単元株制度の導入
単元株とは、通常の株式取引で売買される売買単位のことで、会社によって異なります。単元株が1株、100株、1000株だったりします。
では、なぜ、100株や1000株をひとまとめにするのでしょうか?
これは株主の管理コストを削減するためです。
例えば、単元株100株の会社Aがあったとし、1株1万円とします。
すると、Aの株を取得するには、最低100株つまり100万円必要です。
もし、単元株が1株だと、1万円から購入することができ、必然と株主の数も増えます。
そうなると、株主総会の際の招集通知を多くの株主に対して行う必要があり、コストがかかってきます。それを解消するために単元株制度があります。
そして、1単元の株式数は、必ず定款で定めておかなければなりません(188条1項)。
また、単元株未満の株主については、市場で株式を売却することができなくなったり、株主総会で議決権を行使できなくなったりします。
つまり、もともと単元株制度を導入する場合、単元株未満の株主は、売却する権利が無くなるなど不利益を被るため、株式併合と同じように、株主総会の特別決議が必要となっています(309条2項11号)。
ちなみに、定款を変更する際は、株主総会の特別決議が必要なので(466条)、そのことからも、上記とのつながりを理解できるはずです。
単元株未満の株主の株式買取請求権
上記の通り、単元株未満の株主は、市場で株式を売却できなくなります。そのため、会社に対して単元株未満の株式を買い取るよう請求できます(192条1項2項)。
これができないと、株主は、投資したお金を回収することができなくなるため、定款によっても買取請求権を排除することはできません(189条2項4号)。
また、一度買取請求権を行使した場合、会社の承諾がない限り、撤回をすることはできません(192条3項)。
単元株未満の株主の売渡請求(買増請求)
売渡請求とは、会社に対して、単元株になるよう売ってください!と請求することです。
これは、定款に定めがある場合にのみ、売渡請求を行うことができます。
例えば、もともと30株持っており、単元株制度が導入されて、単元株が100株となった。
この場合、この株主は、会社に対して70株を売ってください!と請求することが売渡請求です。
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