2015年過去問

平成27年・2015|問46|民法・記述

AとBは婚姻し、3年後にBが懐胎したが、その頃から両者は不仲となり別居状態となり、その後にCが出生した。Bは、AにCの出生を知らせるとともに、Aとの婚姻関係を解消したいこと、Cの親権者にはBがなること、およびAはCの養育費としてBに対し毎月20万円を支払うことを求め、Aもこれを了承して協議離婚が成立した。ところが離婚後、Aは、Bが別居を始める前から他の男性と交際していたことを知り、Cが自分の子であることに疑いを持った。
このような事情において、Cが自分の子でないことを確認するため、Aは誰を相手として、いつまでに、どのような手続をとるべきか。民法の規定および判例に照らし、とるべき法的手段の内容を40字程度で記述しなさい。

>解答と解説はこちら


【答え】:AはC又はBを相手として、Cの出生を知った時から3年以内に、嫡出否認の訴えを提起すべき。(44字)

【解説】

問題文の状況

  1. A(男)とB(女)は婚姻し、3年後にBが懐胎したが、その頃から両者は不仲となり別居状態となり、その後にCが出生した。
  2. B(女)は、A(男)にCの出生を知らせるとともに、Aとの婚姻関係を解消したいこと、Cの親権者にはBがなることを求めた。
  3. A(男)はCの養育費としてB(女)に対し毎月20万円を支払うことを求めた。
  4. A(男)もこれを了承して協議離婚が成立した。
  5. ところが離婚後、A(男)は、B(女)が別居を始める前から他の男性と交際していたことを知り、Cが自分(男A)の子であることに疑いを持った。

質問内容

上記事情において、Cが自分の子でないことを確認するため、

  1. Aは、誰を相手として、
  2. いつまでに、
  3. どのような手続をとるべきか?

つまり、上記3点を40字にいれればよいです。

問題文の状況の1と5

  • A(男)とB(女)は婚姻し、3年後にBが懐胎したが、その頃から両者は不仲となり別居状態となり、その後にCが出生した。
  • ところが離婚後、A(男)は、B(女)が別居を始める前から他の男性と交際していたことを知り、Cが自分(男A)の子であることに疑いを持った。

ということから、とりあえず、婚姻期間中に懐胎していることは分かります。
このことから、妻が婚姻中に懐胎した子Cは、夫Aの子と推定します(民法772条)。
そして、上記の場合において、夫Aは、子Cが嫡出であることを否認することができます(民法774条)。
上記否認権は、子C又は親権を行う母Bに対する嫡出否認の訴えによって行います(民法775条)。
つまり、Cが自分Aの子でないことを確認するためには「嫡出否認の訴え」という手続きをとるべきで、「相手は、BまたはC」とすべきであることが分かります。
また、上記嫡出否認の訴えは、夫Aが子Cの出生を知った時から3年以内に提起しなければなりません(民法777条)。

これらを質問内容に当てはめて、40字にまとめると

AはC又はBを相手として、Cの出生を知った時から3年以内に、嫡出否認の訴えを提起すべき。(44字)

となります。

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平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 外国人の人権 問33 民法:債権
問4 基本的人権 問34 民法:債権
問5 憲法9条 問35 民法:親族
問6 司法の限界 問36 商法
問7 財政 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政立法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成27年・2015|問57|基礎知識・情報通信

位置情報に関する次の記述のうち、明らかに妥当でないものはどれか。

  1. 位置情報とは、空間上の特定の地点または区域の位置を示す情報をいい、当該情報に係る時点に関する情報を含む。
  2. 電気通信事業者は、利用者の位置情報を第三者に提供するには原則として利用者の同意が必要だが、生命身体切迫時には人命救助の見地から同意なく提供できる。
  3. 電気通信事業者は、通信サービスの契約者が端末を所持する者の同意を得ることなく、他者位置検索サービスを用いて端末のGPS位置情報を第三者に取得させることが自由にできる。
  4. 移動体の位置情報には、大きく基地局にかかる位置情報とGPS位置情報の二種があるが、GPS位置情報は通信の秘密には該当しないと解されている。
  5. 個人にかかる位置情報は、精度が詳細で、連続して集積されればされるほどプライバシー性が高まるという特徴を持っている。

(注)GPS=Global Positioning System の略。全地球測位システムともいう。

>解答と解説はこちら


【答え】:3

【解説】

1.位置情報とは、空間上の特定の地点または区域の位置を示す情報をいい、当該情報に係る時点に関する情報を含む。
1・・・妥当
位置情報」とは、人や機器などが今存在している場所に関する情報のこと。
例えば、携帯電話やスマートフォンなどの機能として、GPSを用いた位置情報サービスがあります。
測定された位置情報は、携帯電話やスマートフォンで撮影した写真や、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への投稿時のデータなどにも利用されています。
そして、これは、「特定の地点」という場所的な情報だけでなく、「いつ」という時間的な情報も含みます
2.電気通信事業者は、利用者の位置情報を第三者に提供するには原則として利用者の同意が必要だが、生命身体切迫時には人命救助の見地から同意なく提供できる。
2・・・妥当
電気通信事業者は、原則、あらかじめ利用者の同意を得ている場合、電気通信役務の提供に係る正当業務行為その他の違法性阻却事由がある場合に限り、位置情報を取得することができます
また、電気通信事業者は、救助を要する者を捜索し、救助を行う警察、海上保安庁又は消防その他これに準ずる機関からの要請により救助を要する者の位置情報の取得を求められた場合においては、その者の生命又は身体に対する重大な危険が切迫しており、かつ、その者を早期に発見するために当該位置情報を取得することが不可欠であると認められる場合に限り、当該位置情報を取得することができる。(電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン35条5項)。
よって、本肢は妥当です。
3.電気通信事業者は、通信サービスの契約者が端末を所持する者の同意を得ることなく、他者位置検索サービスを用いて端末のGPS位置情報を第三者に取得させることが自由にできる。
3・・・妥当ではない
電気通信事業者は、あらかじめ利用者の同意を得ている場合、裁判官の発付した令状に従う場合その他の違法性阻却事由がある場合に限り、位置情報について、他人への提供その他の利用をすることができます(電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン35条2項)。
よって、利用者の同意なく、位置情報を第三者に取得させることはできません
4.移動体の位置情報には、大きく基地局にかかる位置情報とGPS位置情報の二種があるが、GPS位置情報は通信の秘密には該当しないと解されている。
4・・・妥当
移動体の位置情報には、「①大きく基地局にかかる位置情報」と「②GPS位置情報」の二種があります。
そして、「②GPS位置情報」については、通信の秘密には該当しないと解されています。
5.個人にかかる位置情報は、精度が詳細で、連続して集積されればされるほどプライバシー性が高まるという特徴を持っている。
5・・・妥当
例えば、「東京都」よりも「東京都浅草にある浅草寺」という情報の方が精度が詳細で、いつどこにいたのかが分かり、プライバシー性が高まります。
さらに、その後どこに行ったのかという情報も集積されると、
その人の行動が見え見えになってしまい、プライバシー性が高まります。
よって、本肢は妥当です。

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平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 外国人の人権 問33 民法:債権
問4 基本的人権 問34 民法:債権
問5 憲法9条 問35 民法:親族
問6 司法の限界 問36 商法
問7 財政 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政立法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成27年・2015|問56|基礎知識・個人情報

個人情報保護法に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア この法律は、行政機関ではない会計検査院には適用されない。

イ この法律は、行政機関の長に対し、公的個人認証の方法による安全管理措置を講じるよう義務づけている。

ウ 個人は成人にならなくとも、行政機関の長に対し、当該行政機関の保有する自己を本人とする保有個人情報の開示を請求することはできる。

エ 行政機関の長に対し、開示請求をする者は、開示にかかる手数料を実費の範囲内で納めなければならない。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・ウ
  4. イ・エ
  5. ウ・エ

 

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【答え】:5

【解説】

ア この法律は、行政機関ではない会計検査院には適用されない。
ア・・・誤り
個人情報保護法において、「行政機関」とは、
  • 内閣に置かれる機関
  • 内閣府、宮内庁
  • 会計検査院

等の機関を言います(個人情報保護法2条8項)。
よって、「会計検査院」も行政機関に含まれます。

イ この法律は、行政機関の長に対し、公的個人認証の方法による安全管理措置を講じるよう義務づけている。
イ・・・誤り
行政機関の長に対し、公的個人認証の方法による安全管理措置を講じるよう義務づけている条文はありません。
したがって、本肢は誤りです。
ウ 個人は成人にならなくとも、行政機関の長に対し、当該行政機関の保有する自己を本人とする保有個人情報の開示を請求することはできる。
ウ・・・正しい
何人も、この法律の定めるところにより、行政機関の長に対し、当該行政機関の保有する自己を本人とする保有個人情報の開示を請求することができます個人情報保護法76条1項)。
よって、成人でなくても、個人は、自分の個人情報について、行政機関の長に対して開示請求ができるので、正しいです。ちなみに、未成年者又は成年被後見人の法定代理人は、本人に代わって上記開示請求をすることができます(同条2項)。
エ 行政機関の長に対し、開示請求をする者は、開示にかかる手数料を実費の範囲内で納めなければならない。
エ・・・正しい
開示請求をする者は、政令で定めるところにより、実費の範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければなりません個人情報保護法89条1項)。
よって、本肢は正しいです。

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平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 外国人の人権 問33 民法:債権
問4 基本的人権 問34 民法:債権
問5 憲法9条 問35 民法:親族
問6 司法の限界 問36 商法
問7 財政 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政立法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成27年・2015|問47|一般知識・政治

国際連合と国際連盟に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
  1. 国際連合では太平洋憲章が、国際連盟ではローズヴェルトの平和原則14か条が、それぞれ成立に至るまでの過程において出された。
  2. 国際連合ではアメリカのニューヨークに、国際連盟ではフランスのパリに、それぞれ本部が設置された。
  3. 国際連合では日本は原加盟国ではなく現在まで安全保障理事会の常任理事国でもないが、国際連盟では原加盟国であり理事会の常任理事国でもあった。
  4. 国際連合では米・英・仏・中・ソの5大国がすべて原加盟国となったが、国際連盟ではアメリカは途中から加盟しソ連は加盟しなかった。
  5. 国際連合では制裁手段は経済制裁に限られているが、国際連盟では制裁手段として経済制裁と並んで軍事制裁も位置づけられていた。
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【答え】:3
【解説】
1.国際連合では太平洋憲章が、国際連盟ではローズヴェルトの平和原則14か条が、それぞれ成立に至るまでの過程において出された。
1・・・妥当ではない 1941年8月、イギリス首相チャーチルアメリカ大統領ルーズベルト(ローズヴェルト)が大西洋上で会談して発表した共同宣言が「大西洋憲章」で、 ここで、第二次世界大戦後の世界に国際連盟に代わる国際平和機構を創設するとの構想が示されていた。 この構想をもとに、1945年の戦後に国際連合が発足しました。本肢は「太平洋憲章」が妥当ではありません。 「太平洋憲章」は、 1954年9月、マニラにおいて、 アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、フィリピン、パキスタンの8ヵ国の代表により、「東南アジア集団防衛条約」とともに調印されたものです。 骨子は、すべての国民の独立の確保、国民生活水準の向上、経済的進歩、社会福祉促進のための協力、自由の侵害と主権および領土保全を破壊する企図に対する阻止反撃の約束です。 「平和原則14か条」は 1918年1月、アメリカ大統領ウィルソンが、アメリカ連邦議会での演説のなかで発表した平和原則です。これは「第一次世界大戦中」の内容です。
2.国際連合ではアメリカのニューヨークに、国際連盟ではフランスのパリに、それぞれ本部が設置された。
2・・・妥当ではない 国際連合の本部は、アメリカのニューヨーク 国際連盟の本部は、スイスのジュネーブ です。 よって、「国際連盟ではフランスのパリに、本部が設置された」は妥当ではありません。
3.国際連合では日本は原加盟国ではなく現在まで安全保障理事会の常任理事国でもないが、国際連盟では原加盟国であり理事会の常任理事国でもあった。
3・・・妥当 日本は、国際連合の常任理事国に一度もなっていません。 その理由は、第二次世界大戦に敗戦したからです。一方、 日本は国際連盟の原加盟国であり、常任理事国でした。 その理由は、第一次世界大戦において戦勝国だったからです。 よって本肢は妥当です。
4.国際連合では米・英・仏・中・ソの5大国がすべて原加盟国となったが、国際連盟ではアメリカは途中から加盟しソ連は加盟しなかった。
4・・・妥当ではない 国際連合では「アメリカ(米)・イギリス(英)・フランス(仏)・中国(中)・ソ連(ソ)」の5大国はすべて原加盟国です。国際連盟では、 アメリカは加盟しておらずソ連は途中から加盟しました。 したがって、後半が「アメリカとソ連」が逆の記述になっています。 正しくは、 「国際連盟ではソ連は途中から加盟しアメリカは加盟しなかった」です。
5.国際連合では制裁手段は経済制裁に限られているが、国際連盟では制裁手段として経済制裁と並んで軍事制裁も位置づけられていた。
5・・・妥当ではない 国際連合では、「経済制裁と軍事制裁」ができます。一方、 国際連盟では、「経済制裁しかできなかった」です。 よって本肢は、国際連合と国際連盟の記述が逆になっているので妥当ではありません。
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平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 外国人の人権 問33 民法:債権
問4 基本的人権 問34 民法:債権
問5 憲法9条 問35 民法:親族
問6 司法の限界 問36 商法
問7 財政 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政立法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成27年・2015|問55|基礎知識・情報通信

情報セキュリティの用語に関する次の説明のうち、妥当でないものはどれか。

  1. ウィキリークス
    政治、行政、ビジネス、宗教などに関する機密情報を匿名で公開するウェブサイトの一つであり、アメリカ政府の外交機密文書が公開されるなど話題となった。
  2. IPアドレス
    通信する相手(コンピュータ)を一意に特定するため、インターネットに直接接続されるコンピュータに割り振られる固有の数値をいう。
  3. フィッシング
    電子メールやWWWを利用した詐欺の一種で、悪意の第三者が企業等を装い、偽のサイトに誘導し、クレジットカード等の情報を入力させて盗み取る手法をいう。
  4. 公開鍵暗号
    暗号化と復号のプロセスにそれぞれ別個の鍵(手順)を使って、片方の鍵を公開できるようにした暗号方式である。
  5. ファイアウォール
    火事の際の延焼を防ぐ「防火壁」から取られた用語で、企業などが管理するサーバ・マシンを物理的に取り囲んで保護する装置をいう。

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【答え】:5

【解説】

1.ウィキリークス:
政治、行政、ビジネス、宗教などに関する機密情報を匿名で公開するウェブサイトの一つであり、アメリカ政府の外交機密文書が公開されるなど話題となった。
1・・・妥当
ウィキリークスとは、匿名で投稿された内部告発情報をインターネット上で公開するウェブサイトのことです。
アメリカ政府の外交機密文書が公開されるなど話題となりました。
よって、妥当です。
2.IPアドレス:
通信する相手(コンピュータ)を一意に特定するため、インターネットに直接接続されるコンピュータに割り振られる固有の数値をいう。
2・・・妥当
IPアドレスとは、インターネットに接続された機器(パソコン、タブレット、スマホ等)が持つ固有の番号のことです。
一つ一つの機器に対して、IPアドレスは割り振られています。
イメージとしては、「機器のマイナンバー」です。
よって、妥当です。
3.フィッシング:
電子メールやWWWを利用した詐欺の一種で、悪意の第三者が企業等を装い、偽のサイトに誘導し、クレジットカード等の情報を入力させて盗み取る手法をいう。
3・・・妥当
フィッシングとは、インターネット上での詐欺のひとつです。
手口としては、不特定多数のターゲットに対して、金融機関やクレジットカード会社による正規の通知に偽装したメールを送り、
偽サイトに誘導したりして、
クレジットカード番号やパスワードなどの個人情報を入力させて盗み取る手法を言います。
よって、妥当です。
4.公開鍵暗号:
暗号化と復号のプロセスにそれぞれ別個の鍵(手順)を使って、片方の鍵を公開できるようにした暗号方式である。
4・・・妥当
暗号化復号のプロセスにそれぞれ別個の鍵(手順)を使って、片方の鍵を公開できるようにした暗号方式です(公開鍵暗号)。例えば、あなたが「秘密の文書」を作成したとします。
そして、まず、(1つめの鍵を使って)暗号化をします。
これで、見られなくなります。
これを見るため(復号)には、別の鍵(2つ目の鍵)が必要となります。
1つ目の鍵は公開されていて誰でもその鍵を使って暗号化して見られないようにすることはできますが
この中身を見るためには、特定の鍵(公開されていない鍵)が必要ということです。
中身を見せてよい相手だけに、2つ目の鍵(公開されていない特定の鍵)を渡せばよいということです。
よって、妥当です。
5.ファイアウォール:
火事の際の延焼を防ぐ「防火壁」から取られた用語で、企業などが管理するサーバ・マシンを物理的に取り囲んで保護する装置をいう。
5・・・妥当でない
ファイアウォールは、火事の際の延焼を防ぐ「防火壁」から取られた用語です。
これは、ネットワークとネットワークに間に立ち不正アクセスをブロックするためのシステムで、物理的にサーバーマシンを何かモノで取り囲むモノではありません
よって、妥当ではありません。
セキュリティソフトを入れて、不正アクセスを防ぎます

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平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 外国人の人権 問33 民法:債権
問4 基本的人権 問34 民法:債権
問5 憲法9条 問35 民法:親族
問6 司法の限界 問36 商法
問7 財政 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政立法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成27年・2015|問54|基礎知識・個人情報保護

情報公開法※1 および公文書管理法※2 に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 情報公開法も公文書管理法も国民主権の理念にのっとっているが、公文書管理法は情報公開法とは異なり、歴史公文書等の保存、利用等の規律も設けていることから、現在のみならず将来の国民への説明責任を果たすことをその趣旨に含んでいる。
  2. 公文書管理法は、情報公開法と同様、行政機関による行政文書の管理、歴史公文書等の保存、利用等を定めているが、独立行政法人等の文書管理は定めていない。
  3. 公文書管理法は、歴史公文書等のうち、国立公文書館等に移管、寄贈もしくは寄託され、または、国立公文書館の設置する公文書館に移管されたものを「特定歴史公文書等」と定義し、永久保存の原則を定めている。
  4. 情報公開法は行政文書の開示請求権および開示義務を定め、公文書管理法は特定歴史公文書等の利用請求があったときの対応義務を定めている。
  5. 情報公開法は、従前は行政文書の公開およびその管理についての規定も設けていたが、公文書管理法の制定に伴い管理の規定は削除された。

(注)
※1 行政機関の保有する情報の公開に関する法律
※2 公文書等の管理に関する法律

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【答え】:2

【解説】

1.情報公開法も公文書管理法も国民主権の理念にのっとっているが、公文書管理法は情報公開法とは異なり、歴史公文書等の保存、利用等の規律も設けていることから、現在のみならず将来の国民への説明責任を果たすことをその趣旨に含んでいる。
1・・・正しい
情報公開法は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とします(情報公開法1条)。一方、
公文書管理法は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とします(公文書管理法1条)。

したがって、
情報公開法も公文書管理法も国民主権の理念にのっとっているが、
公文書管理法は情報公開法とは異なり、歴史公文書等の保存、利用等の規律も設けていることから、現在のみならず将来の国民への説明責任を果たすことをその趣旨に含んでいます。

よって、本肢は正しいです。

2.公文書管理法は、情報公開法と同様、行政機関による行政文書の管理、歴史公文書等の保存、利用等を定めているが、独立行政法人等の文書管理は定めていない。
2・・・誤り
選択肢1の公文書管理法1条の内容から、
「独立行政法人等の文書管理」についても定めていることが分かります。
したがって、本肢は誤りです。
3.公文書管理法は、歴史公文書等のうち、国立公文書館等に移管、寄贈もしくは寄託され、または、国立公文書館の設置する公文書館に移管されたものを「特定歴史公文書等」と定義し、永久保存の原則を定めている。
3・・・正しい
特定歴史公文書等」とは、歴史公文書等のうち、「①国立公文書館等に移管されたもの」や「②法人その他の団体又は個人から国立公文書館等に寄贈され、又は寄託されたもの」を言います(公文書管理法2条7項)。
そして、国立公文書館等の長は、特定歴史公文書等について、原則、永久に保存しなければなりません。
例外として、内閣総理大臣に協議し、その同意を得た場合は廃棄できます(公文書管理法15条1項)。
よって、本肢は正しいです。
4.情報公開法は行政文書の開示請求権および開示義務を定め、公文書管理法は特定歴史公文書等の利用請求があったときの対応義務を定めている。
4・・・正しい
何人も、行政機関の長に対し、当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができます(情報公開法3条)。
そして、行政機関の長は、開示請求があったときは、不開示情報を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければなりません情報公開法5条)。
よって、本肢は正しいです。
5.情報公開法は、従前は行政文書の公開およびその管理についての規定も設けていたが、公文書管理法の制定に伴い管理の規定は削除された。
5・・・正しい
公文書管理法が平成21年に制定されたことにより、
情報公開法の行政文書における管理規定は削除されました。
したがって本肢は正しいです。

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平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 外国人の人権 問33 民法:債権
問4 基本的人権 問34 民法:債権
問5 憲法9条 問35 民法:親族
問6 司法の限界 問36 商法
問7 財政 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政立法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成27年・2015|問53|基礎知識・社会

日本における高齢者(65歳以上)に関する次のア~エの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

ア 令和3(2021)年10月1日現在の高齢者人口は、人口全体の4分の1を超えている。

イ 令和2(2020)年の国別高齢化率で、日本はイタリア、ドイツに次いで世界第3位、アジア圏では第1位である。

ウ 令和3(2021)年の都道府県別の高齢者人口統計によれば、高齢者人口が最も多いのは東京都である。

エ 令和2(2020)年の一般刑法犯検挙人員中、年齢別分布で見ると20歳代のグループに次いで65歳以上のグループが第2位を占めている。

  1. ア・ウ
  2. ア・エ
  3. イ・ウ
  4. イ・エ
  5. ウ・エ

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【答え】:4

【解説】

ア 令和3(2021)年10月1日現在の高齢者人口は、人口全体の4分の1を超えている。
ア・・・正しい
日本の総人口は、令和3(2021)年10月1日現在、1億2,550 万人です。
そして、65歳以上の高齢者人口は、3,621万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は「28.9%」です。
よって、人口全体の4分の1を超えています。
したがって、正しいです。
イ 令和2(2020)年の国別高齢化率で、日本はイタリア、ドイツに次いで世界第3位、アジア圏では第1位である。
イ・・・誤り
令和2(2020)年の国別高齢化率によると、第1位は日本(28.9%)、第2位はイタリア(22.0%)です。
したがって、本肢は誤りです。
ウ 令和3(2021)年の都道府県別の高齢者人口統計によれば、高齢者人口が最も多いのは東京都である。
ウ・・・正しい
令和3(2021)年の都道府県別の高齢者人口統計によると、
高齢者人口が最も多いのは東京都で、3,20万人です。
したがって、本肢記述は正しい。
エ 令和2(2020)年の一般刑法犯検挙人員中、年齢別分布で見ると20歳代のグループに次いで65歳以上のグループが第2位を占めている。
エ・・・誤り
令和2(2020)年の一般刑法犯検挙人員中、年齢別分布で見ると
20歳代のグループが約3万2000人、
65歳以上のグループが約4万1000人で他の年齢層と比較して最も多いです。

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平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 外国人の人権 問33 民法:債権
問4 基本的人権 問34 民法:債権
問5 憲法9条 問35 民法:親族
問6 司法の限界 問36 商法
問7 財政 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政立法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成27年・2015|問52|基礎知識・社会

日本の島に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 日本の最東端の島は、沖ノ鳥島である。
  2. 日本の最西端の島は、与那国島である。
  3. 日本の最南端の島は、南鳥島である。
  4. 日本の最北端の島は、利尻島である。
  5. 日本の最南端の有人島は、父島である。

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【答え】:2

【解説】

1.日本の最東端の島は、沖ノ鳥島である。
1・・・誤り
日本の最東端の島は、東京都小笠原村の「南鳥島」です。
2.日本の最西端の島は、与那国島である。
2・・・正しい
日本の最西端の島は、沖縄県の「与那国島」です。
3.日本の最南端の島は、南鳥島である。
3・・・誤り
日本の最南端の島は、東京都小笠原村の「沖ノ鳥島」です。
4.日本の最北端の島は、利尻島である。
4・・・妥当
日本の最北端の島は、「択捉島(えとろふとう)」です。
5.日本の最南端の有人島は、父島である。
5・・・誤り
日本の最南端の島は、東京都小笠原村の「沖ノ鳥島」です(無人島)。
有人島で最南端の島は、沖縄県八重山諸島の「波照間島(はてるまじま)」

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平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 外国人の人権 問33 民法:債権
問4 基本的人権 問34 民法:債権
問5 憲法9条 問35 民法:親族
問6 司法の限界 問36 商法
問7 財政 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政立法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成27年・2015|問51|基礎知識・社会

いわゆる空き家に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 空家特措法では、「空家」とは居住その他の使用が10年以上なされていない家屋のことであると規定されている。
  2. 小規模宅地は、更地と比べて、固定資産税が最大で4分の1にまで優遇されるが、これは、住宅が空き家となっている宅地についても適用される。
  3. 都道府県は、「空家」に関するデータベースを整備し、「空家」の状況を把握、管理することが、空家特措法で義務づけられている。
  4. 自治体のなかには、空家特措法が制定される以前から、空き家に関する条例を制定し、その管理や活用を図る取組みを行っている例がある。
  5. 人口減少とともに空き家は年々増加しており、その割合は全国の住宅の3割を超えている。

(注)空家等対策の推進に関する特別措置法

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【答え】:4

【解説】

1.空家特措法では、「空家」とは居住その他の使用が10年以上なされていない家屋のことであると規定されている。
1・・・妥当ではない
「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって、「居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地」をいいます(空家特措法2条1項)。
「居住その他の使用が10年以上なされていない家屋」が妥当ではありません。
正しくは「居住その他の使用がなされていないことが常態(常にその状態)である家屋等」です。
2.小規模宅地は、更地と比べて、固定資産税が最大で4分の1にまで優遇されるが、これは、住宅が空き家となっている宅地についても適用される。
2・・・妥当ではない
住宅用地については、その税負担を軽減する必要から固定資産税の課税標準の特例措置が設けられています(地方税法349の3の2)。
軽減割合は下記の小規模住宅用地と一般住宅用地に分けて特例が適用されます。
  • 小規模住宅用地
    200㎡以下の住宅用地について、価格は1/6となる
  • 一般住宅用地
    →200㎡超の部分の住宅用地について、価格は1/3となる

本肢は「最大4分の1まで優遇」が誤りです。
正しくは「最大6分の1まで優遇」です。
単に住宅が空き家になっているだけであれば、上記特例は使えますが
特定空き家」に指定されて、「是正勧告」を受けると、上記特例から除外され
住宅用地の価格は通常の価格(1/6ではない)となります。

3.都道府県は、「空家」に関するデータベースを整備し、「空家」の状況を把握、管理することが、空家特措法で義務づけられている。
3・・・妥当でない
市町村は、空家等に関するデータベースの整備その他空家等に関する正確な情報を把握するために必要な措置を講ずるよう努めるものとします(空家特措法11条)。
まず、空家等に関するデータベースを整備するのは「市町村」です。
本肢は「都道府県」となっているので妥当ではありません。
また、この整備は、義務ではなく「努力義務」です。
この点も妥当ではありません。
4.自治体のなかには、空家特措法が制定される以前から、空き家に関する条例を制定し、その管理や活用を図る取組みを行っている例がある。
4・・・妥当
空家対策特別措置は「平成26年11月」に成立しました。
一方、埼玉県所沢市では、「空き家等の適正管理に関する条例」を、平成22年10月に施行しています。
つまり、「空家特措法」より前に、「空家条例」が制定されています
したがって、本肢は妥当です。
5.人口減少とともに空き家は年々増加しており、その割合は全国の住宅の3割を超えている。
5・・・妥当でない
総務省の発表によると、空家の割合は13.6%(2018年10月現在)です。
よって、「3割を超えている」という記述は妥当ではありません。

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平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 外国人の人権 問33 民法:債権
問4 基本的人権 問34 民法:債権
問5 憲法9条 問35 民法:親族
問6 司法の限界 問36 商法
問7 財政 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政立法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

平成27年・2015|問49|一般知識・社会

日本の貧困ならびに生活困窮に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 生活保護世帯のうち、単身高齢者世帯の割合は高く、現在、保護世帯全体のおおよそ5割を占めている。
  2. 政府が、貧困問題解消に向けて最低賃金の基準引上げを行った結果、近年、年間200万円未満の給与所得者数は大幅な減少傾向にある。
  3. 一国における相対的貧困率とは、上位1割の高額所得者の所得に対する、下位1割の低所得者の所得の比率をいい、日本ではおおよそ10%とされる。
  4. 絶対的貧困とは、ある人の所得が、その国の国民平均所得の1割に満たない状態をいい、日本では国民の6人に1人が、この状態にある。
  5. 社会との繋がりを持てず、生活を成り立たせることが難しい人々への支援に向けて、生活困窮者自立支援法案が国会に提出されたが、財政難を理由に成立は見送られた。

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【答え】:1

【解説】

1.生活保護世帯のうち、単身高齢者世帯の割合は高く、現在、保護世帯全体のおおよそ5割を占めている。
1・・・妥当
厚生労働省の「被保護者調査」によると、
単身高齢者世帯の割合は約51%で、高い割合を示しています(2022年現在)。
よって正しいです。
2.政府が、貧困問題解消に向けて最低賃金の基準引上げを行った結果、近年、年間200万円未満の給与所得者数は大幅な減少傾向にある。
2・・・妥当ではない
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、年間200万円未満の給与所得者数は、おおよそ1100万人~1200万人で推移しています。大幅な減少傾向にはありません。
平成26年:1139万2000人
平成27年:1130万8000人
平成28年:1132万3000人
平成29年:1085万1000人
平成30年:1098万人
令和元年:1200万人
令和2年:1165万人
3.一国における相対的貧困率とは、上位1割の高額所得者の所得に対する、下位1割の低所得者の所得の比率をいい、日本ではおおよそ10%とされる。
3・・・妥当でない
相対的貧困率は、一定基準(貧困線)を下回る等価可処分所得しか得ていない者の割合をいいます。
上記貧困線とは、等価可処分所得(世帯の可処分所得[手取り収入]を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分の額をいいます。よって、「上位1割の高額所得者の所得に対する、下位1割の低所得者の所得の比率」は誤りです。
4.絶対的貧困とは、ある人の所得が、その国の国民平均所得の1割に満たない状態をいい、日本では国民の6人に1人が、この状態にある。
4・・・妥当でない
絶対的貧困とは、世界銀行では1日の所得が1.90ドル以下のことと定義しています。
そして、「日本では国民の6人に1人が、この(絶対的貧困)状態にある。」という記述は妥当ではありません。普通に考えて、1日1.9ドル(約200円)なので、月6000円の所得しかない人が、日本国民の6人に1人もいるとは考えられないでしょう。
5.社会との繋がりを持てず、生活を成り立たせることが難しい人々への支援に向けて、生活困窮者自立支援法案が国会に提出されたが、財政難を理由に成立は見送られた。
5・・・妥当でない
生活困窮者自立支援法は、平成25年12月に成立しています。
よって、本肢の「財政難を理由に成立は見送られた」という記述は妥当でありません。

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平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 外国人の人権 問33 民法:債権
問4 基本的人権 問34 民法:債権
問5 憲法9条 問35 民法:親族
問6 司法の限界 問36 商法
問7 財政 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政立法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略