 財政 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政立法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・政治
問19 国家賠償法 問49 一般知識・社会
問20 国家賠償法 問50 一般知識・経済
問21 地方自治法 問51 一般知識・社会
問22 地方自治法 問52 一般知識・社会
問23 地方自治法 問53 一般知識・社会
問24 行政法 問54 一般知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 一般知識・情報通信
問26 行政法 問56 一般知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 一般知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

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