令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講
上記模試の値上げまで あと

取締役会の決議・特別取締役

取締役会の決議の方法

取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行います(369条1項)。

例えば、定款で、「代表取締役の選任については、議決に加わることができる取締役の3分の2以上が出席し、その3分の2以上の多数によって決定する」と定められていた場合、これに従うということです。

定款によって軽減することはできない

特別の利害関係を有する取締役の扱い

上記取締役会の決議について、特別の利害関係を有する取締役は、当該議決に加わることができません369条2項)。

株主総会との違い

株主総会決議では、特別利害関係を有する株主であっても議決権を行使できます

取締役会の書面決議

取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき当該事項について議決に加わることができる取締役の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができます(370条)。

逆をいうと、定款の定めがなければ、書面決議はできないということです。

また、監査役設置会社で、監査役が当該提案について異議を述べたとき書面決議はできません

特別取締役による取締役会決議

上記のように、取締役会決議は、原則、取締役の過半数の出席とその過半数の議決が必要です(369条1項)。

しかし、取締役の専決事項のうち、特に迅速な意思決定が必要と考えられる「1.重要な財産の処分及び譲受け」「2.多額の借財」については、下記要件を満たした場合に、あらかじめ選定した3人以上の特別取締役の中から、決議に参加できる者の過半数が出席し、その過半数をもって行うことができる旨を定めることができます(373条1項)。

特別取締役による取締役会の要件

  1. その会社の取締役の数が6人以上であること
  2. 取締役のうち、1人以上が社外取締役であること

上記の場合、特別取締役による取締役会の決議でも行えます(373条2項)。

この特別取締役による取締役会で、「1.重要な財産の処分及び譲受け」「2.多額の借財」の決議をすれば、他の取締役による取締役会は不要です。

取締役会議事録

取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない(369条3項)。

取締役会の決議に参加した取締役であって上記の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定します(369条5項)。
つまり、もし、ある決議が原因で会社に損害が発生した場合、議事録に異議をとどめなかった取締役や監査役は、任務懈怠として損害賠償責任を問われることがある、ということです。

取締役会議事録の備え付け

取締役会設置会社は、取締役会の日から10年間、取締役会議事録をその本店に備え置かなければなりません(371条1項)。

そして、この取締役会議事録には企業秘密の内容も含まれています。

取締役会議事録の閲覧・謄写

そのため、監査役設置会社監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社については、株主や会社債権者が取締役会議事録を閲覧・謄写するためには裁判所の許可を得る必要があります(371条3項)。

上記以外の株式会社では、株主は、その権利を行使するために必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも取締役会議事録の閲覧・謄写の請求をすることができます371条2項)。

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