「情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)」及び「個人情報の保護に関する法律」に関する次のア~オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。(改)(2023年改正対応)
ア.個人情報保護法の保有個人情報が記録されている「行政文書」は、情報公開法のそれと同じ概念である。
イ.各地方公共団体の機関は、情報公開法の直接適用を受ける一方で、個人情報保護については個別に条例を定めて対応している。(改)
ウ.情報公開法にも個人情報保護法にも、開示請求に対する存否応答拒否の制度が存在する。
エ.情報公開法及び個人情報保護法との関連で、開示決定等に関する不服申立てを調査審議する機関として、情報公開・個人情報保護審査会が設置されている。
オ.情報公開法にも個人情報保護法にも、偽りその他不正の手段により、開示決定に基づく情報開示を受けた者を過料に処する旨の定めが存在する。
- ア・オ
- ア・イ・エ
- ア・ウ・エ
- イ・ウ・エ
- エ・オ
【答え】:3(ア・ウ・エが正しい)
【解説】
ア.個人情報保護法の保有個人情報が記録されている「行政文書」は、情報公開法のそれと同じ概念である。
ア・・・正しい
個人情報保護法の保有個人情報が記録されている「行政文書」(個人情報保護法60条)と情報公開法2条2項に規定されている「行政文書」と同じ概念です。
個人情報保護法の保有個人情報が記録されている「行政文書」(個人情報保護法60条)と情報公開法2条2項に規定されている「行政文書」と同じ概念です。
イ.各地方公共団体は、情報公開法の直接適用を受ける一方で、個人情報保護については個別に条例を定めて対応している。
イ・・・誤り
地方公共団体の機関は、情報公開法に規定されている「行政機関」には該当しません(情報公開法2条1項)。そのため、各地方公共団体は、情報公開法の直接適用を受けず、条例制定で対応します。したがって、誤りです。
個人情報保護法についても、同じく、個人情報保護法の「行政機関」に該当しません(個人情報保護法2条8項)。ちなみに、地方公共団体の機関は、個人情報保護法の「行政機関」には含まれませんが、「行政機関等」に含まれ、個人情報保護法が適用されます。条例で定めなくても、個人情報保護法があるので問題はありません。ただ、個人情報保護法の範囲内で、独自のルールとして条例を定めることも認めれています。
地方公共団体の機関は、情報公開法に規定されている「行政機関」には該当しません(情報公開法2条1項)。そのため、各地方公共団体は、情報公開法の直接適用を受けず、条例制定で対応します。したがって、誤りです。
個人情報保護法についても、同じく、個人情報保護法の「行政機関」に該当しません(個人情報保護法2条8項)。ちなみに、地方公共団体の機関は、個人情報保護法の「行政機関」には含まれませんが、「行政機関等」に含まれ、個人情報保護法が適用されます。条例で定めなくても、個人情報保護法があるので問題はありません。ただ、個人情報保護法の範囲内で、独自のルールとして条例を定めることも認めれています。
ウ.情報公開法にも個人情報保護法にも、開示請求に対する存否応答拒否の制度が存在する。
ウ・・・正しい
情報公開法にも個人情報保護法にも、開示請求に対する存否応答拒否の制度が存在します。具体的には情報公開法8条には「開示請求に対し、当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、行政機関の長は、当該行政文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。」と規定しており、
個人情報保護法81条には「開示請求に対し、当該開示請求に係る保有個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、行政機関の長等は、当該保有個人情報の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。」と規定しております。
情報公開法にも個人情報保護法にも、開示請求に対する存否応答拒否の制度が存在します。具体的には情報公開法8条には「開示請求に対し、当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、行政機関の長は、当該行政文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。」と規定しており、
個人情報保護法81条には「開示請求に対し、当該開示請求に係る保有個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、行政機関の長等は、当該保有個人情報の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。」と規定しております。
エ.情報公開法及び個人情報保護法との関連で、開示決定等に関する不服申立てを調査審議する機関として、情報公開・個人情報保護審査会が設置されている。
エ・・・正しい
「情報公開法」及び「個人情報保護法」との関連で、開示決定等に関する不服申立てを調査審議する機関として、「情報公開・個人情報保護審査会」が設置されています(情報公開・個人情報保護審査会設置法2条1号3号)。
「情報公開法」及び「個人情報保護法」との関連で、開示決定等に関する不服申立てを調査審議する機関として、「情報公開・個人情報保護審査会」が設置されています(情報公開・個人情報保護審査会設置法2条1号3号)。
オ.情報公開法にも個人情報保護法にも、偽りその他不正の手段により、開示決定に基づく情報開示を受けた者を過料に処する旨の定めが存在する。
オ・・・誤り
情報公開法には、罰則規定はありません。よって、本肢は誤りです。個人情報保護法には、偽りその他不正手段により、開示決定に基づく情報開示を受けた者は10万円以下の過料に処される旨の規定があります(個人情報保護法185条3号)。
情報公開法には、罰則規定はありません。よって、本肢は誤りです。個人情報保護法には、偽りその他不正手段により、開示決定に基づく情報開示を受けた者は10万円以下の過料に処される旨の規定があります(個人情報保護法185条3号)。
平成23年度(2011年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 新しい人権 | 問33 | 民法・債権 |
問4 | 参政権 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 精神的自由 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 国会 | 問36 | 商法 |
問7 | 法の下の平等 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 法改正により削除 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・経済 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・個人情報保護 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・個人情報保護 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:物権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |