令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講
上記模試の値上げまで あと

指名委員会等設置会社

指名委員会等設置会社には、①指名委員会、②監査委員会、③報酬委員会の3委員会が置かれます。

それぞれの委員会は、委員3人以上で組織されます。この委員は、取締役の中から取締役決議によって選定されます。つまり、委員は全員取締役です。また、各委員会の委員の過半数が社外取締役でなければなりません(400条1項・2項)。


指名委員会

指名委員会は、株主総会に提出する取締役及び会計参与の選任及び解任に関する議案の内容を決定します(404条1項)。

監査委員会

監査委員会は、下記内容を行います(404条2項)。

  1. 執行役等(執行役・取締役・会計参与)の「職務の執行の監査」及び「監査報告の作成」
  2. 「株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任」並びに「会計監査人を再任しないこと」に関する議案の内容の決定

監査委員による調査

 

①監査委員会が選定する監査委員は、いつでも、「執行役・取締役・会計参与」に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は

指名委員会等設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができます。(405条1項)

②監査委員会が選定する監査委員は、監査委員会の職務を執行するため必要があるときは、指名委員会等設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又は

その子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。(405条2項)

取締役会への報告義務

監査委員は、①執行役又は取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は②法令若しくは定款に違反する事実若しくは③著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければなりません(406条

監査委員による執行役等の行為の差止め

監査委員は、執行役又は取締役が指名委員会等設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合で、かつ、当該行為によって当該指名委員会等設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役又は取締役に対し、当該行為をやめることを請求(差止請求)することができます(407条1項)。

報酬委員会

報酬委員会は、「執行役・取締役・会計参与」の個人別の報酬等の内容を決定する権限を有しています(404条3項)。

執行役が指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても、同様とする。

執行役

 

指名委員会等設置会社には、1人又は2人以上の執行役を置かなければなりません(402条1項)。また、執行役は、取締役会の決議によって選任します(402条2項)。

執行役の権限

執行役は、①取締役会の決議によって委任を受けた業務の執行の決定と②業務の執行を行います(418条)。

執行役の任期

執行役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までです。

ただし、定款によって、その任期を短縮することができます。

指名委員会等設置会社でない取締役の任期は2年です。

執行役の選任・解任

執行役は、取締役会決議によって選任されます(402条2項)。

また、いつでも、取締役会決議によって解任することができます(403条1項)。

執行役の義務

執行役は、3か月に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければなりません。この場合において、執行役は、「他の執行役を代理人」として報告をすることができます。(417条4項)

また、取締役会の要求があった場合、執行役は、取締役会に出席し、取締役会が求めた事項について説明をしなければなりません(417条5項)。

さらに、執行役は、指名委員会等設置会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければなりません(419条1項)。報告先は取締役会ではないので注意しましょう!

代表執行役

選定と解職

代表執行役は、取締役会が、執行役の中から選定します(420条1項)。

※執行役が1人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとします。

また、代表執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができます(420条2項)。

代表執行役の権限

代表執行役は、指名委員会等設置会社の業務に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする権限を有します(420条3項、349条5項)。

この権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することはできません420条3項、349条5項)。

表見代表執行役

指名委員会等設置会社は、代表執行役以外の執行役に「社長、副社長など」といった代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該執行役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負います(421条)。

<<監査等委員会設置会社 | 株主からの責任追及(株主代表訴訟・差止請求・検査役の調査)>>

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