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令和7年・2025|問27|民法

行為能力に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

  1. 補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
  2. 後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人または被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始または補助開始の審判を取り消さなければならない。
  3. 被保佐人が遺産の分割をする場合には、その保佐人の同意を得る必要はないが、被保佐人が相続の承認または放棄をする場合には、その保佐人の同意を得なければならない。
  4. 制限行為能力者が、行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
  5. 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人または補助人に対し、その権限内の行為について、1ヵ月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をした場合、これらの者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。

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【答え】:3
【解説】
1.補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。

1.正しい

補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意しない場合、家庭裁判所は被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができます(民法17条3項)。これは補助人が不当に同意を拒絶することから被補助人を保護する規定です。同様の規定は保佐人の同意に代わる許可(民法13条3項)にも存在します。

※「補助」とは、精神上の障害により事理弁識能力が不十分な者を対象とする後見制度の一類型で、後見・保佐より支援の程度が軽いものです(民法15条)。補助人の同意権の対象は、保佐人の同意権の対象の一部に限られます。

2.後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人または被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始または補助開始の審判を取り消さなければならない。

2.正しい

後見・保佐・補助は支援の程度が異なる段階的な制度です。後見開始の審判を受ける場合、本人がすでに被保佐人または被補助人であるときは、より軽い制度である保佐開始・補助開始の審判は家庭裁判所が職権で取り消さなければなりません(民法19条1項)。重複適用を排除し、適切な保護類型に一本化する趣旨です。

3.被保佐人が遺産の分割をする場合には、その保佐人の同意を得る必要はないが、被保佐人が相続の承認または放棄をする場合には、その保佐人の同意を得なければならない。

3.誤り

「被保佐人が遺産の分割をする場合に保佐人の同意が不要」という記述が誤りです。民法13条1項9号により、相続の承認もしくは放棄および遺産の分割はいずれも保佐人の同意が必要な行為として明示されています。遺産分割は財産的影響が大きく被保佐人を保護する必要があるため、相続の承認・放棄と並んで両方とも同意が必要です。「遺産分割は不要」という点が誤りです。

※「被保佐人」とは、精神上の障害により事理弁識能力が著しく不十分な者として保佐開始の審判を受けた者のことです(民法11条)。民法13条1項に列挙された重要な財産行為には保佐人の同意が必要です。

4.制限行為能力者が、行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。

4.正しい

制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるために詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができません(民法21条)。自ら相手方を騙した制限行為能力者を保護する必要はなく、むしろ善意で信頼した相手方を保護すべきという趣旨です。なお、単に黙秘しているだけでは詐術にあたりませんが、他の言動と相まって誤信を強めるような場合は詐術にあたると解されています。

5.制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人または補助人に対し、その権限内の行為について、1ヵ月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をした場合、これらの者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。

5.正しい

制限行為能力者の相手方が、法定代理人・保佐人・補助人に対して1か月以上の期間を定めて追認するか否かの確答を催告した場合、期間内に確答がなければ追認したものとみなされます(民法20条1項・2項)。これは制限行為能力者の相手方を不確定な状態から解放する規定です。ただし、制限行為能力者本人に直接催告した場合、確答がなければ取り消したものとみなされる点(民法20条4項)と区別して覚えておきましょう。

※「追認」とは、取り消しうる行為を確定的に有効とする意思表示のことです(民法122条)。追認後は取り消すことができなくなります。

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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