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令和7年・2025|問7|憲法

法令の形式に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 皇室典範は、皇室会議が定める規則であるが、憲法の授権により、皇位の継承や摂政など、本来は法律で定めるべき事項を規定することができる。
  2. 衆参各議院の規則は、会議その他の手続および内部の規律に関する事項を広く規定しており、本会議における議事や議決の定足数、議事を非公開にするための要件などの議事に関する重要事項も、専ら各議院の規則が定めている。
  3. 憲法は、内閣が定める政令についてのみ、法律の委任を条件に罰則を設けることを認めているので、各省大臣が定める省令については、法律の委任によって罰則を設けることはできない。
  4. 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律および司法事務処理に関する事項について規則を定める権限を有するが、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
  5. 会計検査院は、憲法上独立性が保障された機関であることから内部組織に関する自律権が認められており、その組織・権限は専ら会計検査院自身が定める規則によって規定される。

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【答え】:4
【解説】
1.皇室典範は、皇室会議が定める規則であるが、憲法の授権により、皇位の継承や摂政など、本来は法律で定めるべき事項を規定することができる。

1.妥当でない

皇室典範は皇室会議が定める規則ではなく国会の議決した法律です。

憲法2条は「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と定めており、皇室典範の制定・改正には通常の法律と同様に国会の議決が必要です。

皇室会議は、皇室典範に基づいて設置された合議機関(皇族・議長等で構成)であり、皇室典範を制定する機関ではありません。皇室典範が法律である以上、その改正は国会のみが行えます。

※「皇室会議」とは、皇室典範の定めにより、皇族の身分に関する重要事項(皇族離脱の許可など)を議決する機関で、衆参両議院の議長・副議長、最高裁長官・裁判官等で構成されます。

2.衆参各議院の規則は、会議その他の手続および内部の規律に関する事項を広く規定しており、本会議における議事や議決の定足数、議事を非公開にするための要件などの議事に関する重要事項も、専ら各議院の規則が定めている。

2.妥当でない

議事手続の重要事項の中には、議院規則ではなく憲法に直接規定されているものがあります。

例えば、本会議の定足数は「総議員の3分の1以上」憲法56条1項)、秘密会を開くには「出席議員の3分の2以上の多数による議決」が必要憲法57条1項)などが憲法本文に明記されています。

各議院の規則制定権(憲法58条2項)は、会議その他の手続および内部の規律に関する事項を対象としますが、憲法が直接定めた事項については規則で変更することはできません。実際の議院規則は、国会法の施行細則を定めるような形になっています。

3.憲法は、内閣が定める政令についてのみ、法律の委任を条件に罰則を設けることを認めているので、各省大臣が定める省令については、法律の委任によって罰則を設けることはできない。

3.妥当でない

憲法73条6号ただし書きは、政令について「特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない」と定めています。つまり法律の委任があれば政令に罰則を設けることができます

そして、各省大臣が定める省令についても、国家行政組織法12条3項により「法律の委任がなければ、罰則を設け、または義務を課し、もしくは国民の権利を制限する規定を設けることができない」と定められており、裏を返せば法律の委任があれば省令にも罰則を設けることができます

憲法73条6号ただし書きは政令のみを明文で規定していますが、省令を含む命令一般が法律の委任により罰則を設けられることは、国家行政組織法上認められており、本肢の「省令については罰則を設けることができない」は誤りです。

4.最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律および司法事務処理に関する事項について規則を定める権限を有するが、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

4.妥当である

憲法77条1項は、最高裁判所が「訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律および司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する」と定めています。

さらに同条3項は、「最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる」と規定しています。

規則制定権の委任を明文で認めているのは、各下級裁判所の実情に応じた柔軟な規律を可能にするためです。本肢の記述は77条1項・3項に合致しており、妥当です。

5.会計検査院は、憲法上独立性が保障された機関であることから内部組織に関する自律権が認められており、その組織・権限は専ら会計検査院自身が定める規則によって規定される。

5.妥当でない

会計検査院の組織・権限について、憲法90条2項は「会計検査院の組織および権限は、法律でこれを定める」と規定しています。「会計検査院自身が定める規則」によるのではなく、国会が制定する法律(会計検査院法)によって定められます。

会計検査院は、内閣から独立した地位を有する機関であり(会計検査院法1条)、内閣の統轄の下には置かれていません。しかし、この独立性は、会計検査院が独自に規則によって自己の組織・権限を定められることを意味するのではなく、内閣の指揮命令を受けずに職権を行使できるという意味での独立性です。

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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