第二次世界大戦後に日本で生じた法変動に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 敗戦後の住宅難に対応するため借地法と借家法が制定された。
- 労働者の権利を拡張するものとして労働組合法が制定された。
- 公正で自由な経済的競争を促進する目的で独占禁止法* が制定された。
- 地方自治を強化するものとして地方自治法が制定された。
- 英米法的な観点を加えた新しい刑事訴訟法が制定された。
(注)私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
【解説】
1.敗戦後の住宅難に対応するため借地法と借家法が制定された。
1・・・誤り
借地法、借家法が制定されたのは、戦前の1921年(大正10年)
第二次世界大戦後(敗戦後)とは、1945年以降です。よって、借地借家法(借地法と借家法)は「戦前」に制定されているので誤りです。
借地法、借家法が制定されたのは、戦前の1921年(大正10年)
第二次世界大戦後(敗戦後)とは、1945年以降です。よって、借地借家法(借地法と借家法)は「戦前」に制定されているので誤りです。
2.労働者の権利を拡張するものとして労働組合法が制定された。
2・・・正しい
労働組合法が制定されたのは、戦後の1945年(昭和20年)です。
そして、労働組合法の目的は
- 労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより
- 労働者の地位を向上させること、
- 労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出すること
- その他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること
- 使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成すること(労働組合法1条)
です。
これらをまとめると、労働者の権利を拡張するものと言えます。
よって正しいです。
3.公正で自由な経済的競争を促進する目的で独占禁止法が制定された。
3・・・正しい
独占禁止法が制定されたのは、戦後の1947年(昭和22年)です。そして、独占禁止法の目的は
独占禁止法が制定されたのは、戦後の1947年(昭和22年)です。そして、独占禁止法の目的は
- 私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、
- 事業支配力の過度の集中を防止して、
- 結合、協定等の方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、
- 公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、
- 以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進すること(独占禁止法1条)
です。
よって、「公正で自由な経済的競争を促進する目的」である点は正しいです。
4.地方自治を強化するものとして地方自治法が制定された。
4・・・正しい
地方自治法が制定されたのは、戦後の1947年(昭和22年)です。そして、地方自治法の目的は、
地方自治法が制定されたのは、戦後の1947年(昭和22年)です。そして、地方自治法の目的は、
- 地方自治の本旨に基いて、
- 「地方公共団体の区分」並びに「地方公共団体の組織及び運営」に関する事項の大綱を定め、
- 併せて国と地方公共団体との間の基本的関係を確立することにより、
- 地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、
- 地方公共団体の健全な発達を保障すること(地方自治法1条)
です。
よって、「地方自治を強化するものとして地方自治法が制定された」という記述は正しいです。
5.英米法的な観点を加えた新しい刑事訴訟法が制定された。
平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 外国人の人権 | 問33 | 民法:債権 |
問4 | 基本的人権 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 憲法9条 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 司法の限界 | 問36 | 商法 |
問7 | 財政 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政立法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・個人情報保護 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:物権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |