日本の米価に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。 (注)* 主要食糧の需給および価格の安定に関する法律
- 「米公方」と呼ばれた江戸幕府将軍・徳川綱吉は、米価を安定させて、犬などの生類の保護をしようとして、大阪の堂島米市場を公認するなどした。
- 大正期に米価が急落すると、全国各地で米商人などによる政府機関へのテロ・襲撃が起きて大騒擾となり、「米騒動」と呼ばれた。
- 1970年代の日本の食糧管理制度では、政府は、米などの価格を規制する一方、米の過剰生産を抑えるために減反(生産調整)を行った。
- 1995年のいわゆる新食糧法* の施行によって、米価に関しては原則的に公定価格(生産者米価と消費者米価)によることとされた。
- 米価の急騰を受けて、2025年から、米国政府国際開発庁(USAID:U.S.Agency for International Development)は、対日支援として備蓄米の放出を開始した。
【答え】:3
【解説】
1.妥当でない
「米公方」と呼ばれ、米価の安定のために大阪の堂島米市場を公認したのは、徳川綱吉ではなく第8代将軍・徳川吉宗です。吉宗は新田開発や年貢増産によって米の増産を図りましたが、米に依存しすぎたことで米の収穫量が社会全体に影響する不安定な構造を生んでしまったという側面もありました。なお、生類憐みの令で知られる綱吉は第5代将軍です。
※「堂島米市場」とは、大阪・堂島に設けられた米の先物取引市場で、世界最古の先物取引市場の一つとされています。
2.妥当でない
米騒動が起きたのは米価の急落ではなく急騰が原因です。大正7年(1918年)、政府がシベリア出兵の方針を固めたことを背景に投機目的の米買い占めが横行して米価が高騰し、富山県の漁民・主婦らが米の移出禁止と安売りを求めて立ち上がったことが全国に波及しました。テロ・政府機関への襲撃という記述も不正確です。
※「米騒動」とは、1918年(大正7年)に富山県を発端として全国に広がった米価高騰への民衆抗議運動です。当時の寺内正毅内閣が退陣に追い込まれ、原敬による初の本格的政党内閣誕生につながりました。
3.妥当である
食糧管理制度は1942年に制定され、当初は食糧不足対策として機能しました。しかし1967年以降は米の過剰生産(コメ余り)が社会問題となり、政府は減反(生産調整)と自主流通米制度を柱とした改革を実施しました。価格規制と生産抑制を同時に行ったという点が本肢のポイントです。
※「食糧管理制度」とは、食糧管理法に基づき、米・麦などの主要食糧の需給・価格を国家が管理する制度です。1995年の食糧法施行により廃止されました。
※「減反(生産調整)」とは、米の過剰生産を防ぐために政府が農家に作付け面積を減らすよう求めた政策です。
4.妥当でない
1995年施行の新食糧法では、米価を原則として公定価格で定めるという制度は採用されていません。農林水産大臣が基本方針を定めるとされているものの、価格は原則として市場に委ねられる方向へと転換されました。「原則的に公定価格による」という記述が誤りです。
※「新食糧法」とは、1995年施行の「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」の通称です。旧食糧管理法を廃止し、米の流通規制を大幅に緩和しました。
※「公定価格」とは、政府が法令によって定める価格のことで、生産者が政府に売る価格(生産者米価)と消費者が政府から買う価格(消費者米価)の2種類がありました。
5.妥当でない
2024年〜2025年の記録的な米価高騰・品薄状態を受けて備蓄米を放出したのは、米国政府国際開発庁(USAID)ではなく日本政府です。USAIDは米国の対外援助機関であり、日本の国内米価対策に関与するものではありません。「対日支援」という表現も誤りです。
※「USAID(米国政府国際開発庁)」とは、アメリカの政府機関で、開発途上国への経済・人道支援を行う機関です。日本の食糧政策とは無関係です。
※「備蓄米」とは、不作や災害など不測の事態に備えて政府が保管している米のことです。
令和7年(2025年)過去問
| 問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法 |
|---|---|---|---|
| 問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法 |
| 問3 | 憲法 | 問33 | 民法 |
| 問4 | 憲法 | 問34 | 民法 |
| 問5 | 憲法 | 問35 | 民法 |
| 問6 | 憲法 | 問36 | 商法 |
| 問7 | 憲法 | 問37 | 会社法 |
| 問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
| 問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
| 問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
| 問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法・多肢選択 |
| 問12 | 個人情報保護法 | 問42 | 行政法・多肢選択 |
| 問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法・多肢選択 |
| 問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
| 問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
| 問16 | 行政不服審査法 | 問46 | 民法・40字 |
| 問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識 |
| 問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識 |
| 問19 | 行政事件訴訟法 | 問49 | 基礎知識 |
| 問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識 |
| 問21 | 国家賠償法 | 問51 | 基礎知識 |
| 問22 | 行政法 | 問52 | 基礎知識 |
| 問23 | 地方自治法 | 問53 | 行政書士法 |
| 問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識 |
| 問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識 |
| 問26 | 情報公開法 | 問56 | 基礎知識 |
| 問27 | 民法 | 問57 | 基礎知識 |
| 問28 | 民法 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
| 問29 | 民法 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
| 問30 | 民法 | 問60 | 著作権の関係上省略 |


