このページでは、行政不服審査会への諮問(しもん)について解説します。まず、審査請求からの裁決の下記流れをご覧ください。今回は8の諮問の内容です。この流れは行政書士試験で合格するために重要な流れなので、必ず頭に入れましょう!
審査請求から裁決までの流れ
処分が行われ、その処分に不服があると、下記流れで審査請求が行われます。
- 審査請求人は審査請求書を審査庁に提出します。
- 審査庁は審査請求書に不備がないかを審査します。
- 不備がなければ審査庁は、審査請求の手続きを担当する審理員を指名します。
- 審理員は処分庁に審査請求書を送付します。
- 処分庁は審理員に弁明書を提出します。
- 審査請求人は審理員に反論書を提出します。
- 審理員は審査庁に審理員意見書を提出
行政不服審査会等への諮問
審査庁が審理員意見書の提出を受けたときは、行政不服審査会等に諮問(しもん)しなければなりません。諮問とは、意見を尋ね求めることです。
この手続きは、審査庁が裁決をする前に、行政不服審査会等の第三者機関に対してお伺いを立てて、その意見を踏まえた上で最終的な判断を下すためです。
これは、客観的で公正な判断を下すためのルールで、平成26年の法改正により設けられました。
※審査庁が「合議制の機関(例えば〇〇委員会)」である場合等は、行政不服審査会への諮問は不要です。
諮問機関(誰に諮問するか?)
上図では、「行政不服審査会」となっていますが、審査庁が地方公共団体の長である場合、地方公共団体に設置された付属機関に諮問することになります。
(行政不服審査会等への諮問)
行政不服審査法第43条 審査庁は、審理員意見書の提出を受けたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、審査庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは内閣府設置法第49条第1項若しくは第2項若しくは国家行政組織法第3条第2項に規定する庁の長である場合にあっては行政不服審査会に、審査庁が地方公共団体の長(地方公共団体の組合にあっては、長、管理者又は理事会)である場合にあっては第81条第1項又は第2項の機関に、それぞれ諮問しなければならない。
一 審査請求に係る処分をしようとするときに他の法律又は政令(条例に基づく処分については、条例)に第九条第1項各号に掲げる機関若しくは地方公共団体の議会又はこれらの機関に類するものとして政令で定めるもの(以下「審議会等」という。)の議を経るべき旨又は経ることができる旨の定めがあり、かつ、当該議を経て当該処分がされた場合
二 裁決をしようとするときに他の法律又は政令(条例に基づく処分については、条例)に第九条第1項各号に掲げる機関若しくは地方公共団体の議会又はこれらの機関に類するものとして政令で定めるものの議を経るべき旨又は経ることができる旨の定めがあり、かつ、当該議を経て裁決をしようとする場合
三 第46条第3項又は第49条第4項の規定により審議会等の議を経て裁決をしようとする場合
四 審査請求人から、行政不服審査会又は第81条第1項若しくは第2項の機関(以下「行政不服審査会等」という。)への諮問を希望しない旨の申出がされている場合(参加人から、行政不服審査会等に諮問しないことについて反対する旨の申出がされている場合を除く。)
五 審査請求が、行政不服審査会等によって、国民の権利利益及び行政の運営に対する影響の程度その他当該事件の性質を勘案して、諮問を要しないものと認められたものである場合
六 審査請求が不適法であり、却下する場合
七 第46条第1項の規定により審査請求に係る処分(法令に基づく申請を却下し、又は棄却する処分及び事実上の行為を除く。)の全部を取り消し、又は第47条第1号若しくは第2号の規定により審査請求に係る事実上の行為の全部を撤廃すべき旨を命じ、若しくは撤廃することとする場合(当該処分の全部を取り消すこと又は当該事実上の行為の全部を撤廃すべき旨を命じ、若しくは撤廃することについて反対する旨の意見書が提出されている場合及び口頭意見陳述においてその旨の意見が述べられている場合を除く。)
八 第46条第2項各号又は第49条第3項各号に定める措置(法令に基づく申請の全部を認容すべき旨を命じ、又は認容するものに限る。)をとることとする場合(当該申請の全部を認容することについて反対する旨の意見書が提出されている場合及び口頭意見陳述においてその旨の意見が述べられている場合を除く。)
2 前項の規定による諮問は、審理員意見書及び事件記録の写しを添えてしなければならない。
3 第1項の規定により諮問をした審査庁は、審理関係人(処分庁等が審査庁である場合にあっては、審査請求人及び参加人)に対し、当該諮問をした旨を通知するとともに、審理員意見書の写しを送付しなければならない。
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