令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講

争点訴訟(民事訴訟)

争点訴訟とは?

争点訴訟とは、私法上の法律関係に関する訴訟ですが、その前提となる処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無が争われているものを言います。

例えば、Aの農地が買収された場合における「農地買収処分の無効を理由とする所有権確認訴訟」です。最終的には、Aは「この農地の所有権は私のものです!」と確認を求める訴訟(所有権という私法上の法律関係に関する訴訟)なのですが、争点となっているのは、農地買収処分です。この農地買収処分が無効だから、この農地の所有権はAにあるでしょ!という争いです。

また、Aが不動産を取得していないにも関わらず、不動産取得税の課税処分の通知を受け、納税した場合における「課税処分の無効を前提とする税金の還付請求訴訟」も争点訴訟です。最終的には、納税した税金を還付してください!という還付請求(返還請求)の訴訟(民事訴訟)なのですが、争点となっているのは、課税処分です。そのため、争点訴訟となります。

争点訴訟と実質的当事者訴訟の違い

上記実質的当事者訴訟と争点訴訟は似ていますが、違います。

何が違うかというと、
争点訴訟は私人間の争い(=民事訴訟)で、
実質的当事者訴訟は、私人と行政主体との争い(=行政訴訟)です。

もう少し詳しくいうと、処分等の無効等を前提に「私法上の権利義務」について争う争点訴訟は民事訴訟ですが、処分等の無効等を前提に「公法上の権利義務」について争う訴訟(実質的当事者訴訟)は行政訴訟(行政事件訴訟です。

実質的当事者訴訟はこちら>>

争点訴訟と無効等確認訴訟の違い

無効等確認訴訟は、処分が当初から無効であることの確認自体を請求する訴訟であるのに対し、争点訴訟は、処分の無効を前提に、私法上の権利義務について争う訴訟です。

上の2つの事例でいうと、「農地買収処分の無効自体を争う場合」や「課税処分の無効自体を争う場合」は、無効等確認の訴えを提起します。

一方で、「農地買収処分の無効を前提として、所有権を確認する場合」や「課税処分の無効を前提として、税金の還付を求める場合」は、争点訴訟を提起します。

そして、上図の通り、現在の法律関係の確認を求める訴え(争点訴訟)では目的達成ができない場合に限って、無効等確認の訴え(無効確認訴訟)を提起できます。

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