株式会社の設立(定款の内容等)

株式会社の設立については、非常に細かいです。そのため、全体像を理解した上で、あとで、細かい部分を押さえていく方が効率的です。

今回は、株式会社の設立についての用語の解説をしていきます。

具体的な設立の手続きについては、次回解説します。

株式会社の成立要件

会社の設立というのは、会社を成立させることです。

会社を成立させるには、下記4つが必要となります。

  1. 定款(会社のルール)
  2. 社員(株主)
  3. 資金の出資(会社の事業資金)
  4. 会社の機関(取締役などの会社を運営する上で必要な機関)

定款とは?

定款とは、会社のルールです。

「定款を作成する」とは、この定款(ルール)の内容を決めて、書面または電磁的記録(データ)にすることを意味します。

そして、株式会社の場合、定款は公証人の認証を受けなければ効力を生じません30条)。

公証人とは?

公正証書を作成したり、定款の認証を行ったりする人ですが、

裁判官、検察官、弁護士あるいは法務局長や司法書士など長年法律関係の仕事をしていた人の中から法務大臣の任命を受けた者です。

公証役場というところで、働いているのですが、ネットで調べると、あなたの住んでいる町にも公証役場はあると思います。

定款の内容

定款には、

  1. 絶対に記載(規定)しなければならない内容=「絶対的記載事項
  2. 定めなくても定款が有効だが、定款に定めておかないと、その内容の効力認められない内容=「相対的記載事項(変態設立事項ともいう)」
  3. 定款で定める必要はなく、定款外で定めても有効な事項だが、定款に定めることによって変更する際に、定款変更の手続きのルールが適用され、変更しづらくなる内容=「任意的記載事項

絶対的記載事項

定款には下記6つを必ず記載しなければなりません。

  1. 会社の目的(どんな事業を行うか?)
    →例えば、不動産管理業、不動産仲介業、不動産の売買
  2. 商号
  3. 本店の所在地
  4. 設立に際して出資される財産の価額または最低額
  5. 発起人の氏名・名称および住所
  6. 発行可能株式総数

設立に際して出資される財産の価額又はその最低額

出資される財産の価額とは、発起人が出資する価額が決まっている場合、その価額の合計額がこれに当たります。例えば、発起人(のちの株主)が3人いて、1人あたり500万円を出資する場合、「設立に際して出資される財産の価額」は1500万円となります。

※出資できるのは、「お金」に限りません。「価値のある物(例えば、パソコンとか)」も出資できます。このように物を出資することを現物出資と言います。

出資される財産の最低額とは、発起人が決まっていても、出資する金額が決まっていない場合に、事業を運営するために必要な財産の最低額を指します。事業を開始して、1か月で倒産しました、とならないために、最低額を決めておきます。

もし、この最低額を下回った場合設立無効となります。

発起人とは?

発起人とは、株式会社を設立する人です。場合によっては複数の人が発起人として設立することもあります。

また、法人が発起人になることも可能です。

そして、発起人少なくとも1株以上の株式を引き受けなければなりません(25条2項)。

発行可能株式総数

会社が発行することができる株式の総数が発行可能株式総数です。

そして、定款認証の際に、発行可能株式総数が決まっていなくても大丈夫ですが、

設立登記の時までに、発起人全員の同意によって定款変更して定める必要があります。

相対的記載事項(変態設立事項)

下記内容は定めなくても定款が有効だが、定款に定めておかないと、その内容の効力認められません。

  1. 現物出資
  2. 財産引受
  3. 発起人の報酬等
  4. 設立費用

現物出資

現物出資とは、金銭以外の財産による出資です。パソコンや机などの動産や、土地や建物などの不動産なども含みます。

金銭(お金)については、その金額が価額となるので分かりやすいですが、パソコンや机、土地・建物などの現物は、その価額が分かりづらいです。

そして、価額に応じて株式を与えるため、例えばパソコンを100万円として株式を与えたりしたら、不公平です。そのため、誰が何を出資して、価額はいくらとして、株式をどれだけ与えたかを定款に記載しておくわけです。

もし記載がない時は現物出資は無効となります。

財産引受

例えば、発起人A・B・Cが株式会社甲を設立しようと考えており、会社が設立したら、第三者Xから、X所有の建物を譲り受ける契約(甲X間の売買契約)をしたとします。

これを財産引受と言います。

もし、X所有の建物が500万円の価値しかないにも関わらず、2000万円で株式会社甲が購入する契約をした場合、株式会社甲は、設立後、1500万円の損失を被り、開業直後に経営危機になることもあり得ます。

そのため、財産引受については、財産とその価格、譲渡人の氏名を定款に記載しなければ、無効となります。

発起人の報酬等

発起人の報酬等とは、会社を設立させたことに対する報酬です。不当に高額報酬を定めると、会社の財産が不当に流出する危険性があるため、定款に記載しないと無効になります。

設立費用

設立費用とは、会社が負担する設立中に支出する費用です。例えば、事務所の賃料や株式申込書の印刷費用等です。

ただし、定款認証費用といった、会社に損害を与える可能性がないものは除きます。

これらを記載しないと、会社に対して、設立費用を過大に請求されて、会社の財産が不当に流出する危険性があるため、定款に記載しないと無効になります。

任意的記載事項

任意記載事項は、定款で定める必要はなく、定めなくても、定款自体無効とはなりません。

そして、定款外で定めても有効な事項だが、定款に定めることによって変更する際に、定款変更の手続きのルールが適用され、変更しづらくなります。

例えば、「取締役の員数」を定めた場合です。

もし、取締役の員数について定款で定めていない場合、この員数を変更する場合、株主総会の普通決議で行いますが、定款に定めれば、特別決議となり、変更が難しくなるということです。

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