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令和7年・2025|問38|会社法

取締役会に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

  1. 取締役会は、募集社債の総額その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項の決定を取締役に委任することができない。
  2. 株式会社の取締役は、自己のために当該株式会社の事業の部類に属する取引をした場合には、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。
  3. 取締役会を招集する取締役については、定款または取締役会で定めることもできる。
  4. 取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。
  5. 取締役会の決議に参加した取締役が、当該取締役会の議事録に異議をとどめないで署名または記名押印した場合には、当該決議に賛成したものとみなされる。

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【答え】:5
【解説】
1.取締役会は、募集社債の総額その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項の決定を取締役に委任することができない。

1.正しい

取締役会は業務執行の決定を行う機関であり、重要でない事項は取締役に委任できますが、募集社債の総額その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項の決定は取締役に委任することができません(会社法362条4項5号・676条1号)。これは業務執行者が独断で多額の資金調達を行うことを防ぎ、取締役相互のけん制を機能させるための規定です。

※「社債」とは、会社が資金調達のために発行する債券(借入証書)のことです。株式とは異なり、社債は元本返済と利息支払いの義務が生じます。

2.株式会社の取締役は、自己のために当該株式会社の事業の部類に属する取引をした場合には、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。

2.正しい

競業取引を行った取締役は、事前に取締役会の承認を得るだけでなく、取引後も遅滞なく当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければなりません(会社法365条2項)。事前の承認に加えて事後の報告義務も課すことで、取締役会による継続的な監視・監督が可能となっています。「承認だけで報告は不要」と誤解しないよう注意しましょう。

※「競業取引」とは、取締役が自己または第三者のために、会社の事業の部類に属する取引を行うことです。会社の利益を損なうおそれがあるため、取締役会の承認が必要とされています(会社法356条1項1号・365条1項)。

3.取締役会を招集する取締役については、定款または取締役会で定めることもできる。

3.正しい

取締役会は原則として各取締役が招集できますが、定款または取締役会の決議によって招集権者となる取締役を定めた場合は、その取締役のみが招集します(会社法366条1項)。実務では、代表取締役が招集権者に定められていることが多いです。招集権者を定めた場合でも、他の取締役は一定の手続きのもとで招集を請求できる点も合わせて覚えておきましょう。

4.取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。

4.正しい

取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は議決に加わることができません(会社法369条2項)。自己に利害関係のある決議に参加すれば公正な判断が期待できないためです。特別利害関係取締役は定足数(議決に加わることができる取締役の過半数)にも算入されない点も重要なポイントです。

※「特別利害関係」とは、取締役が会社との利益が相反する関係にある場合などを指します。例えば取締役と会社の間の取引(利益相反取引)の承認決議が典型例です。

5.取締役会の決議に参加した取締役が、当該取締役会の議事録に異議をとどめないで署名または記名押印した場合には、当該決議に賛成したものとみなされる。

5.誤り

「みなされる」という記述が誤りです。正しくは「推定される」です(会社法369条5項)。「推定」と「みなし」は法律上の重要な区別であり、推定は反証によって覆すことができますが、みなしは反証を許さない確定的な扱いです。つまり、議事録に異議をとどめなかった取締役は賛成したものと推定されますが、実際には反対であったことを証明すれば推定を覆すことができます。試験では「推定」と「みなし」の区別が頻繁に問われますので正確に押さえておきましょう。

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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