行政不服審査法55条の誤った教示をした場合の救済については、行政書士試験でもよく出題される部分です。しかし、分かりづらいため、きちんと頭に入っていない受験生も多いです。そのため、合否の分けれ目になる部分なので行政書士試験に合格するためにも絶対押さえておきましょう!
教示とは?
教示とは、「不服ある場合は、こんな方法がありますよ!」教えてくれる制度です。
そもそも、国民のほとんどが、行政不服審査法を知っているわけではありません。そのため、行政庁の処分により不利益を受ける国民の権利利益を救済するために、教示制度があります。
再調査請求ができるにも関わらず、できない旨の教示をし、審査請求がされた場合
ある処分がなされて、その処分について、再調査請求ができる旨の法律があったとします。
その場合、処分を受けた者に対して、処分庁は、「再調査請求ができますよ!」と教える必要があります。
それにも関わらず、間違って、「再調査請求はできません!」と教えてしまい、結果的に、処分を受けた者が審査請求をした。
この場合、審査請求人(=処分を受けた者)は「再調査請求にしてください!」と申立てをすれば、再調査請求に変更することができます。
この場合、審査庁は、速やかに、審査請求書又は審査請求録取書を処分庁(再調査を行う行政庁)に送付しなければなりません。そして、上記審査請求書などが処分庁に送付されたときは、初めから処分庁に再調査請求がされたものとみなします。
ただし、例外として、処分庁が、審査請求人に対し弁明書が送付した後においては、再調査請求はできなくなり、そのまま審査請求の手続きが行われます。
(誤った教示をした場合の救済)
行政不服審査法第55条 再調査の請求をすることができる処分につき、処分庁が誤って再調査の請求をすることができる旨を教示しなかった場合において、審査請求がされた場合であって、審査請求人から申立てがあったときは、審査庁は、速やかに、審査請求書又は審査請求録取書を処分庁に送付しなければならない。ただし、審査請求人に対し弁明書が送付された後においては、この限りでない。
2 前項本文の規定により審査請求書又は審査請求録取書の送付を受けた処分庁は、速やかに、その旨を審査請求人及び参加人に通知しなければならない。
3 第1項本文の規定により審査請求書又は審査請求録取書が処分庁に送付されたときは、初めから処分庁に再調査の請求がされたものとみなす。
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