情報公開法※1 および公文書管理法※2 に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 情報公開法も公文書管理法も国民主権の理念にのっとっているが、公文書管理法は情報公開法とは異なり、歴史公文書等の保存、利用等の規律も設けていることから、現在のみならず将来の国民への説明責任を果たすことをその趣旨に含んでいる。
- 公文書管理法は、情報公開法と同様、行政機関による行政文書の管理、歴史公文書等の保存、利用等を定めているが、独立行政法人等の文書管理は定めていない。
- 公文書管理法は、歴史公文書等のうち、国立公文書館等に移管、寄贈もしくは寄託され、または、国立公文書館の設置する公文書館に移管されたものを「特定歴史公文書等」と定義し、永久保存の原則を定めている。
- 情報公開法は行政文書の開示請求権および開示義務を定め、公文書管理法は特定歴史公文書等の利用請求があったときの対応義務を定めている。
- 情報公開法は、従前は行政文書の公開およびその管理についての規定も設けていたが、公文書管理法の制定に伴い管理の規定は削除された。
(注)
※1 行政機関の保有する情報の公開に関する法律
※2 公文書等の管理に関する法律
【解説】
1.情報公開法も公文書管理法も国民主権の理念にのっとっているが、公文書管理法は情報公開法とは異なり、歴史公文書等の保存、利用等の規律も設けていることから、現在のみならず将来の国民への説明責任を果たすことをその趣旨に含んでいる。
1・・・正しい
情報公開法は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とします(情報公開法1条)。一方、
公文書管理法は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とします(公文書管理法1条)。
情報公開法は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とします(情報公開法1条)。一方、
公文書管理法は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とします(公文書管理法1条)。
したがって、
情報公開法も公文書管理法も国民主権の理念にのっとっているが、
公文書管理法は情報公開法とは異なり、歴史公文書等の保存、利用等の規律も設けていることから、現在のみならず将来の国民への説明責任を果たすことをその趣旨に含んでいます。
よって、本肢は正しいです。
2.公文書管理法は、情報公開法と同様、行政機関による行政文書の管理、歴史公文書等の保存、利用等を定めているが、独立行政法人等の文書管理は定めていない。
2・・・誤り
選択肢1の公文書管理法1条の内容から、
「独立行政法人等の文書管理」についても定めていることが分かります。
したがって、本肢は誤りです。
選択肢1の公文書管理法1条の内容から、
「独立行政法人等の文書管理」についても定めていることが分かります。
したがって、本肢は誤りです。
3.公文書管理法は、歴史公文書等のうち、国立公文書館等に移管、寄贈もしくは寄託され、または、国立公文書館の設置する公文書館に移管されたものを「特定歴史公文書等」と定義し、永久保存の原則を定めている。
3・・・正しい
「特定歴史公文書等」とは、歴史公文書等のうち、「①国立公文書館等に移管されたもの」や「②法人その他の団体又は個人から国立公文書館等に寄贈され、又は寄託されたもの」を言います(公文書管理法2条7項)。
そして、国立公文書館等の長は、特定歴史公文書等について、原則、永久に保存しなければなりません。
例外として、内閣総理大臣に協議し、その同意を得た場合は廃棄できます(公文書管理法15条1項)。
よって、本肢は正しいです。
「特定歴史公文書等」とは、歴史公文書等のうち、「①国立公文書館等に移管されたもの」や「②法人その他の団体又は個人から国立公文書館等に寄贈され、又は寄託されたもの」を言います(公文書管理法2条7項)。
そして、国立公文書館等の長は、特定歴史公文書等について、原則、永久に保存しなければなりません。
例外として、内閣総理大臣に協議し、その同意を得た場合は廃棄できます(公文書管理法15条1項)。
よって、本肢は正しいです。
4.情報公開法は行政文書の開示請求権および開示義務を定め、公文書管理法は特定歴史公文書等の利用請求があったときの対応義務を定めている。
4・・・正しい
何人も、行政機関の長に対し、当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができます(情報公開法3条)。
そして、行政機関の長は、開示請求があったときは、不開示情報を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければなりません(情報公開法5条)。
よって、本肢は正しいです。
何人も、行政機関の長に対し、当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができます(情報公開法3条)。
そして、行政機関の長は、開示請求があったときは、不開示情報を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければなりません(情報公開法5条)。
よって、本肢は正しいです。
5.情報公開法は、従前は行政文書の公開およびその管理についての規定も設けていたが、公文書管理法の制定に伴い管理の規定は削除された。
5・・・正しい
公文書管理法が平成21年に制定されたことにより、
情報公開法の行政文書における管理規定は削除されました。
したがって本肢は正しいです。
公文書管理法が平成21年に制定されたことにより、
情報公開法の行政文書における管理規定は削除されました。
したがって本肢は正しいです。
平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 外国人の人権 | 問33 | 民法:債権 |
問4 | 基本的人権 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 憲法9条 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 司法の限界 | 問36 | 商法 |
問7 | 財政 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政立法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・個人情報保護 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:物権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |