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令和7年・2025|問13|行政手続法

行政手続法が定める申請に対する処分に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 行政庁は、申請を拒否する処分については申請者に対し当該処分の理由を示さなければならないが、それは申請者からの求めがあった場合に限られ、当該申請者の求める形で行えば足りる。
  2. 行政庁は、申請者に対し、当該申請にかかる審査の進行状況および当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならないが、それは申請者の求めに応じて行えば足りる。
  3. 行政庁は、申請に対する処分について処分基準を定めなければならないが、その処分基準を定めるにあたっては、処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
  4. 行政庁は、申請を拒否する処分をしようとする場合には、当該申請者について意見陳述のための手続を執らなければならないが、その手続は原則として弁明の機会の付与で足りる。
  5. 行政庁は、申請がその形式上の要件に適合しない場合には、速やかに、当該申請者に対し相当の期間を定めてその補正を求めなければならず、補正を求めることなく許認可等を拒否してはならない。

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【答え】:2
【解説】
1.行政庁は、申請を拒否する処分については申請者に対し当該処分の理由を示さなければならないが、それは申請者からの求めがあった場合に限られ、当該申請者の求める形で行えば足りる。

1.妥当でない

申請拒否処分における理由提示について、行政手続法8条1項は、原則として申請者に対し同時に理由を示さなければならないと定めており、「申請者からの求めがあった場合に限られる」という本肢の記述は誤りです。

ただし例外として、審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、申請がこれに適合しないことが申請書等の内容から明らかなときは、申請者の求めがあったときに示せば足りるとされています(同条1項ただし書き)。

また、処分を書面でするときは、理由も書面によって示さなければなりません(同条2項)。「申請者の求める形で行えば足りる」という記述もこの点で誤りです。

2.行政庁は、申請者に対し、当該申請にかかる審査の進行状況および当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならないが、それは申請者の求めに応じて行えば足りる。

2.妥当である

行政手続法9条1項は、行政庁は申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況および当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならないと定めています。

ポイントは、①申請者の求めがあった場合に限られる(自発的な開示は不要)、②努力義務である(必ず示す義務ではない)という2点です。本肢の記述はこれと合致しており、妥当です。

3.行政庁は、申請に対する処分について処分基準を定めなければならないが、その処分基準を定めるにあたっては、処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

3.妥当でない

申請に対する処分に関して行政庁が定めなければならないのは「審査基準」行政手続法5条)であり、「処分基準」ではありません。

「処分基準」は不利益処分に関する基準であり(12条)、申請に対する処分とは適用される条文が異なります。両者の対比は頻出事項です。

基準の種類 根拠条文 対象 設定・公表義務
審査基準 5条 申請に対する処分 設定義務あり・公表義務あり
処分基準 12条 不利益処分 設定・公表ともに努力義務
4.行政庁は、申請を拒否する処分をしようとする場合には、当該申請者について意見陳述のための手続を執らなければならないが、その手続は原則として弁明の機会の付与で足りる。

4.妥当でない

意見陳述のための手続(聴聞・弁明の機会の付与)は、不利益処分をしようとする場合に課される手続です(行政手続法13条)。

しかし、申請により求められた許認可等を拒否する処分は「不利益処分」に含まれません行政手続法2条4号ロ)。申請拒否は申請者が求めた結果に応じないだけであり、行政庁側から一方的に義務を課したり権利を制限したりするものではないからです。

したがって、申請拒否処分に際して意見陳述手続を執る必要はなく、本肢は妥当ではありません。

※「不利益処分」とは、行政庁が法令に基づき、特定の者を名あて人として直接に義務を課しまたはその権利を制限する処分をいいます(2条4号本文)。申請に対する拒否処分のほか、法令上の要件に適合しないことを理由とする拒否処分も除外されます。

5.行政庁は、申請がその形式上の要件に適合しない場合には、速やかに、当該申請者に対し相当の期間を定めてその補正を求めなければならず、補正を求めることなく許認可等を拒否してはならない。

5.妥当でない

行政手続法7条は、形式上の要件に適合しない申請に対し、行政庁は「相当の期間を定めて補正を求め、または当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない」と定めています。

つまり、補正を求めることと拒否することは選択的(どちらかを採ればよい)であり、「補正を求めることなく拒否してはならない」とは規定されていません。行政庁は補正を求めずに直ちに拒否することもできます。

なお、申請が形式上の要件に適合している場合(内容審査の結果として拒否する場合)は、8条の理由提示義務の問題となります。形式審査(7条)と内容審査(8条)を区別して覚えておきましょう。

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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