民法のテキスト

時効の完成猶予と時効の更新

時効の完成猶予とは?

時効の完成猶予」とは、時効期間経過前に一定の事由が発生した場合に、一定期間、時効が完成しないことです。

言い換えると、時効は、時効期間の満了によって完成するのが原則ですが、時効期間の進行中に一定の事由が発生することによって時効の完成が先延ばしになるということです。

具体的な内容(時効の完成猶予事由)は下記で解説します。

時効の更新とは?

時効の更新」とは、一定の事由が発生した場合に、時効期間の経過が一旦ゼロにリセットされ、新たに時効期間が進行し始めることです。

具体的な内容(時効の更新事由)は下記で解説します。

裁判上の請求等・・・時効の完成猶予事由・時効の更新事由

下記1~4のいずれかに該当すると、下記1~4の事由が終了するまでの間は、時効は完成しません(民法147条1項:時効完成猶予)。

  1. 裁判上の請求
  2. 支払督促
  3. 和解(民事訴訟法)又は調停(民事調停法・家事事件手続法)
  4. 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加

※「裁判の取り下げ等をして判決が確定することなくその事由が終了した場合は、その終了の時から6ヶ月を経過するときまで時効は完成しない。

そして、「確定判決」又は「確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定」したときは、時効は、上記1~4の事由が終了した時から新たにその進行を始めます(民法147条2項:時効の更新)。

強制執行等・・・時効の完成猶予事由・時効の更新事由

下記1~4のいずれかに該当すると、下記1~4の事由が終了するまでの間は、時効は完成しません(民法148条1項:時効完成猶予)。

  1. 強制執行
  2. 担保権の実行
  3. 競売
  4. 財産開示手続又は第三者からの情報取得手続(民事執行法)

※ 「申立ての取下げ」又は「法律の規定に従わないことによる取消し」によってその事由が終了した場合、その終了の時から6ヶ月を経過するときまで時効は関係しない。

そして、時効は、上記1~4の事由が終了した時から新たにその進行を始めます(民法148条2項:時効の更新)。

ただし、「申立ての取下げ」又は「法律の規定に従わないことによる取消し」によってその事由が終了した場合は、時効の更新はありません

仮差押え等・・・時効の完成猶予事由

下記1または2の事由がある場合には、その事由が終了した時から6か月を経過するまでの間は、時効は、完成しません(民法149条:時効の完成猶予)。

  1. 仮差押え
  2. 仮処分

催告・・・時効の完成猶予事由

催告があったときは、催告があった時から6か月を経過するまでの間は、時効は、完成しません(民法150条1項:時効の完成猶予)。

催告によって時効の完成が猶予されている間に、再度の催告をしても、さらに6ヶ月延長とはなりません(民法150条2項)。

協議を行う旨の合意による時効の完成猶予

権利について、「協議を行いましょう!」と書面で合意したときは、下記1~3のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しなません(民法151条1項 )。

  1. その合意があった時から1年を経過した時
  2. その合意において当事者が協議を行う期間(1年に満たないものに限る。)を定めたときは、その期間を経過した時
  3. 当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でされたときは、その通知の時から6ヶ月を経過した時

これは内容がややこしいので、個別指導で整理した内容を解説します。

■そして、上記「協議を行う旨の合意」があって、時効の完成が猶予されている間に、再度の「協議を行う旨の合意」をした場合、時効の完成猶予期間は延長されます。ただし、その効力は、当初時効が完成すべき時から起算して最長5年間です(民法151条2項)。

■催告によって時効の完成が猶予されている間に、「協議を行う旨の合意」を行った場合は、時効の完成猶予期間は延長されません。また、逆に、「協議を行う旨の合意」によって時効の完成が猶予されている間に、催告をしても、時効の完成猶予期間は延長されません(民法151条3項)。

承認・・・時効の更新事由

権利の承認があったとき(=債務者が債務を承認したとき)は、時効は承認の時から新たにその進行を始めます(民法152条1項:時効の更新)。

制限行為能力者であっても、単独で有効に承認をすることができます(民法152条2項)。

天災等・・・時効の完成猶予

時効の期間の満了の時に、天災その他避けることのできない事変のため、「裁判上の請求等」や「強制執行等」に係る手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から3か月を経過するまでの間は、時効は、完成しない(民法161条:時効の完成猶予)。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。

もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。

個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。

また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています!

次の行政書士試験の合格を目指しているのであれば、是非、個別指導で一緒に勉強をしましょう!

個別指導の概要はこちら>>

参考条文

(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)
第147条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 裁判上の請求
二 支払督促
三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停
四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加
2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。

(強制執行等による時効の完成猶予及び更新)
第148条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 強制執行
二 担保権の実行
三 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売の例による競売
四 民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続又は同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続
2 前項の場合には、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。ただし、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合は、この限りでない。

(仮差押え等による時効の完成猶予)
第149条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
一 仮差押え
二 仮処分
(催告による時効の完成猶予)
第百五十条 催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
2 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。

(協議を行う旨の合意による時効の完成猶予)
第151条 権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しない。
一 その合意があった時から一年を経過した時
二 その合意において当事者が協議を行う期間(一年に満たないものに限る。)を定めたときは、その期間を経過した時
三 当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でされたときは、その通知の時から六箇月を経過した時
2 前項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた再度の同項の合意は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有する。ただし、その効力は、時効の完成が猶予されなかったとすれば時効が完成すべき時から通じて五年を超えることができない。
3 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた第一項の合意は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。同項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた催告についても、同様とする。
4 第一項の合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。
5 前項の規定は、第一項第三号の通知について準用する。

(承認による時効の更新)
第152条 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。
2 前項の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない。

(天災等による時効の完成猶予)
第161条 時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため第百四十七条第一項各号又は第百四十八条第一項各号に掲げる事由に係る手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から三箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

特別養子縁組

養子縁組とは?

養子縁組とは、親子関係のない者同士に、法律上の親子関係を成立させる制度です。

そして、養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2つがあり、このページでは「特別養子縁組」に絞って解説します。

まずは、普通養子縁組の要件を解説します。

※「養親」とは、養子縁組による親。養父母。また、養子の親として育てる人のこと

特別養子縁組とは?

「特別養親縁組」とは、⼦どもが⼾籍上も実親との親⼦関係を断ち切り、養親と養⼦が家庭裁判所の審判によって戸籍上も実の親子関係となる縁組です。

特別養子縁組の要件

  1. 養親となる者の請求により、家庭裁判所の審判があること(民法817条の2)
  2. 養親となる者は、配偶者がいること=夫婦共同で養親になること(民法817条の3)
    →夫婦の一方の連れ子の場合は、養親となるのは夫婦のもう一方のみでよい
  3. 養親となる夫婦の少なくともどちらかが25歳以上で、もう一方が20歳以上であること(民法817条の4)
  4. 養子となる者は、①特別養子縁組の請求時に15歳未満であること。かつ、②特別養子縁組が成立時に18歳未満であること(民法817条の5第1項)
    →例外として、養子となる者が15歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合において、15歳に達するまでに特別養子縁組の請求がされなかったことについてやむを得ない事由があるときは、上記①は適用されない(民法817条の5第2項)。
  5. 実の両親の同意があること(民法817条の6本文)
    →ただし、意思表示ができない場合や、虐待など、養子となる人の利益を著しく害する事由がある場合は、同意は不要(民法817条の6ただし書)
  6. 父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があること(民法817条の7)
  7. 特別養子縁組を請求してから6か月間監護した状況(請求前の監護の状況が明らかなときは監護を始めた時から6か月間の状況)を考慮して、特別養子縁組を成立させることがふさわしいと家庭裁判所によって認められること(民法817条の8)

特別養子縁組の効果

嫡出子の身分の取得

  • 養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する(民法809条)
  • 未成年者の養子は、養親が親権を持つ(民法818条)。
  • 実の親との親族関係終了する(民法817条の9)(養親子間のみ相続権を持つ

養子の氏の取得

養子は、養親の氏(苗字)を使います。ただし、婚姻によって氏を改めた者については、婚姻の際に定めた氏を使う間は、定めた氏を使います(民法810条)。

特別養子縁組の離縁

下記のいずれにも該当し、かつ、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができます(民法817条の10)。

  1. 養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。
  2. 父母が相当の監護をすることができること。

離縁による実方との親族関係の回復

離縁の日から、実父母・その血族との親族関係が発生(回復)します(民法817条の11)。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。

もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。

個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。

また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています!

次の行政書士試験の合格を目指しているのであれば、是非、個別指導で一緒に勉強をしましょう!

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参考条文

(特別養子縁組の成立)
第817条の2 家庭裁判所は、次条から第八百十七条の七までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(以下この款において「特別養子縁組」という。)を成立させることができる。
2 前項に規定する請求をするには、第七百九十四条又は第七百九十八条の許可を得ることを要しない。

(養親の夫婦共同縁組)
第817条の3 養親となる者は、配偶者のある者でなければならない。
2 夫婦の一方は、他の一方が養親とならないときは、養親となることができない。ただし、夫婦の一方が他の一方の嫡出である子(特別養子縁組以外の縁組による養子を除く。)の養親となる場合は、この限りでない。

(養親となる者の年齢)
第817条の4 二十五歳に達しない者は、養親となることができない。ただし、養親となる夫婦の一方が二十五歳に達していない場合においても、その者が二十歳に達しているときは、この限りでない。

(養子となる者の年齢)
第817条の5 第八百十七条の二に規定する請求の時に十五歳に達している者は、養子となることができない。特別養子縁組が成立するまでに十八歳に達した者についても、同様とする。
2 前項前段の規定は、養子となる者が十五歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合において、十五歳に達するまでに第八百十七条の二に規定する請求がされなかったことについてやむを得ない事由があるときは、適用しない。
3 養子となる者が十五歳に達している場合においては、特別養子縁組の成立には、その者の同意がなければならない。

(父母の同意)法改正により削除
第817条の6 特別養子縁組の成立には、養子となる者の父母の同意がなければならない。ただし、父母がその意思を表示することができない場合又は父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は、この限りでない。

(子の利益のための特別の必要性)
第817条の7 特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、これを成立させるものとする。

(監護の状況)
第817条の8 特別養子縁組を成立させるには、養親となる者が養子となる者を六箇月以上の期間監護した状況を考慮しなければならない。
2 前項の期間は、第八百十七条の二に規定する請求の時から起算する。ただし、その請求前の監護の状況が明らかであるときは、この限りでない。

(実方との親族関係の終了)
第817条の9 養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する。ただし、第八百十七条の三第二項ただし書に規定する他の一方及びその血族との親族関係については、この限りでない。

(特別養子縁組の離縁)
第817条の10 次の各号のいずれにも該当する場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができる。
一 養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。
二 実父母が相当の監護をすることができること。
2 離縁は、前項の規定による場合のほか、これをすることができない。

(離縁による実方との親族関係の回復)
第817条の11 養子と実父母及びその血族との間においては、離縁の日から、特別養子縁組によって終了した親族関係と同一の親族関係を生ずる。

婚姻の基本

婚姻の基本

男女ともに18歳」になれば、婚姻をすることができます(民法731条)。

成年被後見人の婚姻

成年被後見人が婚姻をするために、その成年後見人の同意は不要です。成年後見人の同意なく婚姻できます(民法738条)。

再婚禁止期間

女は、「前婚の解消又は取消しの日」から起算して100日を経過した後でなければ、再婚をすることができません(民法732条1項)。

ただし、下記いずれかに該当する場合には、100日経過することなく再婚できます。

  1. 女が「前婚の解消又は取消し」の時に懐胎していなかった場合
  2. 女が「前婚の解消又は取消し」の後に出産した場合

養親子等の間の婚姻の禁止

養子若しくはその配偶者又は養子の直系卑属若しくはその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、親族関係が終了した後でも、婚姻できません(民法736条)。

上記条文は理解しにくいので、個別指導で解説します。

婚姻の届出

婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力が生じます(民法739条1項)。そして、この届出は、当事者双方及び成年の証人2人以上の署名した書面、又は口頭で、しなければなりません(同条2項)。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。

もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。

個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。

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参考条文

(婚姻適齢)
第731条 男は、十八歳に、女は、十六歳にならなければ、婚姻をすることができない。

(重婚の禁止)
第732条 配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。

(再婚禁止期間)
第732条 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合
二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

(近親者間の婚姻の禁止)
第734条 直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。
2 第八百十七条の九の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。

(直系姻族間の婚姻の禁止)
第735条 直系姻族の間では、婚姻をすることができない。第七百二十八条又は第八百十七条の九の規定により姻族関係が終了した後も、同様とする。

(養親子等の間の婚姻の禁止)
第736条 養子若しくはその配偶者又は養子の直系卑属若しくはその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、第七百二十九条の規定により親族関係が終了した後でも、婚姻をすることができない。

(未成年者の婚姻についての父母の同意)
第737条 未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。
2 父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様とする。

(成年被後見人の婚姻)
第738条 成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない。

(婚姻の届出)
第739条 婚姻は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。

(婚姻の届出の受理)
第740条 婚姻の届出は、その婚姻が第七百三十一条から第七百三十七条まで及び前条第二項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。

法定地上権とは?成立要件4つと判例をわかりやすく解説【行政書士】

法定地上権とは?

土地や建物に抵当権が設定されて、競売にかかることにより、土地と建物の所有者が異なることとなると、建物所有者は、建物を所有する権利がなくなるので、土地所有者から、「建物を取り壊して、立ち退いてください!」と言われたら困ります。そのため、一定要件を満たす場合、自動的に建物に地上権(土地を使う権利)が設定されます。これを「法定地上権」と言います。この法定地上権が成立すると、建物所有者は、土地について地上権を有することとなるので、引き続き建物を使い続けることができます

法定地上権の成立要件

下記4つの要件をすべて満たすことで、法定地上権は成立します。

  1. 抵当権設定当時に、土地の上に建物が存在していること
    →更地に抵当権が設定されていた場合、法定地上権は成立しない
  2. 抵当権設定当時に、土地と建物の所有者が同一であること
  3. 土地と建物の一方または双方に抵当権が設定されていること
  4. 競売により、土地と建物の所有者が異なる者となったこと

法定地上権に関する判例

土地にのみ抵当権が設定され、建物を取り壊して再築した場合

【事案】 土地及び建物の所有者が土地に抵当権を設定後、建物を取り壊して再築した。

【判例】 旧建物のために法定地上権が成立する場合におけると同一の範囲内において法定地上権が成立する(大判昭10.8.10)

土地・建物の両方に抵当権が設定され、建物を取り壊して再築した場合

【事案】 土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後、建物が取り壊され、土地上に新建物を再築された。

【判例】 新建物の所有者が土地の所有者と同一であり、かつ、「新建物が建築された時点での土地の抵当権者」が新建物について土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けたとき等特段の事情のない限り新建物のために法定地上権は成立しない(最判平9.2.14)。

分かりやすい解説については個別指導で解説します。

抵当権設定当時に土地と建物の所有者が別人だった場合

【事案】 抵当権設定当時において土地及び建物の所有者が異なる人である。

【判例】 その土地又は建物に対する抵当権実行による競落の際、たまたま、当該土地及び建物の所有権が同一の者に帰していたとしても、成立要件2を満たさないため法定地上権は成立しない(最判昭44.2.14)

土地に1番抵当権・2番抵当権が設定され、2番抵当権のみ要件を満たす場合

【事案】 土地に先順位抵当権が設定された当時は土地と建物の所有者が異なっていたため成立要件を満たしていなかった。しかし、その後、土地と建物が同一人所有者となった後に後順位抵当権が設定され、後順位抵当権者を基準にすると、成立要件を満たしていた。

【判例】 土地の先順位抵当権が実行されたときであっても、土地に対する法定地上権は成立しない(最判平2.1.22)。

理由については個別指導で解説します。

建物に1番抵当権・2番抵当権が設定され、2番抵当権のみ要件を満たす場合

【事案】 建物に抵当権設定当時、土地・建物が所有者が異なっていたため成立要件を満たしていなかった。しかし、その後、土地と建物が同一人所有者となった後に後順位抵当権が設定され、後順位抵当権者を基準にすると、成立要件を満たしていた。

【判例】 建物の先順位抵当権が実行された時であっても、法定地上権が成立する(大判昭14.7.26)。

理由については個別指導で解説します。

単独所有の建物があり、土地が共有で、土地の共有持分に抵当権が設定された場合

【事案】 「A・B共有の土地」の上に「単独でAが建物を所有」していて、Aが、土地の共有持分について抵当権を設定していた。

【判例】 法定地上権は成立しない(最判昭29.12.23)。

理由については個別指導で解説します。

建物が共有で、単独所有の土地に抵当権が設定された場合

【事案】 「Aが単独所有する土地」の上に「A・B共有の建物」があり、Aが土地について抵当権を設定していた。

【判例】 法定地上権が成立する(最判昭46.12.21)

理由については個別指導で解説します。

共有である土地・建物に抵当権が設定された場合

【事案】 「A・B共有の土地」上に「A・C共有の建物」があるとき、土地の共有者A・Bが「Aの債務」を担保するため、「Aの土地の持分」および「Bの土地の持分」それぞれに抵当権を設定していた。

【判例】 法定地上権は成立しない(最判平6.12.20)

理由については個別指導で解説します。

また上記以外の判例についても、個別指導で解説します。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。

もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。

個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。

また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています!

次の行政書士試験の合格を目指しているのであれば、是非、個別指導で一緒に勉強をしましょう!

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法定地上権の成立要件チェックリスト

法定地上権が成立するかどうかは、以下の4要件をすべて満たすかで判断します。1つでも「×」があれば法定地上権は成立しません。学習時や過去問演習の際に、この表で素早く判定してみましょう。

要件チェック内容○ の例× の例
①建物の存在抵当権設定当時、土地上に建物があったか?建物あり更地だった
②同一所有者抵当権設定当時、土地と建物の所有者が同一人か?AがA所有の土地・建物に設定土地A・建物Bで別人
③抵当権の設定土地・建物の一方または双方に抵当権が設定されているか?土地のみに設定いずれにも未設定
④競売で別所有者競売の結果、土地と建物の所有者が異なったか?土地をCが競落同一人が両方取得

簡易フローチャートで判定

問題を解くときは、①→②→③→④の順に確認すると効率的です。途中で「×」が出た時点で、法定地上権は成立しないと判断できます。

  • STEP1:抵当権設定時に建物があったか? → ×なら不成立
  • STEP2:設定時に土地と建物は同一人の所有か? → ×なら不成立
  • STEP3:土地・建物の少なくとも一方に抵当権があるか? → ×なら不成立
  • STEP4:競売で土地と建物が別々の所有者になったか? → ×なら不成立
  • 4つすべて○ → 法定地上権が成立!

ポイント:判例問題では特に「いつの時点で判断するか」がよく問われます。要件①②は抵当権設定時を基準に判断する点を押さえておきましょう。

参考条文

(法定地上権)
第388条 土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。

占有保持・占有保全・占有回収の訴え

【早見表】占有の訴え3類型|要件・効果・期間の比較

占有の訴えは3種類あり、それぞれ要件・効果・提起期間が異なります。まず全体像を表で確認しましょう。

類型要件効果(請求できる内容)提起期間
占有保持の訴え(198条) 占有を妨害されたとき 妨害の停止+損害賠償 妨害の存する間/消滅後1年以内
占有保全の訴え(199条) 占有を妨害されるおそれがあるとき 妨害の予防/損害賠償の担保 妨害の危険が存する間
占有回収の訴え(200条) 占有を奪われたとき 物の返還+損害賠償 占有を奪われた時から1年以内

3類型の違いは「侵害の段階」で整理すると覚えやすくなります。現に妨害されていれば保持、まだ妨害されていないが危険があれば保全、すでに占有を失っていれば回収です。なお、工事による損害の場合は着手から1年経過または工事完成後は保持・保全いずれも提起できない点に注意しましょう。

占有の訴え

占有が他人によって侵害された・されるおそれがある場合に、占有者がその侵害の排除等を請求することができます。これを「占有訴権」と言い、「占有保持の訴え、占有保全の訴え、占有回収の訴え」の3種類があります。

占有保持の訴え

「占有保持の訴え」は、占有者がその占有を妨害されたとき、その妨害の停止及び損害賠償請求することができます(民法198条)。

占有保持の訴えは、「妨害の存する間」又は「その消滅した後1年以内」に提起しなければなりません(民法201条1項本文)。

ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から1年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができません(民法201条1項ただし書)。

占有保全の訴え

「占有保全の訴え」は、占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができます(民法199条)。

占有保全の訴えは、「妨害の危険の存する間」は、提起することができます。

ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から1年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができません(民法201条1項ただし書、2項)。

占有回収の訴え

占有回収の訴え」は、占有者がその占有を奪われたときは、その物の返還及び損害の賠償を請求することができます(民法200条1項)。

そして、占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができません

ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていた悪意の)ときは、当該特定承継人に対いても占有回収の訴えを提起できます

占有回収の訴えは、占有を奪われた時から1年以内に提起しなければならない。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。

もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。

個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。

また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています!

次の行政書士試験の合格を目指しているのであれば、是非、個別指導で一緒に勉強をしましょう!

個別指導の概要はこちら>>

参考条文

(占有の訴え)
第197条 占有者は、次条から第二百二条までの規定に従い、占有の訴えを提起することができる。他人のために占有をする者も、同様とする。

(占有保持の訴え)
第198条 占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。

(占有保全の訴え)
第199条 占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。

(占有回収の訴え)
第200条 占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。
2 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。

(占有の訴えの提起期間)
第201条 占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。
2 占有保全の訴えは、妨害の危険の存する間は、提起することができる。この場合において、工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは、前項ただし書の規定を準用する。
3 占有回収の訴えは、占有を奪われた時から一年以内に提起しなければならない。

(本権の訴えとの関係)
第202条 占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。
2 占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。

即時取得とは?要件・効果・占有改定を判例でわかりやすく解説|行書塾

即時取得とは?

「即時取得」とは、簡単にいえば、他人が所有する動産が自分のモノになってしまう制度です。

例えば、A所有の時計を、Bが借りていたとします。
(時計の所有者・貸主A、時計の占有者・借主B)

その後、Cが、Bからこの時計を買いました。

この場合、Cは、時計を所有者Aに返さないといけないか?

答えは、下記の一定要件を満たすと、即時取得が成立して、この時計はCのモノとなります。

つまり、Cは所有者Aに時計を返さなくても良いことになります。これが「即時取得」です。

即時取得の成立要件

下記3つをすべて満たすとき、即時取得が成立します(民法192条)。

  1. 目的物は動産であること
  2. 有効な取引行為によること
  3. 平穏、公然、善意無過失で占有を始めること

要件1:目的物は動産であること

目的物は動産である必要があります。上記事例も「時計」で動産なので、即時取得は可能です。

一方、不動産は即時取得できません

不動産について即時取得できない理由は個別指導で解説します。

要件2:有効な取引行為によること

「有効な取引行為」とは、例えば、売買契約や贈与契約、質権設定契約などがあります。

【有効な取引とならないものの具体例】

  1. 制限行為能力者とした取引
  2. 錯誤や詐欺、強迫、無権代理などの取り消すことができる取引
  3. 相続によって取得した場合

要件3:平穏、公然、善意無過失で占有を始めること

平穏・公然・善意は推定されます(民法186条1項)。

無過失も推定されます(民法188条、最判昭41.6.9

上記判例から、占有者は、192条(即時取得の要件)の「過失がない」ことを立証する責任はありません。

即時取得の効果

即時取得すると、即時にその動産について行使する権利(所有権や質権等)を取得する。

盗品又は遺失物についての特例

占有物が盗品(盗まれた場合)又は遺失物であるとき(失くした場合)、被害者又は遺失者は、「盗難又は遺失の時から2年間」、占有者に対してその物の回復(取り戻し)を請求することができます(民法193条)。

即時取得の規定は、取引の安全を図るためのルールですが、反面、原権利者(一番上の事例でいうと所有者A)の権利を奪うことになります。そこで、所有者Aの意思に基づかないで占有を離れた物については、あとで取戻し(回復請求)ができるようにしています。

そして、この回復請求をするには、占有者が支払った代価を弁償する必要はありません

占有者が盗品又は遺失物を、競売や市場で、善意で購入した場合

上記の通り、原則、無償で物を取り戻すことができるのですが

占有者が、「盗品又は遺失物」を、「競売若しくは公の市場(店舗)等」で、「善意」で買い受けたときは、「被害者又は遺失者」は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができません(民法194条)。

つまり、占有者がお店で購入したのであれば、その代金を支払って、原権利者(所有者A)は回復請求できるということです。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。

もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。

個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。

また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています!

次の行政書士試験の合格を目指しているのであれば、是非、個別指導で一緒に勉強をしましょう!

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参考条文

(即時取得)
第192条 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。

(盗品又は遺失物の回復)
第193条 前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。

第194条 占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。

嫡出否認の訴えと親子関係不存在確認の訴え

父親との親子関係を否定するための訴訟には、「嫡出否認の訴え」と「親子関係不存在確認の訴え」の2つがあります。

違いについては、子が「推定が及ぶ子」か否かでどちらの訴えを提起できるかが異なります。

嫡出否認の訴え

推定が及ぶ子」について、父親が自分の子供でないと主張する方法は嫡出否認訴訟しかありません。

嫡出否認訴訟の原告と被告

嫡出否認訴訟の提訴権者(原告)は、「夫・元夫」「子」「母」です(民法774条)。かつては夫のみに認められていた権利ですが、現在は子や母自身の意思で、血縁に基づいた正しい親子関係を確定させることが可能となっています。

被告については、夫が提起する場合は「子または母」元夫が提起する場合は、「父(夫)および子また母」子が提起する場合は「夫」母が提起する場合は「夫」となります(民法775条)。

嫡出否認訴訟の出訴期間

嫡出否認の訴えは、夫、子、母、元夫がそれぞれ下記期間内に提起しなければなりません(民法777条)。

  • が嫡出否認を申し立てる場合、その子の出生を知った時から3年以内
  • が自ら父子関係を否定する場合、その出生の時から3年以内。ただし、子が未成年の間に、母や親権者が子に代わって否認権を行使しなかった場合でも、子が成人(18歳)に達した後は、子自身が「自分が成人した時から3年以内」に訴えを提起することが可能です。
  • が嫡出否認を申し立てる場合、その子の出生の時から3年以内
  • 前夫が嫡出否認を申し立てる場合、前夫が子の出生を知った時から3年以内

以前の1年という期間から3年に延長されたことで、じっくりと状況を判断して手続きを行うことができるようになっています。 なお、父親(夫)または母親が、子の出生後にその子が嫡出であることを承認したときは、その後に否認権を行使することはできなくなります(民法776条)。

親子関係不存在確認の訴え

親子関係不存在確認の訴えは、嫡出推定が及ばない子(外観上、夫の子を妊娠し得ないことが明らかな場合など)について、親子関係がないことを確認する手続きです。

親子関係不存在確認訴訟の原告と被告

親原告は、親子関係の存否を確定する利益(訴えの利益)がある者であれば認められます。これには、夫、母、子のほか、相続権に影響を受ける第三者などが含まれます。 被告は、当事者の一方が提起する場合は「他の一方」を、第三者が提起する場合は「当事者の双方」を被告とします。

具体例については個別指導で解説します。

第三者が提起する場合は、当該身分関係の当事者の双方を被告とします。

親子関係不存在確認訴訟の出訴期間

この訴訟には、嫡出否認の訴えのような出訴期間の制限はなく、いつでも提訴することが可能です。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。

もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。

個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。

また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています!

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参考条文

(嫡出の推定)
第772条

  1. 妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定する。女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも、同様とする。
  2. 前項の場合において、婚姻の成立の日から200日以内に生まれた子は、婚姻前に懐胎したものと推定し、婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
  3. 第1項の場合において、女が子を懐胎した時から子の出生の時までの間に2以上の婚姻をしていたときは、その子は、その出生の直近の婚姻における夫の子と推定する。
  4. 前3項の規定により父が定められた子について、第774条の規定によりその父の嫡出であることが否認された場合における前項の規定の適用については、同項中「直近の婚姻」とあるのは、「直近の婚姻(第774条の規定により子がその嫡出であることが否認された夫との間の婚姻を除く。)」とする。

(父を定めることを目的とする訴え)
第773条

第732条の規定に違反して婚姻をした女が出産した場合において、前条の規定によりその子の父を定めることができないときは、裁判所が、これを定める。


(嫡出の否認)
第774条

  1. 第772条の規定により子の父が定められる場合において、父又は子は、子が嫡出であることを否認することができる。
  2. 前項の規定による子の否認権は、親権を行う母、親権を行う養親又は未成年後見人が、子のために行使することができる。
  3. 第1項に規定する場合において、母は、子が嫡出であることを否認することができる。ただし、その否認権の行使が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでない。
  4. 第772条第3項の規定により子の父が定められる場合において、子の懐胎の時から出生の時までの間に母と婚姻していた者であって、子の父以外のもの(以下「前夫」という。)は、子が嫡出であることを否認することができる。ただし、その否認権の行使が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでない。
  5. 前項の規定による否認権を行使し、第772条第4項の規定により読み替えられた同条第3項の規定により新たに子の父と定められた者は、第1項の規定にかかわらず、子が自らの嫡出であることを否認することができない。

(嫡出否認の訴え)
第775条

次の各号に掲げる否認権は、それぞれ当該各号に定める者に対する嫡出否認の訴えによって行う。

  1. 父の否認権:子又は親権を行う母
  2. 子の否認権:父
  3. 母の否認権:父
  4. 前夫の否認権:父及び子又は親権を行う母

2項 前項第1号又は第4号に掲げる否認権を親権を行う母に対し行使しようとする場合において、親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。


(嫡出の承認)
第776条

父又は母は、子の出生後において、その嫡出であることを承認したときは、それぞれその否認権を失う。


(嫡出否認の訴えの出訴期間)
第777条

次の各号に掲げる否認権の行使に係る嫡出否認の訴えは、それぞれ当該各号に定める時から3年以内に提起しなければならない。

  1. 父の否認権:父が子の出生を知った時
  2. 子の否認権:その出生の時
  3. 母の否認権:子の出生の時
  4. 前夫の否認権:前夫が子の出生を知った時

嫡出の推定

嫡出の推定とは?

嫡出(ちゃくしゅつ)の推定とは、出生の状況などにより「その父親の子供に違いない」と法律上で推定することです。「推定」なので、父親の子供でないことが証明されれば、法律上の親子関係を否定することが可能です。

嫡出子と非嫡出子

法律上の結婚をしている男女間に生まれた子供を「嫡出子」と言います。一方、結婚していない男女間に生まれた子供は「非嫡出子(または婚姻外の子)」と呼びます。

推定される嫡出子(嫡出推定の及ぶ子)

民法第772条の規定により、以下の子供は「夫の子」と推定されます。

1. 妻が婚姻中に妊娠した子(772条1項前段)

2. 結婚前に妊娠し、結婚した後に生まれた子(772条1項後段)

3. 離婚(婚姻解消)から300日以内に生まれた子(772条2項後段)

※改正法では、離婚後300日以内に生まれた子であっても、母が再婚している場合は「現夫(新しい夫)の子」と推定されます(772条3項)。これにより、かつての「無戸籍児問題」の解消が図られています。

推定の及ばない子

妻が婚姻中に妊娠した子であっても、夫と血縁関係がないことが客観的に明らかな場合があります。この子を「推定の及ばない子」と言います。

例えば、夫が長期間の海外出張、刑務所への収容、あるいは事実上の離婚状態で別居しており、夫婦間に性的交渉の機会が全くなかった場合などがこれに該当します。この場合は、嫡出推定の効力が及びません。

「推定されない嫡出子」の扱いの変化

以前の民法では、婚姻届を出してから200日以内に生まれた子は「推定を受けない嫡出子」と区別されていました。しかし、改正民法(772条1項後段)では、「婚姻前に妊娠して結婚後に生まれた子」も、法律上はっきり「夫の子と推定する」と明記されました。

【条文上の根拠:民法772条1項後段】 「女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも、同様(夫の子と推定する)とする。」

これにより、いわゆる「授かり婚」で早期に出生した子供も、法律上は強力な「推定」を受ける子供として保護されるようになっています。

理解学習について

行政書士試験に合格するためには、膨大な量の知識を頭に入れる必要があります。そのためには「丸暗記で勉強」しても、覚えて忘れての繰り返しで、一向に実力が上がりません。そのため、着実に実力を上げるためには、理解をしながら勉強することが重要です。

もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。

個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。

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参考条文

(嫡出の推定)
第772条 妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定する。女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも、同様とする。
2 前項の場合において、婚姻の成立の日から二百日以内に生まれた子は、婚姻前に懐胎したものと推定し、婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
3 第一項の場合において、女が子を懐胎した時から子の出生の時までの間に二以上の婚姻をしていたときは、その子は、その出生の直近の婚姻における夫の子と推定する。
4 前三項の規定により父が定められた子について、第七百七十四条の規定によりその父の嫡出であることが否認された場合における前項の規定の適用については、同項中「直近の婚姻」とあるのは、「直近の婚姻(第七百七十四条の規定により子がその嫡出であることが否認された夫との間の婚姻を除く。)」とする。

錯誤

錯誤とは?

錯誤とは、簡単に言えば「勘違い」を意味します。具体例は、下記「表示の錯誤」と「動機の錯誤」の中で解説します。

表示の錯誤と動機の錯誤

表示の錯誤とは?

「表示の錯誤」とは、「意思表示に対応する意思を欠く錯誤」を言います(民法95条1項1号)。

分かりづらいですが、具体例を考えれば簡単です。

例えば、甲土地を買おうと思っていたのにも関わらず、「乙土地を購入します!」と言ってしまった場合です。

動機の錯誤とは?

「動機の錯誤」とは、「表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤」を言います(民法95条1項2号)。

これも具体例を考えれば簡単です。

例えば、甲土地の近くに駅が新設されると思い込んで「甲土地を購入します!」といったにも関わらず、駅は新設されなかった場合、「駅が新設される」という動機について勘違いをしています。

錯誤の成立要件

表示の錯誤の成立要件

下記2つを同時に満たすことで錯誤が成立します。

  1. 錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである
  2. 表意者に重大な過失がない

※1の「重要なものである」とは、勘違いをしていなかったら、そのような意思表示をしなかっただろう場合です。

※「重大な過失」とは、通常期待される注意を著しく欠くことを言います。

動機の錯誤の成立要件

上記表示の錯誤の成立要件に加えて

動機を明示すること、または黙示に明示すること」が必要となります。

共通錯誤

共通錯誤とは、表意者だけでなく、相手方も同じ勘違いをしていた場合を指します。

この場合、表意者に重過失があっても、錯誤取消の主張ができます。

錯誤の効果

錯誤が成立すると、表意者(勘違いをした者)は、あとで取り消しをすることができます(民法95条1項)。

原則、相手方や第三者は、錯誤を理由に取り消すことはできません。

上記取消権は、①追認をすることができる時から5年間行使しないとき、または、②錯誤による意思表示をした時から20年を経過したとき時効によって消滅します(民法126条)。

錯誤と第三者との関係

善意無過失の第三者は保護されます(民法95条4項)。

例えば、Aが勘違いをして、A所有の土地をBに売却し、その後、Bが、「Aの錯誤について善意無過失のC」に売却した場合、善意無過失のCは保護され、AはCに対して、錯誤取消しを主張できません。

理解学習について

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もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。

個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。

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参考条文

(錯誤)
第95条 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
2 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
4 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

(取消権の期間の制限)
第126条 取消権は、追認をすることができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

遺言

遺言とは?

遺言とは、被相続人が、死後、自己の財産(相続財産)を、誰に、どれだけ残すのかといった意思表示を言います。

遺言については、民法で厳格に「方式(形式)」が決まっており、この方式に従っていない場合は、法律上の遺言としての効力を持ちません(無効)(民法960条)。

そして、2人以上の者が同一の証書で遺言を記載することはできません(民法975条:共同遺言の禁止)。

また、遺言は相手方の承諾なく、単独行為で効力が発生します。

遺言能力

満15歳以上の者は、単独で遺言をすることができます。たとえ、未成年者・被保佐人・被補助人であっても、単独で遺言できます(民法961条・962条)。

成年被後見人については、「①事理を弁識する能力を一時回復した時に」、「②医師2人以上の立会い」があれば、遺言できます。

遺言の種類

遺言の種類には下記、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。

自筆証書遺言の方式

  • 遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、遺言に押印しなければならない(民法968条1項)。ただし、財産目録を添付する場合には、その目録については、自書しなくてもよいが、その目録の毎葉(各ページ)に署名し、印を押さなければならない(民法968条2項)。
  • 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、「変更した場所を指示」し、これを「変更した旨を付記」して特にこれに「署名」し、かつ、その「変更の場所に押印」しなければ、変更は無効となる(民法968条3項)。

公正証書遺言の方式

公正証書によって遺言をするには、下記の要件を全て満たさなければなりません(民法969条)。

  1. 証人2人以上の立会いがあること。
  2. 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授する(言葉で伝える)こと。
  3. 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
  4. 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、押印すること。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
  5. 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、押印すること。

秘密証書遺言

秘密証書によって遺言をするには、下記の要件を全て満たさなければなりません(民法970条)。

  1. 遺言者が、その証書に署名し、押印すること。
  2. 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
  3. 遺言者が、公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
  4. 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。

もし、上記要件を満たさない場合、自筆証書の要件を満たせば、自筆証書遺言としての効力は認められます(民法971条)。

遺言の効力発生時期

遺言は、遺言者の死亡の時に効力が発生します(民法985条1項)。

遺言に停止条件を付した場合、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時に効力が発生します(民法985条2項)。

遺言の撤回

遺言者は、いつでも、その遺言の全部又は一部を撤回することができます(民法1022条)。

「前の遺言」と「後の遺言」とが矛盾するときは、矛盾する部分については、「後の遺言」で「前の遺言」を撤回したものとみなし、「後の遺言」が優先します(民法1023条)。

(遺言の撤回権の放棄の禁止)
遺言者は、上記遺言の撤回権を放棄することができません(民法1026条)。

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もちろんすべてを理解することは難しいですが、理解すべき部分は理解していけば、膨大な量の知識を頭に入れることが可能です。

個別指導では、理解すべき部分を理解していただくために、「具体例や理由」などを入れて、詳しく分かりやすく解説しています。

また、丸暗記でよいものは、語呂合わせを使ったりして、効率的に覚えていただけるようにしています!

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参考条文

(遺言の方式)
第960条 遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。

(遺言能力)
第961条 十五歳に達した者は、遺言をすることができる。

第962条 第五条、第九条、第十三条及び第十七条の規定は、遺言については、適用しない。

第963条 遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。

(相続人に関する規定の準用)
第965条 第八百八十六条及び第八百九十一条の規定は、受遺者について準用する。

(被後見人の遺言の制限)
第966条 被後見人が、後見の計算の終了前に、後見人又はその配偶者若しくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは、その遺言は、無効とする。
2 前項の規定は、直系血族、配偶者又は兄弟姉妹が後見人である場合には、適用しない。

(普通の方式による遺言の種類)
第967条 遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない。

(自筆証書遺言)
第968条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

(公正証書遺言)
第969条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 証人二人以上の立会いがあること。
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

(秘密証書遺言)
第970条 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
三 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
四 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
2 第九百六十八条第三項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。

(方式に欠ける秘密証書遺言の効力)
第971条 秘密証書による遺言は、前条に定める方式に欠けるものがあっても、第九百六十八条に定める方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する。

(秘密証書遺言の方式の特則)
第972条 口がきけない者が秘密証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、その証書は自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を通訳人の通訳により申述し、又は封紙に自書して、第九百七十条第一項第三号の申述に代えなければならない。
2 前項の場合において、遺言者が通訳人の通訳により申述したときは、公証人は、その旨を封紙に記載しなければならない。
3 第一項の場合において、遺言者が封紙に自書したときは、公証人は、その旨を封紙に記載して、第九百七十条第一項第四号に規定する申述の記載に代えなければならない。

(成年被後見人の遺言)
第973条 成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。
2 遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。

(共同遺言の禁止)
第975条 遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。

(遺言の効力の発生時期)
第985条 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。

(遺言の撤回)
第1022条 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。

(前の遺言と後の遺言との抵触等)
第1023条 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。

(遺言の撤回権の放棄の禁止)
第1026条 遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄することができない。