行政立法に関する次の会話の空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。
- 教員A 「今日は行政立法に関して少し考えてみましょう。B君、行政立法の具体例をいくつか挙げることができますか?」
- 学生B 「そうですね。建築基準法施行規則や所得税基本通達があります。」
- 教員A 「よく知っていますね。建築基準法施行規則はその名のとおり建築基準法の委任に基づき定められた[ ア ]ですね。国民の権利義務に関わる規定を含むものですから、講学上は[ イ ]に分類されます。Cさん、所得税基本通達は何に分類されるでしょうか?」
- 学生C 「所得税基本通達は、国税庁内部で上級機関が下級機関に発する事務処理の取決めのことですから、[ ウ ]でしょうか?」
- 教員A 「そのとおりですね。では、[ イ ]の中には、性質の異なる二種類のものがあることを知っていますか?」
- 学生B・C 「どういうことでしょうか?」
- 教員A 「質問の仕方を変えると、[ イ ]の中には、新たに権利義務を設定するのではなく、法律を実施するための技術的細目を定めるものがありますよね。」
- 学生B 「[ エ ]のことですね。申請書の様式を定める規定がこれにあたると言われています。」
- 教員A 「正解です。ただ、このような分類枠組みについては今日では疑問視されていることにも注意してください。」
- ア:省令 イ:法規命令 ウ:行政規則 エ:執行命令
- ア:省令 イ:行政規則 ウ:法規命令 エ:委任命令
- ア:政令 イ:法規命令 ウ:行政規則 エ:委任命令
- ア:政令 イ:行政規則 ウ:法規命令 エ:執行命令
- ア:政令 イ:法規命令 ウ:行政規則 エ:独立命令
【解説】
本問は「行政立法」に関する出題です。
ア
教員A 「今日は行政立法に関して少し考えてみましょう。B君、行政立法の具体例をいくつか挙げることができますか?」
学生B 「そうですね。建築基準法施行規則や所得税基本通達があります。」
教員A 「よく知っていますね。建築基準法施行規則はその名のとおり建築基準法の委任に基づき定められた[ ア ]ですね。
ア・・・省令
「建築基準法施行規則」は「国土交通大臣の定める省令」です。ちなみに〇〇施行令・・・政令
〇〇施行規則・・・省令
「建築基準法施行規則」は「国土交通大臣の定める省令」です。ちなみに〇〇施行令・・・政令
〇〇施行規則・・・省令
です。
イ
教員A 「よく知っていますね。建築基準法施行規則はその名のとおり建築基準法の委任に基づき定められた[ ア:省令 ]ですね。国民の権利義務に関わる規定を含むものですから、講学上は[ イ ]に分類されます。」
教員A 「よく知っていますね。建築基準法施行規則はその名のとおり建築基準法の委任に基づき定められた[ ア:省令 ]ですね。国民の権利義務に関わる規定を含むものですから、講学上は[ イ ]に分類されます。」
イ・・・法規命令
「国民の権利義務に関わる規定を含む」ということは、「イには法規命令」が入ります。
「国民の権利義務に関わる規定を含む」ということは、「イには法規命令」が入ります。
ウ
教員A 「Cさん、所得税基本通達は何に分類されるでしょうか?」学生C 「所得税基本通達は、国税庁内部で上級機関が下級機関に発する事務処理の取決めのことですから、[ ウ ]でしょうか?」教員A 「そのとおりですね。」
教員A 「Cさん、所得税基本通達は何に分類されるでしょうか?」学生C 「所得税基本通達は、国税庁内部で上級機関が下級機関に発する事務処理の取決めのことですから、[ ウ ]でしょうか?」教員A 「そのとおりですね。」
ウ・・・行政規則
「国税庁内部で上級機関が下級機関に発する事務処理の取決め」ということは、国民の権利義務に関わらない内容なので、「ウには行政規則」が入ります。
「国税庁内部で上級機関が下級機関に発する事務処理の取決め」ということは、国民の権利義務に関わらない内容なので、「ウには行政規則」が入ります。
エ
教員A 「質問の仕方を変えると、[ イ:法規命令 ]の中には、新たに権利義務を設定するのではなく、法律を実施するための技術的細目を定めるものがありますよね。」学生B 「[ エ ]のことですね。申請書の様式を定める規定がこれにあたると言われています。」教員A 「正解です。ただ、このような分類枠組みについては今日では疑問視されていることにも注意してください。」
教員A 「質問の仕方を変えると、[ イ:法規命令 ]の中には、新たに権利義務を設定するのではなく、法律を実施するための技術的細目を定めるものがありますよね。」学生B 「[ エ ]のことですね。申請書の様式を定める規定がこれにあたると言われています。」教員A 「正解です。ただ、このような分類枠組みについては今日では疑問視されていることにも注意してください。」
エ・・・執行命令
法規命令には「執行命令」と「委任命令」の2つがあります。
執行命令とは、法律を実施するための具体的細目(細かい内容)を定めたルールです。
委任命令とは、新たに権利義務を設定する命令です。よって、「新たに権利義務を設定するのではなく、法律を実施するための技術的細目を定めるものがありますよね」
という記述から
「エには執行命令」が入ります。
法規命令には「執行命令」と「委任命令」の2つがあります。
執行命令とは、法律を実施するための具体的細目(細かい内容)を定めたルールです。
委任命令とは、新たに権利義務を設定する命令です。よって、「新たに権利義務を設定するのではなく、法律を実施するための技術的細目を定めるものがありますよね」
という記述から
「エには執行命令」が入ります。
平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 外国人の人権 | 問33 | 民法:債権 |
問4 | 基本的人権 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 憲法9条 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 司法の限界 | 問36 | 商法 |
問7 | 財政 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政立法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・個人情報保護 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:物権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |