長は、執行機関として、議会で決めたことしか、執行することができません。しかし、長は、一定の場合に議決を経ずに、処分をすることができます。これを専決処分と言います。
専決処分には法定の専決処分と議会委任の専決処分の2つがあります。
法定の専決処分
法定の専決処分とは、法律で定められた事由に該当する場合に行える専決処分です。
法律で定められた事由とは、下記の通りです。
- 議会が成立しないとき(在任議員の総数が議員定数の半数に満たない場合)
- 議員の定数の半数以上の議員が出席しないなどが原因で会議を開くことができないとき
- 特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないとき
- 議決事件を議決しないとき
上記4つのいずれかに該当する場合、長は議会の決議なく処分を行えます。
※ 「副知事・副市町村長の選任の同意」および「指定都市の総合区長の専任の同意」については専決処分の対象外。
そして、長が処分をした場合、長は、次の会議で、議会に報告(事後報告)し、議会の承認を求めなければなりません。
もし、議会が承認しなくても、長の処分の効力に影響はありません。
議会委任の専決処分
議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、長は専決処分ができます。
議会の委任による専決処分は、議会への事後報告は必要ですが、議会の承認は不要です。なぜなら、議会で指定された事項だから、議会は長が行うことは事前に分かっているからです。