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令和7年・2025|問11|行政手続法

行政手続法が定める弁明の機会の付与に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 不利益処分の名宛人となるべき者として弁明の機会の付与の通知を受けた者は、代理人を選任することができる。
  2. 不利益処分の名宛人となるべき者として弁明の機会の付与の通知を受けた者は、行政庁に対し、弁明を記載した書面(弁明書)を提出する時までの間、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。
  3. 弁明を記載した書面(弁明書)が提出された後、当該不利益処分に利害関係を有する者が当該弁明書の閲覧を求めた場合、行政庁は、正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。
  4. 弁明を記載した書面(弁明書)の提出を受けた行政庁は、当該弁明についての調書および報告書を作成しなければならない。
  5. 行政庁は、弁明を記載した書面(弁明書)が提出された後に新たな事情が生じたときは、弁明書を提出した者に対しその再提出を求めなければならない。

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【答え】:1
【解説】
1.不利益処分の名宛人となるべき者として弁明の機会の付与の通知を受けた者は、代理人を選任することができる。

1.妥当である

行政手続法31条は、弁明の機会の付与に対して聴聞の規定の一部を準用しています。準用されるのは、15条3項(所在不明者への掲示による通知)と16条(代理人の選任)の2つです。

16条が準用されることにより、弁明の機会の付与の通知を受けた者も代理人を選任することができます。弁明の機会の付与は聴聞よりも簡易な手続きですが、当事者が自ら反論・防御できない場合を考慮して、代理人による権利行使が認められています。

※「弁明の機会の付与」とは、不利益処分をしようとする場合に、名あて人となるべき者に書面(弁明書)の提出または口頭による弁明の機会を与える手続です(行政手続法29条)。聴聞よりも簡易な手続として位置づけられています。

2.不利益処分の名宛人となるべき者として弁明の機会の付与の通知を受けた者は、行政庁に対し、弁明を記載した書面(弁明書)を提出する時までの間、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。

2.妥当でない

文書等の閲覧に関する規定(行政手続法18条)は、弁明の機会の付与には準用されていません(31条参照)。

聴聞においては、当事者は弁明書提出前に「不利益処分の原因となる事実を証する資料」の閲覧を行政庁に求めることができます(18条1項)。しかし、弁明の機会の付与に準用されているのは15条3項と16条のみであるため、弁明の機会の付与では資料の閲覧は認められていません

これは、弁明手続の迅速性・簡便性を重視した立法政策上の判断によるものです。

3.弁明を記載した書面(弁明書)が提出された後、当該不利益処分に利害関係を有する者が当該弁明書の閲覧を求めた場合、行政庁は、正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。

3.妥当でない

聴聞においては、利害関係人が聴聞への参加を許可された場合、一定の文書等の閲覧が認められますが(行政手続法17条・18条)、これらの規定は弁明の機会の付与には準用されていません(31条参照)。

したがって、利害関係人が弁明書の閲覧を求めることは認められず、行政庁がこれを拒んでも行政手続法上は問題ありません。弁明手続は名あて人本人の弁明の機会を保障することに主眼があり、第三者の参加・閲覧まで認める手続ではありません。

4.弁明を記載した書面(弁明書)の提出を受けた行政庁は、当該弁明についての調書および報告書を作成しなければならない。

4.妥当でない

聴聞においては、主宰者が調書および報告書を作成し、これが不利益処分の決定に際して考慮されます(行政手続法24条・26条)。これは聴聞の実質的な権利保障を担保するための重要な規定です。

しかし、調書・報告書の作成に関する規定は弁明の機会の付与に準用されていません(31条参照)。行政庁は弁明書の提出を受けても調書および報告書を作成する義務はなく、この点が聴聞と弁明の機会の付与の大きな手続的差異の一つです。

5.行政庁は、弁明を記載した書面(弁明書)が提出された後に新たな事情が生じたときは、弁明書を提出した者に対しその再提出を求めなければならない。

5.妥当でない

聴聞においては、聴聞の終結後に生じた事情によって必要があると認めるとき、主宰者が聴聞の再開を命じることができます(行政手続法25条)。しかし、この規定も弁明の機会の付与には準用されていません(31条参照)。

弁明書提出後に新たな事情が生じた場合であっても、行政庁は弁明書の再提出を求める義務はありません。簡易手続である弁明の機会の付与に再開・再提出の仕組みを設けないのは、手続の迅速な完結を優先する趣旨です。

 


令和7年(2025年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法・多肢選択
問12 個人情報保護法 問42 行政法・多肢選択
問13 行政手続法 問43 行政法・多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 行政法 問52 基礎知識
問23 地方自治法 問53 行政書士法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 情報公開法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 基礎知識
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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