位置情報に関する次の記述のうち、明らかに妥当でないものはどれか。
- 位置情報とは、空間上の特定の地点または区域の位置を示す情報をいい、当該情報に係る時点に関する情報を含む。
- 電気通信事業者は、利用者の位置情報を第三者に提供するには原則として利用者の同意が必要だが、生命身体切迫時には人命救助の見地から同意なく提供できる。
- 電気通信事業者は、通信サービスの契約者が端末を所持する者の同意を得ることなく、他者位置検索サービスを用いて端末のGPS位置情報を第三者に取得させることが自由にできる。
- 移動体の位置情報には、大きく基地局にかかる位置情報とGPS位置情報の二種があるが、GPS位置情報は通信の秘密には該当しないと解されている。
- 個人にかかる位置情報は、精度が詳細で、連続して集積されればされるほどプライバシー性が高まるという特徴を持っている。
(注)GPS=Global Positioning System の略。全地球測位システムともいう。
【解説】
1.位置情報とは、空間上の特定の地点または区域の位置を示す情報をいい、当該情報に係る時点に関する情報を含む。
1・・・妥当
「位置情報」とは、人や機器などが今存在している場所に関する情報のこと。
例えば、携帯電話やスマートフォンなどの機能として、GPSを用いた位置情報サービスがあります。
測定された位置情報は、携帯電話やスマートフォンで撮影した写真や、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への投稿時のデータなどにも利用されています。
そして、これは、「特定の地点」という場所的な情報だけでなく、「いつ」という時間的な情報も含みます。
「位置情報」とは、人や機器などが今存在している場所に関する情報のこと。
例えば、携帯電話やスマートフォンなどの機能として、GPSを用いた位置情報サービスがあります。
測定された位置情報は、携帯電話やスマートフォンで撮影した写真や、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への投稿時のデータなどにも利用されています。
そして、これは、「特定の地点」という場所的な情報だけでなく、「いつ」という時間的な情報も含みます。
2.電気通信事業者は、利用者の位置情報を第三者に提供するには原則として利用者の同意が必要だが、生命身体切迫時には人命救助の見地から同意なく提供できる。
2・・・妥当
電気通信事業者は、原則、あらかじめ利用者の同意を得ている場合、電気通信役務の提供に係る正当業務行為その他の違法性阻却事由がある場合に限り、位置情報を取得することができます。
また、電気通信事業者は、救助を要する者を捜索し、救助を行う警察、海上保安庁又は消防その他これに準ずる機関からの要請により救助を要する者の位置情報の取得を求められた場合においては、その者の生命又は身体に対する重大な危険が切迫しており、かつ、その者を早期に発見するために当該位置情報を取得することが不可欠であると認められる場合に限り、当該位置情報を取得することができる。(電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン35条5項)。
よって、本肢は妥当です。
電気通信事業者は、原則、あらかじめ利用者の同意を得ている場合、電気通信役務の提供に係る正当業務行為その他の違法性阻却事由がある場合に限り、位置情報を取得することができます。
また、電気通信事業者は、救助を要する者を捜索し、救助を行う警察、海上保安庁又は消防その他これに準ずる機関からの要請により救助を要する者の位置情報の取得を求められた場合においては、その者の生命又は身体に対する重大な危険が切迫しており、かつ、その者を早期に発見するために当該位置情報を取得することが不可欠であると認められる場合に限り、当該位置情報を取得することができる。(電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン35条5項)。
よって、本肢は妥当です。
3.電気通信事業者は、通信サービスの契約者が端末を所持する者の同意を得ることなく、他者位置検索サービスを用いて端末のGPS位置情報を第三者に取得させることが自由にできる。
3・・・妥当ではない
電気通信事業者は、あらかじめ利用者の同意を得ている場合、裁判官の発付した令状に従う場合その他の違法性阻却事由がある場合に限り、位置情報について、他人への提供その他の利用をすることができます(電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン35条2項)。
よって、利用者の同意なく、位置情報を第三者に取得させることはできません。
電気通信事業者は、あらかじめ利用者の同意を得ている場合、裁判官の発付した令状に従う場合その他の違法性阻却事由がある場合に限り、位置情報について、他人への提供その他の利用をすることができます(電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン35条2項)。
よって、利用者の同意なく、位置情報を第三者に取得させることはできません。
4.移動体の位置情報には、大きく基地局にかかる位置情報とGPS位置情報の二種があるが、GPS位置情報は通信の秘密には該当しないと解されている。
4・・・妥当
移動体の位置情報には、「①大きく基地局にかかる位置情報」と「②GPS位置情報」の二種があります。
そして、「②GPS位置情報」については、通信の秘密には該当しないと解されています。
移動体の位置情報には、「①大きく基地局にかかる位置情報」と「②GPS位置情報」の二種があります。
そして、「②GPS位置情報」については、通信の秘密には該当しないと解されています。
5.個人にかかる位置情報は、精度が詳細で、連続して集積されればされるほどプライバシー性が高まるという特徴を持っている。
5・・・妥当
例えば、「東京都」よりも「東京都浅草にある浅草寺」という情報の方が精度が詳細で、いつどこにいたのかが分かり、プライバシー性が高まります。
さらに、その後どこに行ったのかという情報も集積されると、
その人の行動が見え見えになってしまい、プライバシー性が高まります。
よって、本肢は妥当です。
例えば、「東京都」よりも「東京都浅草にある浅草寺」という情報の方が精度が詳細で、いつどこにいたのかが分かり、プライバシー性が高まります。
さらに、その後どこに行ったのかという情報も集積されると、
その人の行動が見え見えになってしまい、プライバシー性が高まります。
よって、本肢は妥当です。
平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 外国人の人権 | 問33 | 民法:債権 |
問4 | 基本的人権 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 憲法9条 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 司法の限界 | 問36 | 商法 |
問7 | 財政 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政立法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・個人情報保護 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:物権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |