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令和7年・2025|問14|行政不服審査法

行政不服審査法の規定に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めがあるものは、その名で審査請求をすることができる。
  2. 審査庁は、必要があると認めるときは審査請求人の代理人の選任を命じることができるが、選任された代理人は、審査請求人のために、取下げを含めた当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。
  3. 審査庁となるべき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成しなければならないが、当該名簿を公にする必要はない。
  4. 処分についての審査請求は、複数人が共同してすることはできず、各自がそれぞれ審査請求をする必要がある。
  5. 処分の申請に対する不作為について審査請求をすることができる者は、申請者に限られることはなく、当該処分がなされることにつき法律上の利益を有する者も含まれる。

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【答え】:1
【解説】
1.法人でない社団または財団で代表者または管理人の定めがあるものは、その名で審査請求をすることができる。

1.妥当である

行政不服審査法10条は、法人でない社団または財団であっても、代表者または管理人の定めがあるものは、その名で審査請求をすることができると定めています。

法人格がなければ権利能力も認められないのが原則ですが、行政不服審査法は、実態として団体としての活動を行っている社団・財団を保護するため、法人でなくても審査請求の当事者能力を認めています。民事訴訟法29条(権利能力なき社団の当事者能力)と同趣旨の規定です。

2.審査庁は、必要があると認めるときは審査請求人の代理人の選任を命じることができるが、選任された代理人は、審査請求人のために、取下げを含めた当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。

2.妥当でない

行政不服審査法には、審査庁が代理人の選任を命じることができるという規定は存在しません

代理人に関しては13条が定めていますが、これは審査請求人が自ら代理人を選任できるという規定であり、審査庁が選任を「命じる」ものではありません。

なお、本肢が混同している可能性がある規定として、行政不服審査法11条2項があります。これは多数人が共同して審査請求をした場合に、審査庁が「総代の互選」を命じることができるという規定であり、代理人の選任とは別物です。

また、代理人は「取下げを含めた一切の行為をすることができる」とありますが(13条2項)、この記述自体は正しいものの、前段「審査庁が選任を命じることができる」が誤りである以上、本肢全体として妥当ではありません。

※「総代」とは、多数の審査請求人が共同審査請求をする場合に互選する代表者のことで、3人を超えることができません(11条1項)。

3.審査庁となるべき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成しなければならないが、当該名簿を公にする必要はない。

3.妥当でない

審理員の名簿について定める行政不服審査法17条は、審査庁となるべき行政庁に対し名簿の作成を努力義務(「作成するよう努めるものとする」)として規定しています。

また、名簿を作成した場合は公にしなければなりません(同条)。本肢は「公にする必要はない」と述べており、この点が誤りです。

整理すると、①名簿の作成=努力義務(義務ではない)②作成した場合の公表=義務、という二段構えの規定になっています。

※「審理員」とは、審査請求の審理を担当する行政庁の職員で、処分に関与していない者から指名されます(9条1項)。審理の公正性を確保するための制度です。

4.処分についての審査請求は、複数人が共同してすることはできず、各自がそれぞれ審査請求をする必要がある。

4.妥当でない

行政不服審査法11条1項は、「多数人が共同して審査請求をしようとするときは、3人を超えない総代を互選することができる」と定めています。

この規定は、共同での審査請求が認められることを前提としており、複数人が共同して審査請求をすること自体は適法です。本肢の「共同してすることはできず、各自がそれぞれ審査請求をする必要がある」という記述は、11条1項の規定に反し誤りです。

5.処分の申請に対する不作為について審査請求をすることができる者は、申請者に限られることはなく、当該処分がなされることにつき法律上の利益を有する者も含まれる。

5.妥当でない

不作為についての審査請求を提起できる者について、行政不服審査法3条は「法令に基づく申請をした者」と明示しています。

すなわち、申請者に限られ、「当該処分がなされることにつき法律上の利益を有する者」は含まれません。

これは、不作為は申請に対する応答がない状態であるため、申請をした者以外に不服を申し立てる地位を認める必要がないという趣旨です。処分の取消しに係る審査請求(「法律上の利益を有する者」が請求できる:2条・4条)と混同しやすいため注意が必要です。

※「不作為」とは、法令に基づく申請に対し、相当の期間内に何らの処分もされないことをいいます(行政不服審査法3条)。

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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