行政不服審査法38条の「審査請求人等による提出書類等の閲覧等」について、行政書士試験で出題されるポイントは、「閲覧請求や交付請求は、審理手続きが終結するまでの間に行える」「第三者の利益を害するおそれがあると認めらる等の場合に限って閲覧請求や交付請求を拒むことができる」といった点です。この点をしっかり頭に入れましょう!
審査請求人等による提出書類の閲覧・交付請求
審査請求人又は参加人は、審理手続が終結するまでの間、審理員に対し、提出書類等の閲覧又は当該書類等の交付請求ができます。
上記閲覧請求や交付請求があった場合、審理員は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき等正当な理由があるときでなければ、その閲覧又は交付を拒むことができません。
言い換えると、
正当な理由があれば、閲覧請求や交付請求を拒むことができ、
正当な理由がない場合、閲覧請求や交付請求を拒むことができない
ということです。
閲覧日時の指定
審理員は、上記閲覧について、日時及び場所を指定することができます。
交付における手数料
提出書類の写し(コピー)の交付を受ける審査請求人又は参加人は、一定額の手数料を納めなければなりません。
そして、審理員は、経済的困難等の理由があると認めるときは、上記手数料を減額し、又は免除することができます。
閲覧・交付前に提出人の意見を聴く
上記閲覧請求や交付請求があり、審理員は、閲覧をさせたり、交付をしようとするときは、原則、事前に、提出書類等の提出人の意見を聴かなければなりません
ただし、審理員が、その必要がないと認めるときは、提出人の意見を聴く必要はないです。
(審査請求人等による提出書類等の閲覧等)
行政不服審査法第38条 審査請求人又は参加人は、第41条第一項又は第二項の規定により審理手続が終結するまでの間、審理員に対し、提出書類等(第29条第四項各号に掲げる書面又は第32条第一項若しくは第二項若しくは第33条の規定により提出された書類その他の物件をいう。次項において同じ。)の閲覧(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)にあっては、記録された事項を審査庁が定める方法により表示したものの閲覧)又は当該書面若しくは当該書類の写し若しくは当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付を求めることができる。この場合において、審理員は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧又は交付を拒むことができない。
2 審理員は、前項の規定による閲覧をさせ、又は同項の規定による交付をしようとするときは、当該閲覧又は交付に係る提出書類等の提出人の意見を聴かなければならない。ただし、審理員が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。
3 審理員は、第一項の規定による閲覧について、日時及び場所を指定することができる。
4 第一項の規定による交付を受ける審査請求人又は参加人は、政令で定めるところにより、実費の範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならない。
5 審理員は、経済的困難その他特別の理由があると認めるときは、政令で定めるところにより、前項の手数料を減額し、又は免除することができる。
6 地方公共団体(都道府県、市町村及び特別区並びに地方公共団体の組合に限る。以下同じ。)に所属する行政庁が審査庁である場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「政令」とあるのは、「条例」とし、国又は地方公共団体に所属しない行政庁が審査庁である場合におけるこれらの規定の適用については、これらの規定中「政令で」とあるのは、「審査庁が」とする。
<<行政不服審査法37条:審理手続の計画的遂行 | 行政不服審査法39条:審理手続の併合又は分離>>