令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講
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行政指導

行政指導とは、法的拘束力はないが、一定の行政目的を達成させるために、特定の者に指導、勧告、助言をすることです。

例えば、Aが所有する建物が、倒壊しそうで危険だとします。そのような場合に、知事はAに対して、必要な措置をとることを勧告することができます。

イメージとしては、「できれば、倒壊しないように工事してくれませんか?もしくは解体してくれませんか?」とお願いするイメージです。

行政指導法的拘束力はないので、Aは工事や解体をする義務はありません

行政手続法における行政指導の定義

行政手続法では、下記のように規定されています。

行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。

上記条文で、行政書士試験で出題されるポイントは下記の通りです。

  • 行政機関は、任務又は所掌事務の範囲内において行う行為であり、任務または所掌事務の範囲外の行為は行政指導でない
  • 特定の者に対して行う行為であり、不特定の者に対して行う行為は行政指導ではない
  • 処分に該当する行為は行政指導ではない

上記条文の内容ではないが、行政書士試験で出題されるポイントは下記の通りです。

  • 行政指導は法律の根拠がなくても行える→なぜなら、法的拘束力がないから
  • 行政指導は、非権力的な事実行為なので、原則、抗告訴訟の対象となる「処分」には該当しない。ただし、判例(病院開設中止勧告事件)で該当する場合もある。

行政指導に関する判例

  • 病院開設中止の勧告は,医療法上は当該勧告を受けた者が任意にこれに従うことを期待してされる行政指導であるけれども,当該勧告を受けた者に対し,これに従わない場合には,病院を開設しても保険医療機関の指定を受けることができなくなるという結果をもたらす。我が国においては,健康保険,国民健康保険等を利用しないで病院で受診する者はほとんどいないため、保険医療機関の指定を受けることができない場合には,実際上病院の開設自体を断念せざるを得ないことになる。そのように考えると、この勧告は,行政事件訴訟法3条2項にいう行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為に当たると解するのが相当である。(最判平17.7.15:病院開設中止勧告事件)
  • 市がマンションを建築しようとする事業主に対して指導要綱に基づき教育施設負担金の寄付を求めた場合において、右指導要綱が、これに従わない事業主には水道の給水を拒否するなどの制裁措置を背景として義務を課することを内容とするものであつて、右行為が行われた当時、これに従うことのできない事業主は事実上建築等を断念せざるを得なくなつており、現に指導要綱に従わない事業主が建築したマンションについて水道の給水等を拒否していたなど判示の事実関係の下においては、右行為は、行政指導の限度を超え、違法な公権力の行使に当たる。(最判平5.2.18:教育施設負担金事件
  • 最判平元.11.8:宅地開発指導要綱と給水拒否

 

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