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令和7年・2025|問32|民法

AとBが、Cから連帯して400万円を借りている場合(AとBの負担部分は200万円ずつ)に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. Aが、Cに400万円を弁済するのに先立ち、Bに事前の通知をすることを怠った場合において、すでに弁済により共同の免責を得ていたBがAに事後の通知をしていなかったときは、Aは、Bに対して自己の免責行為を有効であるとみなすことができる。
  2. Aが、Cに400万円を弁済するのに先立ち、Bに事前の通知をしないで弁済をし、共同の免責を得た場合において、Bは、Cに対して200万円の反対債権を有していたときは、自己の負担部分の200万円について、Aの求償に対して相殺をもって対抗できる。
  3. Aが、Cに対して400万円の反対債権を有する場合において、Aが相殺を援用したときは、Aの負担部分の200万円についてのみ、Bの利益のためにも、その効力を生ずる。
  4. Cが、Aに対して債務を免除した場合において、Aの負担部分の200万円の限度で、Bは、Cに対して債務の履行を拒むことができる。
  5. AのためにCの貸金債権の消滅時効が完成した場合において、BがCに400万円を弁済したときは、Bは、Aに求償権を行使することができない。

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【答え】:2
【解説】
1.Aが、Cに400万円を弁済するのに先立ち、Bに事前の通知をすることを怠った場合において、すでに弁済により共同の免責を得ていたBがAに事後の通知をしていなかったときは、Aは、Bに対して自己の免責行為を有効であるとみなすことができる。

1.妥当でない

事前通知を怠ったのはAですが、本肢では「Aは自己の免責行為を有効とみなすことができる」としており、これが誤りです。民法443条2項において自己の免責行為を有効とみなすことができるのはBです。BはすでにCへ弁済して共同の免責を得ていたにもかかわらず、AがBへの事前通知を怠ったためAの弁済と重複してしまった場面では、事前通知義務を怠ったAが不利益を受けるべきであり、善意であったBが保護されます

※「事前通知」とは、連帯債務者が弁済等をしようとする場合に、他の連帯債務者に対してあらかじめその旨を知らせる通知のことです(民法443条1項)。

2.Aが、Cに400万円を弁済するのに先立ち、Bに事前の通知をしないで弁済をし、共同の免責を得た場合において、Bは、Cに対して200万円の反対債権を有していたときは、自己の負担部分の200万円について、Aの求償に対して相殺をもって対抗できる。

2.妥当である

Aが事前通知なしにCへ400万円を弁済した場合、Bは自己の負担部分(200万円)について、Cに対して有していた反対債権による相殺をもってAの求償に対抗することができます(民法443条1項前段)。これは、事前通知を怠ったAに不利益を負わせ、Bを保護する規定です。BがCに対して持っていた200万円の反対債権を「事由」として、Aの200万円の求償に対して相殺で対抗できる点が正確に記述されています。

※「求償権」とは、連帯債務者の一人が自己の負担部分を超えて弁済した場合に、他の連帯債務者に対してその超過部分の償還を求めることができる権利です(民法442条)。

3.Aが、Cに対して400万円の反対債権を有する場合において、Aが相殺を援用したときは、Aの負担部分の200万円についてのみ、Bの利益のためにも、その効力を生ずる。

3.妥当でない

Aが400万円の反対債権を持ち相殺を援用した場合、消滅するのはAの負担部分200万円だけではありません。民法439条1項により、相殺を援用した連帯債務者の債権額の限度で、債権は全ての連帯債務者の利益のために消滅します。Aが400万円の反対債権全額で相殺を援用した場合は400万円全額がAとB両者の利益のために消滅します。「Aの負担部分200万円についてのみBの利益のために効力を生ずる」という記述が誤りです。

4.Cが、Aに対して債務を免除した場合において、Aの負担部分の200万円の限度で、Bは、Cに対して債務の履行を拒むことができる。

4.妥当でない

2020年の民法改正により、連帯債務における免除は相対効(民法441条)となりました。CがAに対して債務を免除しても、その効力はAとCの間にのみ生じ、BのCに対する債務には影響しません。改正前の旧民法では免除に絶対効が認められていましたが(旧民法437条)、改正後はBはCに対して履行を拒むことができません。「改正前・改正後」で結論が逆転する点を注意して覚えておきましょう。

5.AのためにCの貸金債権の消滅時効が完成した場合において、BがCに400万円を弁済したときは、Bは、Aに求償権を行使することができない。

5.妥当でない

民法改正(2020年)により、時効の完成も相対効となりました(民法441条)。AのためにCの貸金債権の消滅時効が完成しても、その効力はAとCの間にのみ及び、BのCに対する債務には影響しません。BはCに対して依然として400万円全額の支払義務を負うため、BがCに400万円を弁済した場合、BはAに対してAの負担部分200万円の求償権を行使することができます(民法442条)。「求償できない」という記述が誤りです。

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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