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株券
株券とは、株主であることを証明するための有価証券です。
そして、株券は原則、発行しません。ただし、例外として、定款で、株券を発行する旨の定めがある場合に発行できます(214条)。そして、
株券を発行する会社を「株券発行会社」
株券を発行しない会社を「株券不発行会社」
株券の発行
株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければなりません(215条1項)。
ただし、公開会社でない(非公開会社である)株券発行会社は、株主から請求がある時までは、これらの規定の株券を発行しないことができます(215条4項)。
株主名簿
株主名簿とは、会社が作成し、誰が株主かを記した名簿のことです。
株券発行会社の場合、株式取得者は、株主名簿の名義書換をしなければ、会社に対して権利の移転を対抗できません。一方、
株券不発行会社の場合、株式取得者は、会社だけでなく、第三者に対しても対抗できません(130条)。
株券発行会社の場合、株券を持っていれば、株主名簿の名義書換がされていなくても第三者に対して対抗できます。
会社に名義書き換えを不当に拒絶された場合、名義書換前でも株主であることを会社に対抗できます(最判昭41.7.28)。
株主名簿の閲覧・謄写
株式会社は、株主名簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければなりません(125条1項)。
株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、理由を明らかにして、株主名簿の閲覧請求および謄写請求ができます(125条2項)。
そして、請求があったら、会社は、原則、閲覧・謄写を拒むことはできません(125条3項)。
※謄写とは、書き写したり、写真で撮ったりすること。
ただし、例外として、下記事由に該当する場合は、閲覧・謄写を拒むことができます。
- 当該請求を行う株主又は債権者(請求者)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
- 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
- 請求者が株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
- 請求者が、過去2年以内において、株主名簿の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。