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令和7年・2025|問40|会社法

株券に関する次のア~オの記述のうち、会社法の規定に照らし、正しいものの組合せはどれか。

ア.株券発行会社における株式の譲渡は、当該株式を取得した者の氏名または名称および住所を株主名簿に記載し、または記録しなければ、当該株券発行会社その他の第三者にも対抗することができない。

イ.株券発行会社が自己株式の処分により行う株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなくても、その効力を生ずる。

ウ.株券発行会社の株券には、譲渡による当該株券に係る株式の取得について当該株券発行会社の承認を要することを定款で定めたときは、その旨を記載しなければならない。

エ.株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、株券の所持を希望しない旨を申し出ることができ、当該株券は、当該株主が当該株券発行会社に提出したときに、無効となる。

オ.株券発行会社の株式に係る株券を喪失した者は、非訟事件手続法の公示催告における除権決定により、当該株券を無効とすることができる。

  1. ア・イ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

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【答え】:3

【解説】
ア.株券発行会社における株式の譲渡は、当該株式を取得した者の氏名または名称および住所を株主名簿に記載し、または記録しなければ、当該株券発行会社その他の第三者にも対抗することができない。

ア.誤り

株主名簿への記載・記録は、株券発行会社「その他の第三者」に対抗するための要件ではありません。会社法130条1項は原則として株主名簿の記載・記録を対抗要件と定めていますが、株券発行会社については例外が設けられており、株券の交付が譲渡の効力要件かつ対抗要件となります(会社法130条2項)。「株券発行会社その他の第三者にも対抗することができない」という記述が誤りです。

※「株主名簿」とは、株主の氏名・住所・保有株式数などを記載した会社が作成・管理する帳簿です。原則として、株主名簿への記載がなければ株式取得を会社や第三者に主張できません。
※「株券発行会社」とは、その株式に係る株券を発行する旨を定款で定めた会社のことです(会社法117条7項)。

イ.株券発行会社が自己株式の処分により行う株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなくても、その効力を生ずる。

イ.正しい

株券発行会社では、原則として株式の譲渡には株券の交付が必要ですが、自己株式の処分による譲渡については株券を交付しなくても効力が生じます(会社法128条1項ただし書)。これは会社自身が売主となる場面であり、株券が会社の手元にある特殊な状況であるため、例外が認められています。「自己株式の処分=株券交付不要」という例外を正確に覚えておきましょう。

※「自己株式」とは、株式会社が保有する自社の株式のことです。会社法では一定の条件のもとで自己株式の取得・保有・処分が認められています。

ウ.株券発行会社の株券には、譲渡による当該株券に係る株式の取得について当該株券発行会社の承認を要することを定款で定めたときは、その旨を記載しなければならない。

ウ.正しい

株券には法定の記載事項があり、定款で譲渡制限を定めている場合はその旨を株券に記載しなければなりません(会社法216条1項3号)。これにより、株券を取得しようとする者が譲渡制限の存在を知ることができ、取引の安全が図られます。譲渡制限の定めがある場合の株券への記載義務は頻出事項です。

※「譲渡制限株式」とは、定款によって譲渡による株式取得に会社の承認を要すると定められた株式のことです(会社法107条1項1号)。閉鎖的な会社経営を維持するために設けられます。

エ.株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、株券の所持を希望しない旨を申し出ることができ、当該株券は、当該株主が当該株券発行会社に提出したときに、無効となる。

エ.誤り

株券が無効となるタイミングが誤りです。株主が不所持の申し出をして株券を会社に提出しても、提出した時点では株券は無効になりません。株券が無効となるのは、会社がその申し出を受けた株式について株券を発行しない旨を株主名簿に記載・記録した時です(会社法217条5項)。「提出したとき」という記述が誤りです。手続のどの時点で効力が生じるかに注意しましょう。

オ.株券発行会社の株式に係る株券を喪失した者は、非訟事件手続法の公示催告における除権決定により、当該株券を無効とすることができる。

オ.誤り

株券を喪失した場合、非訟事件手続法の公示催告・除権決定の手続を利用することはできません。会社法233条が、株券については非訟事件手続法第4編の規定を適用しないと明示しているためです。株券喪失の場合は、会社法に定める株券喪失登録制度(会社法223条以下)によって対処します。公示催告と株券喪失登録制度を混同しないよう整理しておきましょう。

※「除権決定」とは、有価証券等を喪失した場合に公示催告手続を経て裁判所が行う決定で、喪失した証書を無効とするものです。ただし株券には適用されません。
※「株券喪失登録制度」とは、株券を喪失した者が会社に登録を申請し、一定期間(1年)を経過した後に株券を無効とする会社法独自の制度です(会社法223条)。

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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