商法・会社法の無料テキスト

会計監査人

会計監査人は、公認会計士または監査法人しかなれません。つまり、企業会計のプロといったイメージです。

監査役は役員なので、会社の内部の人です(社外の人もますが、、、)。つまり、内部監査です。それでは適正な監査が行われないこともあります。一方、

会計監査人は、会社の外部から、独立して、株式会社の監査を行います。つまり、外部監査です。

会計監査人を設置しなければならない会社

①大会社、②監査等委員会設置会社、③指名委員会等設置会社には、必ず会計監査人を置かなければなりません。

会計監査人の権限

会計監査人と監査役と会計参与の違い

①まず、会計参与が、取締役と共同して計算書類を作成します。

②この計算書類について、初めに会計監査人が監査を行い、会計監査報告を作成します。

③その後、監査役が審査して、監査報告を作成します。

会計監査人の職務

  1. 株式会社の計算書類等の監査
  2. 会計監査報告を作成
  3. 会計帳簿等を閲覧・謄写して、取締役及び会計参与等に対し、会計に関する報告を求めることができる
  4. 必要に応じて、子会社に対して会計に関する報告を求めることができる
  5. 必要に応じて、会計監査人設置会社、または、その子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる

といった内容で、監査役の権限とよく似ています。

会計監査人の選任・解任

会計監査人は、株主総会の決議(普通決議)によって選任・解任しなければなりません(329条1項、339条1項)

※ただし、会計監査人の職務怠慢、非行、心身の故障等がある場合、監査役・監査委員・監査等委員は、当該会計監査人を解任することができます。この場合、監査役全員の同意(監査等委員会設置会社の場合、監査等委員全員の同意)が必要です。

正当な理由なく株主総会決議により解任された会計監査人は、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができます(339条2項)。

そして、会計監査人は、株主総会において、会計監査人の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができます(345条1項5項)。

会計監査人の任期

会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです(338条1項)。

上記の通り、「取締役は2年以内」「監査役は4年以内」なので、会計監査人は短く設定されています。しかし、定時株主総会で別段の決議がなければ会計監査人は再任されたものとみなされます338条2項)。

<<監査役会 | 監査等委員会設置会社>>

監査役会

監査役会の構成員は、全員が監査役です(390条1項)。

そして、監査役は3人以上で、その半数が社外監査役でないといけません(335条3項)。

例えば、
監査役が3人の場合、社外監査役が2人以上
監査役が4人の場合、社外監査役が2人以上
監査役が5人の場合、社外監査役が3人以上
といった感じです。

監査役会の職務

監査役会の職務は下記3つです(390条2項)。

  1. 監査報告の作成
  2. 常勤の監査役の選定及び解職
  3. 「①監査の方針」、「②監査役会設置会社の業務」及び「③財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行」に関する事項の決定(①~③に関する内容の決定)

監査役会の招集と決議

監査役会は、各監査役が招集します(391条)。

監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行います。(393条1項)

監査役会を設置しなければならない会社

監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社を除く「大会社である公開会社」は、監査役会を設置しなければなりません。

<<監査役 | 会計監査人>>

監査役

監査役の権限

監査役は、取締役の職務の執行を監査する機関です。そして、会計参与設置会社にあっては、取締役だけでなく、会計参与の職務執行についても監査します(381条1項)。

監査役と会計参与の関係

つまり、「取締役や会計参与」の仕事を監査するのが「監査役」です。

監査の内容

監査役は、①会計監査②業務監査の2つを行います。

ただし、非公開会社については、定款で監査役の監査を会計監査に限定することができます。このように監査役の監査の範囲が会計監査に限定されている場合、監査役設置会社には当たらないとされます(389条1項)。

監査役の調査と報告

監査役は、いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人等に対して事業の報告を求め、又は、業務及び財産の状況の調査をすることができます(381条2項)。

そして、監査役は、上記調査や報告をもとに、監査報告を作成しなければなりません(381条1項)。

監査役による子会社に対する調査

監査役は、その職務を行うため必要があるときは、子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができます(381条3項)。
この場合、子会社は、正当な理由があるときは、報告又は調査を拒むことができます(381条4項)。

監査役の取締役への報告義務

監査役は、

①取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は

②法令若しくは定款に違反する事実若しくは③著しく不当な事実があると認めるときは、

遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければなりません。(382条

監査役の取締役会への出席義務等

監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならなりません

ただし、監査役が2人以上ある場合において、特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特別取締役による取締役会に出席する監査役を定めることができます。(383条1項)

監査役の株主総会に対する報告義務

監査役は、取締役株主総会に提出しようとする議案、書類等を調査しなければなりません。

そして、この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければなりません。(384条1項)

監査役による取締役の行為の差止め

監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為、その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合で、かつ、
当該行為によって会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、
当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求(差止請求)することができます(385条1項)。

監査役会への報告

監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければなりません。

監査役の選任

監査役の選任の要件は「取締役の選任の要件」と同じです。

したがって、監査役の選任は、株主総会の専属決議事項とされ(329条)、株主総会でしか決議できません。そして、決議の方法は普通決議です。

取締役の選任要件と異なる点

監査役の選任決議について、定足数について、3分の1に下げることができません

決議要件について、出席した当該株主の議決権の過半数を上回る割合を定款で定めることができる点については、取締役と同じです(341条)。

監査役の解任

監査役の解任については、①株主総会決議による解任と②解任の訴えの2つの場合があります。この点は取締役の解任と同じです。

株主総会決議による監査役の解任

しかし、株主総会による解任決議は、取締役の場合と異なり、特別決議によって、解任することができます(309条2項7号)。

また、上記株主総会の特別決議によれば、いつでも理由の如何に関わらず、監査役を解任することができます。

しかし、正当な理由なく株主総会決議により解任された監査役は、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができます(339条2項)。この点は取締役の場合と同じです。

そして、監査役は、株主総会において、監査役の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができます(345条1項4項)。

監査役の解任の訴え

監査役の解任の訴えは、取締役の解任の訴えと同じ内容です。

監査役の員数

監査役会設置会社でない 監査役は1人でもOK
監査役会設置会社 監査役は3人以上で、
かつ、
半数以上は社外監査役

監査役の任期

監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです(336条1項)。

つまり、取締役の任期よりも2年長く設定されています。

そして、定款又は株主総会の決議によっても、その任期を短縮することはできません

この点は、取締役の場合と異なります。(取締役は任期を短縮できる)

非公開会社の場合

非公開株式会社については、定款によって、任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長(延長)することができます(336条2項)。

<<会計参与 | 監査役会>>

会計参与

会計参与の権限

会計参与とは、取締役と共同して、計算書類等を作成することおよび会計参与報告を作成することを職務とする者です(374条1項)。

取締役や監査役と同様、役員に該当します。

会計参与による計算書類等の備置き

会計参与は、下記の書類等を、当該会計参与が定めた場所に備え置かなければなりません(378条1項)。

  1. ①各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに②会計参与報告
  2. ③臨時計算書類及び④会計参与報告
備えおくべき期間
  1. 上記①②については、 定時株主総会の日の1週間前の日から5年間取締役会設置会社にあっては、2週間前の日から5年間
  2. 上記③④については、臨時計算書類を作成した日から5年間

会計参与の義務

会計参与の報告義務

会計参与は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し「不正の行為」又は「法令若しくは定款に違反する重大な事実」があることを発見したときは、遅滞なく、これを株主報告しなければならなりません(375条1項)。

※監査役設置会社の場合、会計参与は監査役に報告しなければならない。

取締役会への出席

取締役会設置会社の会計参与は、「計算書類等の承認をする取締役会」に出席しなければなりません。この場合において、会計参与は、必要があると認めるときは、意見を述べなければなりません(376条1項)。

会計参与の報酬

会計参与の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定めます(379条1項)。

つまり、定款に定めてあればそれに従います

<<取締役会の決議・特別取締役 | 監査役>>

取締役会の決議・特別取締役

取締役会の決議の方法

取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行います(369条1項)。

例えば、定款で、「代表取締役の選任については、議決に加わることができる取締役の3分の2以上が出席し、その3分の2以上の多数によって決定する」と定められていた場合、これに従うということです。

定款によって軽減することはできない

特別の利害関係を有する取締役の扱い

上記取締役会の決議について、特別の利害関係を有する取締役は、当該議決に加わることができません369条2項)。

株主総会との違い

株主総会決議では、特別利害関係を有する株主であっても議決権を行使できます

取締役会の書面決議

取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき当該事項について議決に加わることができる取締役の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができます(370条)。

逆をいうと、定款の定めがなければ、書面決議はできないということです。

また、監査役設置会社で、監査役が当該提案について異議を述べたとき書面決議はできません

特別取締役による取締役会決議

上記のように、取締役会決議は、原則、取締役の過半数の出席とその過半数の議決が必要です(369条1項)。

しかし、取締役の専決事項のうち、特に迅速な意思決定が必要と考えられる「1.重要な財産の処分及び譲受け」「2.多額の借財」については、下記要件を満たした場合に、あらかじめ選定した3人以上の特別取締役の中から、決議に参加できる者の過半数が出席し、その過半数をもって行うことができる旨を定めることができます(373条1項)。

特別取締役による取締役会の要件

  1. その会社の取締役の数が6人以上であること
  2. 取締役のうち、1人以上が社外取締役であること

上記の場合、特別取締役による取締役会の決議でも行えます(373条2項)。

この特別取締役による取締役会で、「1.重要な財産の処分及び譲受け」「2.多額の借財」の決議をすれば、他の取締役による取締役会は不要です。

取締役会議事録

取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない(369条3項)。

取締役会の決議に参加した取締役であって上記の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定します(369条5項)。
つまり、もし、ある決議が原因で会社に損害が発生した場合、議事録に異議をとどめなかった取締役や監査役は、任務懈怠として損害賠償責任を問われることがある、ということです。

取締役会議事録の備え付け

取締役会設置会社は、取締役会の日から10年間、取締役会議事録をその本店に備え置かなければなりません(371条1項)。

そして、この取締役会議事録には企業秘密の内容も含まれています。

取締役会議事録の閲覧・謄写

そのため、監査役設置会社監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社については、株主や会社債権者が取締役会議事録を閲覧・謄写するためには裁判所の許可を得る必要があります(371条3項)。

上記以外の株式会社では、株主は、その権利を行使するために必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも取締役会議事録の閲覧・謄写の請求をすることができます371条2項)。

<<取締役会の招集 | 会計参与>>

取締役会の招集

取締役会の招集権者

取締役会の招集権者は、下記の者が行えます。

  1. 取締役
  2. 株主
  3. 監査役

取締役による招集

取締役会は、原則、各取締役が招集する。
ただし、取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役のみが招集します(366条1項)。

そして、定款や取締役会で、特定の取締役のみを招集権者として定めた場合でも、その特定の取締役が悪いことなどをしていて、自ら取締役会を招集しないことも考えられます。そのような場合は、他の取締役が、上記招集権者である取締役に対して取締役会の招集請求ができます(366条2項)。

株主による招集

監査役設置会社、監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社を除いて
取締役会設置会社の株主は、取締役が「会社の目的の範囲外の行為その他法令・定款に違反する行為をし」、又は「これらの行為をするおそれがあると認める」ときは、取締役会の招集を請求することができます(会社法367条1項)。

これは、株主が、招集権者である取締役に対して「取締役会を招集してください!」と請求するもの

もし、取締役が、請求を受けた日から5日以内に、
請求を受けた日から2週間以内の日程で取締役会の招集を行わない場合
請求を行った株主が自ら取締役会の招集を行うことができます(会社法367条3項)。

監査役による招集

監査役は、「取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき場合」において、必要があると認めるときは、取締役等の招集権者に対し、取締役会の招集を請求することができます(会社法382条2項)。

これは、監査役が、招集権者である取締役に対して「取締役会を招集してください!」と請求するもの

もし、取締役が、請求を受けた日から5日以内に、
請求を受けた日から2週間以内の日程で取締役会の招集を行わない場合
請求を行った監査役が自ら取締役会の招集を行うことができます。

株主総会の招集権者はこちら>>

取締役会の招集手続

取締役会を招集する者は、取締役会の日の1週間前までに、各取締役に対してその通知を発しなければなりません。ただし、定款で1週間を下回る期間を定めた場合は、その期間内に通知すればよいです(368条1項)。

※監査役設置会社にあっては、各取締役だけでなく各監査役にも通知が必要

そして、取締役会は、取締役全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく取締役会を開催することができる(368条1項)。

※監査役設置会社にあっては、取締役だけでなく監査役も含めて全員の同意が必要

<<取締役会の権限 | 取締役会の決議・特別取締役>>

取締役会の権限(取締役会の専決事項)

取締役会は、取締役全員で組織され、下記権限をもつ機関です。

  1. 業務執行の意思決定
  2. 取締役の職務執行の監督
  3. 代表取締役の選定・解職

公開会社、監査役会設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社は、取締役会を設置しなければなりません(362条1項、327条1項)。

上記1~3は取締役会の権限なのですが、具体的に解説していきます。

業務執行の意思決定

取締役会設置会社においては、取締役は、3人以上でなければなりません(331条5項)。

その3人以上の取締役の合議(話し合い)によって業務執行の意思決定がなされ、その決定に基づいて、代表取締役が「業務執行の代表」となり、また「会社の代表」となります。

上記の通り、取締役会は会社の代表権はないけど、取締役会で定めた一定範囲の業務執行について、業務執行取締役を選定して、業務執行取締役に当該業務執行を行わせることができます(363条1項)。

「取締役の地位と権限」参照

取締役会の決議

取締役会の決議は、原則として、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行います。また、定款で、これを上回る割合を定めることもできます(369条1項)。

ただ、経営判断を迅速に行うために、取締役会は、原則業務執行の決定を代表取締役に委任することもできます。ただし、重要な事項については、委任することができず、取締役会でしか決議できないようにしています。これを取締役会の専決事項と呼びます(362条4項)。

取締役会の専決事項

  1. 重要な財産の処分及び譲受け
  2. 多額の借財
    →例えば、事業拡大のための銀行からの借り入れ
  3. 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
  4. 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
    →例えば、支店の統廃合
  5. 社債募集に関する重要な事項
  6. 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制の整備(内部統制体制の整備
    その他株式会社の業務の適正を確保するために必要な体制の整備
    →取締役の職務執行が法令・定款に適合するように体制(内部統制システム)を整備すること
  7. 定款の定めに基づく役員の任務懈怠の責任免除の承認

※上記「1.重要な財産の処分及び譲受け」「2.多額の借財」については、特別取締役による取締役会の決議でも行える
(注意:指名委員会等設置会社では特別取締役は選任できないので、これはできない!)

取締役の業務執行の監督

取締役会は、取締役の職務の執行を監督する職務を行います(362条2項2号)。

代表取締役や業務執行取締役が不適切な業務執行を行うとき、取締役会は、その行為の違法性だけでなく、妥当性も問うことができます。
つまり、法律違反をしていなくても、その行為が経営判断として妥当かどうかまで監督するわけです。

また、取締役会が、代表取締役や業務執行取締役を監督するために、代表取締役や業務執行取締役は、3か月に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければなりません(363条2項)。そして、この報告は省略できません(372条2項)。

上記3か月に1回以上、取締役会で報告する義務があることから、最低でも3か月に1回は取締役会が開催されることになります。

取締役会の招集はこちら>>

代表取締役の選定・解職

取締役会は、代表取締役の選定及び解職する職務を行います(362条2項3号)。

つまり、代表取締役の不当な行為により会社に損害を与えた場合、取締役会で当該代表取締役を解職することができます。

<<取締役 | 取締役会の招集>>

取締役

取締役とは、会社の具体的な業務に関する意思決定を行い、現実に業務執行を行う機関です。

取締役の資格

取締役の資格とは、誰が取締役になれるのか?ということです。この点について会社法では、下記のいずれかに該当する場合、取締役になれないと規定しています(331条1項)。そして、下記事由を欠格事由と言います。

  1. 法人
  2. 会社法等の法律に違反し、または一定の罪を犯し、罰金刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
  3. 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)等

取締役の選任

取締役の選任は、株主総会の専属決議事項とされています(329条)。つまり、株主総会でしか決議できません。そして、決議の方法は普通決議です。

そして、上記普通決議の内容については定款の定めにより変更ができます。

定足数については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1まで下げることができます。3分の1未満にはできません。

また、決議要件について、出席した当該株主の議決権の過半数を上回る割合を定款で定めることができます(341条)。

取締役の選任については、累積投票制度が認められています(342条)。

取締役の解任

解任とは、任期の途中にその役職を解かれること・やめさせることを言います。

そして、取締役の解任については、①株主総会決議による解任と②解任の訴えの2つの場合があります。

株主総会における解任決議

取締役は、いつでも、株主総会の普通決議によって解任することができます(339条1項)。

ただし、累積投票で選任された取締役の解任の場合、特別決議が必要です(309条2項7号)。

正当な理由なく株主総会決議により解任された者は、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができます(339条2項)。

役員解任の訴え

少数株主は、取締役解任の訴えを行うことにより、取締役の解任を行うことができます。

これは、悪いことをした取締役が、会社内で力を持っている者の場合、株主総会決議をしても、その取締役を恐れて、賛成票を入れず否決されることがあります。

そのような場合に備えて、裁判所に訴えることができるようにしています。

役員に欠員が生じた場合

役員(取締役又は会計参与)が欠けた場合、または定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了または辞任により退任した役員は、新たに選任された役員が就任するまで、なお役員としての権利義務を有します346条1項)。

悪いことをして解任となった場合は、上記ルールは適用されず、役員としての権利義務はなくなります

辞任とは、自らの意思でやめることです。

取締役の員数

非取締役会設置会社では、1人又は2人以上の取締役を置かなければなりません(326条)。つまり、1人以上置かなければならないということです。

取締役会設置会社では3人以上の取締役を置かなければなりません(331条5項)。

取締役の任期

取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することはできます332条1項)。

言い換えると、取締役の任期は最長「選任の日から2年」ということです。

「非公開株式会社」かつ「監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社でない」場合

「非公開株式会社」かつ「監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社でない株式会社」については、定款によって、任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長(延長)することができます(332条2項)。

監査等委員会設置会社の場合

監査等委員会設置会社の場合、

監査等委員の取締役は、原則、任期2年ですが
監査等委員でない取締役は、原則、任期1年とされています(332条3項)。

指名委員会等設置会社の場合

指名委員会等設置会社の取締役は、任期は原則1年ですが、定款または株主総会決議により、任期を短縮できます(332条1項)。

取締役の地位と権限

取締役の地位や権限については、非取締役会設置会社、取締役会設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社によって異なります。

これは分かりやすいように、下表のように、「意思決定機関」「業務執行機関」「代表者」と分けて考えると覚えやすいです。

非取締役会設置会社における取締役

取締役会がない場合、会社の業務の意思決定は、原則、取締役が行います。もし、取締役が2人以上いる場合、過半数をもって決定します(348条1項)。

ただし、定款の別段の定めがあれば、それに従います。

そして、非取締役会設置会社の代表者については、
原則、各取締役が会社を代表します。
例外として、代表取締役が定まっている場合、代表取締役が会社を代表します(349条1項2項)。

取締役会設置会社における取締役

取締役会設置会社では、取締役会が会社の業務の意思決定を行うので、取締役個人としては、あくまでも取締役会の構成員として、意思決定の議決権を持つにすぎないことになります(362条)。

業務の執行についても、基本的には取締役の中から選ばれた代表取締役が行います。
※指名委員会等設置会社の場合は、執行役が業務の執行を行います(418条)。

取締役の義務

取締役は下記義務および下記規制を負います。

  1. 善管注意義務
  2. 忠実義務
  3. 競業取引の禁止
  4. 利益相反取引の禁止

善管注意義務

会社と取締役の関係は、委任の規定に従います(330条)。

つまり、「会社=委任者」「取締役=受任者」という関係が成立します。

そうすると、受任者たる取締役は、委任者たる会社に対して善良なる管理者の注意義務(善管注意義務)を負います(民法644条)。

もし、取締役が善管注意義務を怠り、会社に損害を与えた場合、債務不履行により損害賠償義務を負うこととなります(民法415条)。

忠実義務

忠実義務とは、法令および定款・株主総会決議を遵守し、会社のために忠実にその職を行わなければならないという義務を言います(335条)。

判例では、忠実義務は、善管注意義務を、より明確に注意的に規定したものに過ぎず善管注意義務とは別個のより高度な注意義務を取締役に課したものではない、としています(最大判昭45.6.24)。

つまり、善管注意義務と忠実義務は同質の義務であるということです。

競業取引の禁止(競業避止義務)

取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき、株主総会(取締役会設置会社においては取締役会)において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければなりません(356条1項1号)。

「自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引」とは、「競業取引」のことを指します。

例えば、株式会社Aがホームページの作成事業を行っており、取締役Bは、自らホームページ作成事業を立ち上げたり、他のホームページ作成業者Cの代表取締役に就任して、ホームページの作成事業を行ったりしてはいけない、ということです。

このような義務を競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ)と言います。

承認を得ずに競業取引を行った場合どうなるか?(競業取引の効果)

株主総会・取締役会の承認を要する競業取引であるにも関わらず、承認を得ずに取引を行った取締役は、会社に損害が生じた場合、任務懈怠による損害賠償責任を負うことになります(432条1項)。

その場合、「取締役が得た利益」又は「第三者が得た利益」の額が損害額と推定され、損害賠償請求の対象となります。

つまり、競業取引自体は有効だが、損害賠償で処理するということです。

利益相反取引の禁止

利益相反取引とは、取締役と会社の利益が相反する取引を言います。

つまり、取締役が利益を得て、会社が不利益を被る取引のことです。

例えば、会社の所有する土地を取締役が安く購入する契約等です。

この場合も、株主総会(取締役会設置会社においては取締役会)において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければなりません(356条1項3号)。

利益相反取引の効果

利益相反取引については、会社は原則として取締役に対して無効を主張することができます。

一方、会社は、承認がなかったことを知らない第三者に対して無効を主張できません

取締役の報酬

取締役の報酬は、定款または株主総会の決議により定めなければなりません(361条1項)。

つまり、定款の定めがない場合、株主総会決議で決めるということです。

取締役会決議では決めることができません

なぜなら、それができると、取締役が自分達の報酬を決めることができるようになり、不当に高額にして会社の経営に影響を及ぼす恐れがあるからです。

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決議取消し、決議無効確認、決議不存在確認の訴え

株主総会の決議に、手続上・内容上問題がある場合、3つの制度が用意されています。

  1. 決議取消しの訴え
  2. 決議無効確認の訴え
  3. 決議不存在確認の訴え

大まかに分けると、
決議の瑕疵が軽いものが、決議取消しの訴えで、
決議の瑕疵が重くなるにしたがって、無効確認の訴え→不存在確認の訴え
といった感じです。

まとめた表は下記の通りで、その後に細かく解説していきます。


決議取消しの訴え

株主総会の決議取消事由

株主総会決議を取り消すことができるのは、下記3つのいずれかに該当する場合です(831条1項)。

  1. 招集手続きまたは決議の方法が、①法令・定款に違反し、または②著しく不公正なとき
  2. 決議の内容定款に違反するとき
  3. 決議について特別利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がなされたとき

1の具体例として、下記があります。

  • 決議の定足数に不足がある場合
  • 一部の株主に招集の通知をし忘れた場合
  • 招集通知期間が不足している場合
    ※原則、2週間前までに通知、非公開会社の場合、1週間前まで
  • 深夜に株主総会を行ったり、誰も来れないような場所で株主総会を行った場合
  • 代表取締役が有効な取締役会決議を経ることなく株主総会を招集した場合(最判昭46.3.18)
    ※株主総会の招集決定は取締役会設置会社では、取締役会決議が必要。これをせずに代表取締役が株主総会を招集したということ。
  • 取締役会設置会社において招集通知の記載のない議題について決議した場合(最判昭31.11.15)

そして、株主総会の決議取消しの訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するとき(上記1の要件を満たす場合)であっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなくかつ決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、決議取消しの請求を棄却することができます831条2項)。

決議取消しの訴えの提訴権者と提訴期間

株主、取締役、執行役員、監査役等は、株主総会決議の日から3か月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができます(831条1項)。

この場合、被告は会社になります。

決議取消し判決の効力

決議取消しの確定判決(認容判決)により、遡及効と対世効が生じます。

遡及効

決議の日にさかのぼって決議は無効となります。

対世効

確定判決は、訴訟当事者間のみに及び、当事者以外の第三者には及ばないのが原則です(民事訴訟法115条1項)。

しかし、確定した決議取消判決の効力は、当事者以外の第三者に対しても効力を生じます(838条)。これを対世効と言います。

例えば、取締役についてAの選任決議がされ、その後、決議取消判決をもらった場合、全員にとって、Aは取締役でなくなるわけです。訴訟提起した者にとってのみAは取締役でなくなり、その他の株主にとってAは取締役というのはおかしな話になります。

決議無効確認の訴え

株主総会の決議無効事由

決議無効の訴えを請求できるのは、決議の内容法令に違反する場合です。

決議取消しと決議無効の要件の違い
法令違反 定款違反
決議の方法 取消事由 取消事由
決議の内容 無効事由 取消事由

決議無効の訴えの提訴権者と提訴期間

株主総会決議の無効の訴えについては、提訴権者および提訴期間に定めはないので、誰でも・いつでも無効を主張できます。

決議無効判決の効力

決議無効の確定判決(認容判決)により、遡及効と対世効が生じます。
これは、決議取消しの判決の効力と同じです。

決議不存在確認の訴え

決議が行われたような書類は存在するが、実際には決議が行っていない場合誰でも・いつでも決議不存在確認の訴えを主張できます。

行政書士の試験対策としては、下記判例をそのまま覚えておきましょう。

  • 代表権のない取締役が取締役会決議に基づかずに株主総会を招集した場合(最判昭45.8.20)

決議不存在確認の確定判決(認容判決)により、遡及効と対世効が生じます。
これは、決議取消しや決議無効の判決の効力と同じです。

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株主総会の決議(普通決議・特別決議・特殊決議)

株主総会における決議は、決議する内容の重要性によって、普通決議、特別決議、特殊決議の3つに分かれます。

決議要件

普通決議 議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の過半数で決議
特別決議 議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の多数で決議
特殊決議 議決権を行使できる株主の半数であって、当該株主の議決権の3分の2以上の多数で決議
総株主の半数であって、総株主の議決権の4分の3以上の多数で決議

普通決議

会社法または定款で特別な定めがない場合は、この普通決議により議決します。

言い換えると、特別決議や特殊決議以外のものが普通決議ということです。

普通決議は、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の過半数で決議します。

そして、普通決議の定足数は、定款により、引き下げたり、排除することができます。つまり、議決しやすくすることができるということです。

ただし、役員(取締役、会計参与、監査役)の選任・解任決議については、定足数を総株主の議決権の3分の1未満に引き下げることはできません341条)。

定足数とは、株主総会を開いて、議決するために必要な、最小限度の出席人数です。憲法における国会部分でも勉強した定足数と同じ内容です。

特別決議

特別決議は、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の多数で決議します。

特別決議となること議題は、行政書士試験で出題されそうなものに絞って下記に列挙しました。

  1. 譲渡制限株式の買取決議140条2項)
  2. 特定の株主から自己株式を取得する旨、その条件の決定156条1項)
  3. 全部取得条項付種類株式の取得の決議171条1項)
  4. 株式の併合の決議180条2項)
  5. 募集株式、新株予約権の募集事項の決定(非公開会社のみ)199条2項、238条2項
  6. 募集株式の第三者割当の場合の有利発行199条2項、309条2項5号
  7. 募集株式・募集新株予約権の募集事項の決定を「取締役等に委任」する決議200条1項、309条2項5号)
  8. 「累積投票で選任された取締役」「監査役」を、解任する決議342条3~5項、339条
  9. 非公開会社において、新株予約権付社債を発行する決議248条
  10. 役員等の損害賠償責任を一部免除する決議425条1項)
  11. 資本金を「減少」する決議447条1項)
  12. 金銭以外の財産を配当し、かつ、金銭分配請求権を与えないこととする場合454条4項)

譲渡制限株式の買取決議

株式会社は、譲渡制限付株式の譲渡について承認するよう請求を受けた場合において、譲渡の承認をしない旨の決定をしたときは、譲渡制限株式を買い取らなければなりません

この場合においては、下記事項を定めなければならないのですが、下記事項を決定するには、株主総会の特別議が必要です。

  1. 譲渡制限株式を買い取る旨
  2. 株式会社が買い取る対象株式の数

特定の株主から自己株式を取得する旨、その条件の決定

株式会社が特定の株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の特別決議によって、下記事項を定めなければなりません。

  1. 取得する株式の数
  2. 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等の内容及びその総額
  3. 株式を取得することができる期間(1年以内で定めること)

全部取得条項付種類株式の取得の決議

全部取得条項付種類株式を発行した種類株式発行会社は、株主総会の特別決議によって、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができます。

株式の併合の決議

株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の特別決議によって、下記事項を定めなければなりません。

  1. 併合の割合
  2. 株式の併合がその効力を生ずる日
  3. 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類

募集株式、新株予約権の募集事項の決定(非公開会社のみ)

株式会社は、その発行する「株式」又は「その処分する自己株式」「新株予約権」を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、一定事項を定めなければなりません。
そして、当該株式会社が非公開会社の場合、募集事項の決定は、株主総会の特別決議によらなければなりません。

※公開会社の場合、取締役会の決議で行えます。

募集株式の発行の手続きはこちら>>

募集株式の第三者割当の場合の有利発行

募集株式について第三者割当を行う場合、公開会社であれば、原則、取締役会決議で行えます。ただし、有利価格での発行には株主総会の特別決議が必要です。

募集株式・募集新株予約権の募集事項の決定を「取締役等に委任」する決議

株主総会の特別決議により、上記「募集株式、新株予約権の募集事項の決定」について取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができます。

「累積投票で選任された取締役」「監査役」を、解任する決議

累積投票の解説はこちら>>

「累積投票で選任された取締役」または「監査役」を、解任する場合、株主総会の特別決議が必要です。

非公開会社において、新株予約権付社債を発行する決議

新株予約権付社債の発行については、新株予約権の募集に関する規定が適用されます。

したがって、上記「募集株式、新株予約権の募集事項の決定(非公開会社のみ)」の通り、株主総会の特別決議により、募集事項を決定して発行できます。

役員等の損害賠償責任を一部免除する決議

役員等の任務懈怠責任について、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から一定金額を控除して得た額(差し引いた額)を限度として、株主総会の特別決議によって免除することができます。

資本金を「減少」する決議

株式会社は、株主総会の特別決議により資本金の額を減少させることができます。

金銭以外の財産を配当し、かつ、金銭分配請求権を与えないこととする場合

金銭分配請求権を与えず、金銭以外の財産(現物配当:例えば商品券)で配当する場合、株主総会の特別決議が必要です。

特殊決議

特殊決議については、決議要件の違いにより、下記2つのパターンがあります。

議決権を行使できる株主の半数であって、当該株主の議決権の3分の2以上の多数で決議
総株主の半数であって、総株主の議決権の4分の3以上の多数で決議

①議決権を行使できる株主の半数であって、当該株主の議決権の3分の2以上の多数で決議

  1. 全部の株式に譲渡制限をかける旨の定款変更
  2. 吸収合併契約等の承認
    ※吸収合併消滅会社・株式交換完全子会社が公開会社で、対価の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該会社の吸収合併契約・株式交換契約の承認(783条1項)
  3. 新設合併契約等の承認
    ※新設合併消滅会社・株式移転完全子会社が公開会社で、対価の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該会社の新設合併契約・株式移転計画の承認(804条1項)

②総株主の半数であって、総株主の議決権の4分の3以上の多数で決議

非公開会社における株主ごとに異なる権利内容を設ける場合(109条2項)の定款変更(当該定款の定めを廃止するものを除く)

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