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令和7年・2025|問18|行政事件訴訟法

処分取消訴訟の出訴期間について定めた下記の規定に関する次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。 行政事件訴訟法(行訴法)14条1項「取消訴訟は、処分・・・があったことを知った日から6ヵ月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。」 なお、本問では「処分・・・があったことを知った日」を「基準日」という。

  1. 行訴法は、行訴法14条1項のほかに、処分の日から一定期間を経過したときは、取消訴訟を提起することができない旨の定めを置いているが、この定めには「正当な理由があるときは、この限りでない。」とのただし書きは付されていない。
  2. 個人情報保護条例(当時)に基づく保有個人情報の一部開示決定に対する取消訴訟について、開示文書の内容の詳細や不利益性を認識した時が基準日となることから、基準日は、当該決定の通知書が到達した日ではなく、当該開示文書が到達した日とされる。
  3. 行訴法14条1項が定める出訴期間の定めは、無効等確認訴訟の他、形式的当事者訴訟にも準用されることが行訴法において規定されている。
  4. 審査請求をすることができる処分についてそれがなされた場合、当該処分に係る取消訴訟は、当該審査請求をした者については、行訴法14条1項の規定にかかわらず、当該審査請求を行った日が基準日とされる。
  5. 都市計画法における都市計画事業の認可のように、処分が個別の通知ではなく告示をもって多数の関係権利者等に画一的に告知される場合には、当該告示があった日が基準日とされる。

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【答え】:5
【解説】
1.行訴法は、行訴法14条1項のほかに、処分の日から一定期間を経過したときは、取消訴訟を提起することができない旨の定めを置いているが、この定めには「正当な理由があるときは、この限りでない。」とのただし書きは付されていない。

1.妥当でない

行政事件訴訟法14条には主観的出訴期間(1項・処分を知った日から6か月)と客観的出訴期間(2項・処分の日から1年)の両方が規定されており、どちらにも「正当な理由があるときはこの限りでない」というただし書きが付されています。「客観的出訴期間にはただし書きがない」という記述が誤りです。両方の期間にただし書きがある点を正確に覚えておきましょう。

※「主観的出訴期間」とは、当事者が処分を知った日を起算点とする期間制限(6か月)です。「客観的出訴期間」とは、処分の日そのものを起算点とする絶対的な期間制限(1年)です。

2.個人情報保護条例(当時)に基づく保有個人情報の一部開示決定に対する取消訴訟について、開示文書の内容の詳細や不利益性を認識した時が基準日となることから、基準日は、当該決定の通知書が到達した日ではなく、当該開示文書が到達した日とされる。

2.妥当でない

判例(最判平成28年3月10日)は、「処分があったことを知った日」とは処分があったことを現実に知った日をいい、処分内容の詳細や不利益性等の認識までは不要と判示しています。一部開示決定のような処分が個別に通知される場合は、通知書が到達した時点で処分の効力が生じ、その到達日が基準日となります。開示文書の到達日ではなく、通知書の到達日が基準日となる点が重要です。

3.行訴法14条1項が定める出訴期間の定めは、無効等確認訴訟の他、形式的当事者訴訟にも準用されることが行訴法において規定されている。

3.妥当でない

出訴期間を定めた行政事件訴訟法14条は、無効等確認訴訟には準用されていません(行政事件訴訟法38条1項)。無効等確認の訴えは、処分が重大かつ明白な瑕疵により無効であることを主張するものであり、出訴期間の制限なくいつでも提起できます。また、形式的当事者訴訟(行政事件訴訟法41条)にも14条は準用されておらず、「形式的当事者訴訟に準用される」という記述も誤りです。

4.審査請求をすることができる処分についてそれがなされた場合、当該処分に係る取消訴訟は、当該審査請求をした者については、行訴法14条1項の規定にかかわらず、当該審査請求を行った日が基準日とされる。

4.妥当でない

審査請求をした者について出訴期間の起算点は、「審査請求をした日」ではなく、「裁決があったことを知った日から6か月」または「裁決の日から1年」のいずれか早い日です(行政事件訴訟法14条3項)。審査請求後は裁決を待って訴訟を提起することになるため、出訴期間の起算点は審査請求日ではなく裁決に関する日を基準とする点を正確に覚えておきましょう。

5.都市計画法における都市計画事業の認可のように、処分が個別の通知ではなく告示をもって多数の関係権利者等に画一的に告知される場合には、当該告示があった日が基準日とされる。

5.妥当である

都市計画事業の認可のように、個別通知ではなく告示によって多数の関係権利者等に画一的に告知される処分については、告示があった日が「処分があったことを知った日(基準日)」となります(最判平成14年10月24日)。個別通知の場合と異なり、告示による場合は告示日を起算点として出訴期間が計算されます。通知方法(個別通知か告示か)によって基準日の考え方が異なる点を整理しておきましょう。

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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