訴えの変更とは、訴訟の係属中に、原告が請求の趣旨や請求の原因を変更することです。
国又は公共団体に対する請求への訴えの変更
そして、この訴えの変更にはいくつかルールがありますので、それを列挙します。
- 訴えの変更は、原告の申立てにより行う。(裁判所の職権で行うことはできない)
- 訴えの変更は、口頭弁論の終結に至るまでに行うこと。
- 訴えの変更をするにしても、請求の基礎に変更がないことが要件。
- 訴えの変更を認める場合、裁判所は決定をもって行う
- 訴えの変更を許す決定をするには、裁判所は、あらかじめ、被告の意見をきかなければならない。
- 訴えの変更を許す決定に対しては、即時抗告をすることができる。
- 訴えの変更を許さない決定に対しては、不服を申し立てることができない。
請求の基礎とは?
訴訟を行う場合、ある事実があり、その事実に対して何らかの請求を行います。その事実自体が同じ場合、「請求の基礎に変更がない」と言います。
例えば、Aが営業停止処分を受けて、Aが営業停止処分の取消しの訴えをしたとします。その後、営業停止期間に100万円の損害があったとして、「処分の取消しの訴え」から「損賠償請求の訴え」に変更することがあります。
この2つの訴えについて、「Aが営業停止処分を受けた」という事実から発生した訴えです。こういったものが請求の基礎に変更がないということです。
裁判資料(証拠書類等)については、処分取消の訴えのものを使って、損害賠償請求の訴えを行うことができるため、裁判の効率性も保たれます。