株主の議決権と行使の方法

議決権とは、株主総会の決議に加わる権利のことで、株主総会の議案についての賛成・反対の投票権とイメージすると分かりやすいです。

そして、原則、1株あたり1個の議決権があります。

下記の場合が例外となります。

  1. 議決権制限株式
    この場合、議決権の行使が制限されているので、この株を持っていても議決権はありません。
  2. 自己株式
    会社自身がもつ株式については、議決権は認められません(308条2項)。
  3. 単元未満株式
    例えば、1000株1単元の場合、1000株未満の株式を持っていても議決権はありません。
  4. 非公開会社の株式
    非公開会社では、定款で株主ごとにその有する議決権について異なる取扱いをする旨を定めることができます(109条2項)。

議決権の行使の方法

株主総会が開かれて、株主自身が株主総会に出席し、決議に参加するということもできますが、株主総会に出席するのが難しい方もいます。そのため、色々な行使方法が会社法で定められています。

  1. 代理行使
  2. 書面による行使(書面投票)
  3. 電磁的方法による行使(電子投票)
  4. 不統一行使

代理行使

株主は、自ら株主総会に出席するのではなく、代理人に出席してもらい、その代理人に議決権を行使してもらうことも可能です。その場合、代理人は、代理権を証明する書面(委任状)を会社に提出しなければなりません。(310条1項)。

代理行使の場合、株主総会ごとに代理権を授与しなければなりません(310条2項)。

なお、株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができます(310条5項)。例えば、株主総会での混乱を防止するために、株主1人に対して1人の代理人のみに制限し、2人以上の代理人の出席は拒否することができます。

書面による行使(書面投票)

取締役(取締役会設置会社の場合、取締役会)が決定・決議した株主総会の招集について「株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができること」とした場合、

株主総会に出席しない株主は、書面によって議決権を行使できます(書面投票)(298条1項3号)。

例えば、北海道で株主総会があった場合、沖縄在住の株主は、北海道まで行くのは大変です。そのような場合に、書面で議決権を行使できるということです。

電磁的方法による行使(電子投票)

これは書面投票とよく似ています。書面投票ではなく、メールなどで投票するイメージです。

取締役(取締役会設置会社の場合、取締役会)が決定・決議した株主総会の招集について「株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができること」とした場合、

株主総会に出席しない株主は、電磁的方法によって議決権を行使できます(電子投票)(298条1項4号)。

不統一行使

通常、1万株を有する株主が、議決権を行使する場合、1万株すべてについて、賛成に投票したり、反対に投票したりします。

しかし、会社法では、株主が有する議決権を統一しないで行使することも可能です(313条1項)。

例えば、証券会社Xが、株主A、株主B、株主Cからそれぞれ株式の信託を受けていた場合です。この場合、証券会社Xが、株主A、株主B、株主Cの有する株式についてまとめて議決権を行使します。そうなると、株主Aは反対、株主Bは賛成、株主Cは賛成といった感じで、それぞれ意見が異なります。そのような場合に対応するために、議決権を統一しないで行使することも可能にしています。

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