令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講
上記個別指導の最安値終了まで あと

平成27年・2015|問4|憲法・基本的人権

次の文章は、基本的人権の分類についてかつて有力であったある考え方を整理・要約したものである。1~5は、この分類ではいずれも「生存権的基本権」と関係があるが、その本来的な特徴を備えているとはいえないものが一つだけ含まれている。それはどれか。

我妻栄は、基本的人権を、大きく、「自由権的基本権」と「生存権的基本権」に二分し、憲法25条から28条までの権利を生存権的基本権に分類するとともに、自由権的基本権には、各種の自由権や法の下の平等のほか、請願権、国家賠償請求権、刑事補償請求権、公務員の選定・罷免権などが、「自由権的基本権を確保するための諸権利」として一緒に分類されている。「自由権的基本権」と「生存権的基本権」とを区別するにあたっては、基本的人権の歴史的推移に着目し、第一に、基本的人権の内容について、前者が「自由」という色調をもつのに対して、後者は「生存」という色調をもつという差異があること、第二に、基本的人権の保障の方法について、前者が「国家権力の消極的な規制・制限」であるのに対して、後者は「国家権力の積極的な配慮・関与」であることを指摘している。
(中略)
我妻説が、19世紀的自由権的基本権と20世紀的生存権的基本権とを截然と二分し、両者が異質の権利であるという面を強調したのに対して、今日では、社会権と自由権との区分の有用性を認めたうえで、社会権と自由権の区別が相対的であり、社会権に自由権的な側面が存在することは、一般的に認められるに至っている。

(中村睦男『社会権の解釈』(1983年)4-9頁)

  1. 国による生活保護の給付
  2. 無償による義務教育の提供
  3. 勤労条件の法律による保障
  4. 争議行為の刑事免責
  5. 社会保障制度の充実

>解答と解説はこちら


【答え】:4

【解説】

問題文に
「憲法25条から28条までの権利を生存権的基本権に分類する」ということから、
問題文の内容自体。憲法25条~28条の内容だと分かります。

また、問題文に
『この分類ではいずれも「生存権的基本権」と関係がある』
と記述されているので、選択肢の1~5はすべて「生存権的基本権」ということも分かります。

1.国による生活保護の給付
1・・・備えている
生活保護」は、「生存権」に関する内容なので、憲法25条に関する内容です。

憲法25条
1 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

2.無償による義務教育の提供
2・・・備えている
無償による義務教育の提供」は、「教育を受ける権利」に関する内容なので、憲法26条に関する内容です。

憲法26条2項
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

3.勤労条件の法律による保障
3・・・備えている
勤労条件の法律による保障」は、「勤労の権利」に関する内容なので、憲法27条に関する内容です。

憲法27条2項
賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。

4.争議行為の刑事免責
4・・・備えていない
「争議行為の刑事免責」は、「労働組合法」に関する内容なので、問題文の本来的な特徴を備えていないと判断できます。「争議行為の刑事免責」とは、「ストライキをしても刑事責任は免れる」という内容です。

労働組合法1条2項
刑法第35条の規定(法令又は正当な業務による行為は、罰しない、というルール)は、労働組合の団体交渉その他の行為であって前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用があるものとする。

5.社会保障制度の充実
5・・・備えている
社会保障制度の充実」は、「生存権」に関する内容なので、憲法25条に関する内容です。

8月から逆転合格:模試ad


平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説

問1 基礎法学 問31 民法:債権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 外国人の人権 問33 民法:債権
問4 基本的人権 問34 民法:債権
問5 憲法9条 問35 民法:親族
問6 司法の限界 問36 商法
問7 財政 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政立法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政事件訴訟法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識・政治
問19 国家賠償法 問49 基礎知識・社会
問20 国家賠償法 問50 基礎知識・経済
問21 地方自治法 問51 基礎知識・社会
問22 地方自治法 問52 基礎知識・社会
問23 地方自治法 問53 基礎知識・社会
問24 行政法 問54 基礎知識・個人情報保護
問25 行政法 問55 基礎知識・情報通信
問26 行政法 問56 基礎知識・個人情報保護
問27 民法:総則 問57 基礎知識・情報通信
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

【勉強の仕方等、お気軽にご相談ください!】
  • メールアドレス
  • お名前(姓・名)
  • 姓と名はスペースで区切ってください
  • 郵便番号
  • 例:123-4567
  • 住所(都道府県)
  • 住所(市町村以下)
  • ご相談はこちら

  

SNSでもご購読できます。