令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講

行政不服審査法64条:再審査請求の却下又は棄却の裁決

再審査請求期間(1か月もしくは1年)が過ぎた場合(不適法である場合)、審査庁は、裁決で却下します。

再審査請求について、理由がない場合、審査庁は、裁決で棄却します。

却下と棄却の違い

この2つの違いについてよく行政書士試験で出題されるので必ず頭に入れておきましょう!

却下 手続の不備など、不適法な場合に、審理をせずに門前払いをすること
棄却 手続の不備はなく適法に行われているため、審理はするが、請求に理由がないとして請求などを退けること

再審査請求の棄却裁決

再審査請求に係る原裁決(審査請求について却下もしくは棄却した裁決)が違法又は不当な場合で、かつ、当該審査請求に係る処分が違法又は不当のいずれでもないときは、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を棄却します。

どういうことかというと、下記場合において、④が違法で②が適法の場合、⑤の再審査請求について棄却裁決します。なぜなら、審査庁Bの判断は間違っていても、処分庁Aの処分が正しいから、処分庁Aの処分内容を尊重して、Xからの再審査請求を棄却するということです。

①Xが許可申請した。

②処分庁Aが却下処分or拒否処分(審査請求に係る処分)がした。(←これは違法でも不当でもない=適法)

③Xが審査請求(不服申立て)をした。

④審査庁Bが却下裁決or棄却裁決(原裁決)をした。(←これが違法または不当)

⑤Xが再審査請求した。

再審査請求における事情裁決

再審査請求に係る原裁決が違法又は不当ではあるけど、処分を取り消し、又は撤廃してしまうと、公の利益に著しい障害を生ずる場合、諸事情を考慮した上で、公共の福祉に適合しないと認めるときは、例外的に、再審査庁は裁決で棄却することができます。

つまり、審査庁の裁決は違法・不当だけど、公の利益を優先して、再審査請求を棄却することができるということです。

この場合、再審査庁は、裁決の主文で、当該原裁決が違法又は不当であることを宣言しなければなりません。

(再審査請求の却下又は棄却の裁決)
行政不服審査法第64条 再審査請求が法定の期間経過後にされたものである場合その他不適法である場合には、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を却下する。
2 再審査請求が理由がない場合には、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を棄却する。
3 再審査請求に係る原裁決(審査請求を却下し、又は棄却したものに限る。)が違法又は不当である場合において、当該審査請求に係る処分が違法又は不当のいずれでもないときは、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を棄却する。
4 前項に規定する場合のほか、再審査請求に係る原裁決等が違法又は不当ではあるが、これを取り消し、又は撤廃することにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、再審査請求人の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮した上、原裁決等を取り消し、又は撤廃することが公共の福祉に適合しないと認めるときは、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を棄却することができる。この場合には、再審査庁は、裁決の主文で、当該原裁決等が違法又は不当であることを宣言しなければならない。

<<行政不服審査法63条:裁決書の送付 | 行政不服審査法65条:再審査請求の認容の裁決>>

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