行政事件訴訟法とは?
行政事件訴訟法は、裁判によって、違法な行政活動によって権利利益を侵害された国民の救済を図るものです。
行政不服審査法 | 違法または不当な行政行為 |
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行政事件訴訟法 | 違法な行政行為(不当な行政行為は行政事件訴訟法の対象外) |
訴訟は、民事訴訟、刑事訴訟、行政事件訴訟に区別でき、行政事件訴訟法は、公権力の行使に関する争いを含む公法上の法律関係に関する紛争解決を目的としてます。
民事事件 | 民事訴訟法 |
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刑事事件 | 刑事訴訟法 |
行政事件 | 行政事件訴訟法 |
行政事件訴訟法の経緯
1945年(昭和20年)第二次世界大戦が終戦。
1946年(昭和21年)日本国憲法が公布。
1948年(昭和23年)に「行政事件訴訟特例法」が制定(戦後に制定)。
行政事件訴訟特例法は、民事訴訟法の特例を定めたものであり、全文でわずか12条のみの簡単なものでした。この法律は、制定が急がれたため、欠陥も多かったため、
1962年(昭和37年)に法改正され、現行の「行政事件訴訟法」が制定されました。
行政事件訴訟法の類型
行政事件訴訟法は大きく分けて主観訴訟と客観訴訟に分けることができます。
主観訴訟は、個人の権利利益の救済を目的とし、自分自身に直接関係する行政活動に対する訴訟を指し、客観訴訟は、行政の適法性の確保を目的とし、自分には直接関係ない行政活動に対する訴訟を指します。
主観訴訟
主観訴訟とは、個人の権利利益の救済を目的とし、自分自身に直接関係する行政活動に対する訴訟を指し、大きく分けて、抗告訴訟と当事者訴訟に分けることができます。
主観訴訟は、個人の権利利益が侵害され、または侵害されそうになっている場合、その救済を求める訴えを指します。
抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使に関して違法でないかと不服がある場合の訴訟で、当事者訴訟は、当事者間の公法上の法律関係を争う訴訟です。
抗告訴訟
抗告訴訟には、下記5つがあります。詳細は下記リンク先で解説しています。
- 取消訴訟(処分の取消しの訴え、裁決の取消しの訴え)
- 無効等確認の訴え
- 不作為の違法確認の訴え
- 義務付けの訴え
- 差止めの訴え
当事者訴訟
当事者訴訟には、下記2つがあります。詳細は下記リンク先で解説しています。
客観訴訟
客観訴訟は、行政の適法性の確保を目的とし、自分には直接関係ない行政活動に対する訴訟を指し、民衆訴訟と機関訴訟があります。
この客観訴訟は、行政活動が法律に違反している場合に個人の利益に関係なく、違法状態を回復するための訴訟です。
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