日本の土地に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 第二次世界大戦後の宅地改革により、都市部の住宅地においては大量の小土地所有者が生み出されることとなった。しかし、農村部の農地改革は行われず、戦前以来の地主と小作人の関係が維持された。
- 土地の価値を金銭評価したものとして、路線価、公示地価、不動産鑑定評価額などがある。これに対し、固定資産評価額は、建物および償却資産の評価額であり、土地の評価額を含むものではない。
- 海などの公有水面を埋め立てることによって土地を拡げることができるが、埋め立ての事業主体となることができるのは、国、特殊法人など国が指定した法人、または地方公共団体に限られている。
- 1980年代後半からのバブル経済において地価が高騰したことを受けて、土地基本法が制定された。さらに、国土利用計画法に基づく監視区域の活用や、地価税の導入などが行われて、対策が進められた。
- 土地利用の計画的コントロールのために都市計画制度が導入されている。都市化の進行により、1990年代初めには国土の全域が都市計画区域として指定された。
【答え】:4
【解説】
1.第二次世界大戦後の宅地改革により、都市部の住宅地においては大量の小土地所有者が生み出されることとなった。しかし、農村部の農地改革は行われず、戦前以来の地主と小作人の関係が維持された。
1・・・妥当ではない
農地改革は、全国的に実施されました。よって、「農村部の農地改革は行われず」は妥当ではないです。第二次世界大戦が終わるまでは、大地主が農地を所有していて小作人に農地を貸して農業を行っていました。それを、第二次世界大戦後の農地改革により、政府が地主から農地を強制的に安値で買い上げ、実際に耕作していた小作人に売り渡されました。
結果として、多数の小作人が自作農家となりました。
農地改革は、全国的に実施されました。よって、「農村部の農地改革は行われず」は妥当ではないです。第二次世界大戦が終わるまでは、大地主が農地を所有していて小作人に農地を貸して農業を行っていました。それを、第二次世界大戦後の農地改革により、政府が地主から農地を強制的に安値で買い上げ、実際に耕作していた小作人に売り渡されました。
結果として、多数の小作人が自作農家となりました。
2.土地の価値を金銭評価したものとして、路線価、公示地価、不動産鑑定評価額などがある。これに対し、固定資産評価額は、建物および償却資産の評価額であり、土地の評価額を含むものではない。
3.海などの公有水面を埋め立てることによって土地を拡げることができるが、埋め立ての事業主体となることができるのは、国、特殊法人など国が指定した法人、または地方公共団体に限られている。
3・・・妥当ではない
公有水面埋立法では、都道府県知事の免許を受けることで、海などの公有水面を埋め立てることによって土地を拡げることができます(公有水面埋立法2条)。埋め立ての事業主体について、国、特殊法人など国が指定した法人、または地方公共団体に限られていません。
公有水面埋立法では、都道府県知事の免許を受けることで、海などの公有水面を埋め立てることによって土地を拡げることができます(公有水面埋立法2条)。埋め立ての事業主体について、国、特殊法人など国が指定した法人、または地方公共団体に限られていません。
4.1980年代後半からのバブル経済において地価が高騰したことを受けて、土地基本法が制定された。さらに、国土利用計画法に基づく監視区域の活用や、地価税の導入などが行われて、対策が進められた。
4・・・妥当
1980年代後半からのバブル経済において地価が高騰したことを受けて、「土地基本法」が制定された。さらに、投機的な取引が横行したことから、これを規制するために「国土利用計画法」が制定されました。
この、国土利用計画法において「監視区域(土地取引前に届出が必要)」が定められたり、また、別に「地価税の導入」などが行われました。
1980年代後半からのバブル経済において地価が高騰したことを受けて、「土地基本法」が制定された。さらに、投機的な取引が横行したことから、これを規制するために「国土利用計画法」が制定されました。
この、国土利用計画法において「監視区域(土地取引前に届出が必要)」が定められたり、また、別に「地価税の導入」などが行われました。
5.土地利用の計画的コントロールのために都市計画制度が導入されている。都市化の進行により、1990年代初めには国土の全域が都市計画区域として指定された。
5・・・妥当ではない
国土交通省によると、1990年代初めの都市計画区域の面積は、国土全体の約30~50%です。
2018年現在で、都市計画区域の面積は、国土全体の約30%です。
つまり、「1990年代初めには国土の全域が都市計画区域として指定された」は妥当ではないです。
国土交通省によると、1990年代初めの都市計画区域の面積は、国土全体の約30~50%です。
2018年現在で、都市計画区域の面積は、国土全体の約30%です。
つまり、「1990年代初めには国土の全域が都市計画区域として指定された」は妥当ではないです。
平成23年度(2011年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 新しい人権 | 問33 | 民法・債権 |
問4 | 参政権 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 精神的自由 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 国会 | 問36 | 商法 |
問7 | 法の下の平等 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 法改正により削除 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・経済 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・個人情報保護 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・個人情報保護 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:物権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |