監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社以外の株式会社における取締役に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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- 取締役は、当該会社の支配人その他の使用人を兼任することができる。
- 取締役会設置会社の代表取締役以外の取締役には、当該会社の代表権も業務執行権も当然には与えられていない。
- 取締役会設置会社以外の会社の取締役は、代表取締役が他に選定されても、業務執行権は当然には消滅しない。
- 業務執行権のない子会社の取締役は、親会社の株主総会決議にもとづき、親会社の社外取締役を兼任することができる。
- 取締役会決議により特別取締役に選定された取締役は、取締役会決議のうち特定事項の決定にのみ専念し、それ以外の決議事項の決定には加わらない。
【答え】:5
【解説】
1.取締役は、当該会社の支配人その他の使用人を兼任することができる。
1・・・正しい
監査等委員である取締役は、当該委員会設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができません(会社法331条3項)。また、指名委員会等設置会社の監査委員は、指名委員会等設置会社若しくはその子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は指名委員会等設置会社の子会社の会計参与若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができません(会社法400条4項)。上記2つは、委員会設置会社の監査を専門とする取締役の話です。本問は、委員会設置会社以外の株式会社なので、取締役は、当該会社の支配人その他の使用人を兼任することができます。よって、正しいです。
2.取締役会設置会社の代表取締役以外の取締役には、当該会社の代表権も業務執行権も当然には与えられていない。
2・・・正しい
取締役会設置会社については、原則、代表取締役が業務を執行します。
また、代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定された者も、業務を執行します(会社法363条1項)。したがって、代表取締役以外の取締役には、当該会社の代表権も業務執行権も当然には与えられていません。
「取締役会の決議によって選定された者」のみ業務を執行できます。
3.取締役会設置会社以外の会社の取締役は、代表取締役が他に選定されても、業務執行権は当然には消滅しない。
3・・・正しい
取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、株式会社(取締役会設置会社を除く。)の業務を執行します(会社法348条)。よって、代表取締役が他に選定されても、取締役会設置会社以外の会社の取締役は、業務執行権は当然には消滅しません。業務執行権が消滅するのは、業務執行権が消滅する旨が定款に定められていた場合です。
4.業務執行権のない子会社の取締役は、親会社の株主総会決議にもとづき、親会社の社外取締役を兼任することができる。
4・・・正しい
社外取締役とは、株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の①業務執行取締役若しくは②執行役又は③支配人その他の使用人でなく、かつ、過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいいます(会社法2条15号)。したがって、「業務執行権のない子会社の取締役」であれば、親会社の株主総会決議にもとづき、親会社の社外取締役を兼任することができます。よって正しいです。一方、
「業務執行権がある子会社の取締役」は、親会社の社外取締役にはなれません。
5.取締役会決議により特別取締役に選定された取締役は、取締役会決議のうち特定事項の決定にのみ専念し、それ以外の決議事項の決定には加わらない。
5・・・誤り
「委員会設置会社を除く取締役会設置会社」において、①取締役の数が6人以上で、かつ、②取締役のうち1人以上が社外取締役である場合、取締役会は、「重要な財産の処分及び譲受け」および「多額の借財」についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した3人以上の特別取締役をもって行うことができる旨を「取締役会」で定めることができます(会社法373条1項)。
言い換えると、「a)重要な財産の処分及び譲受け」および「b)多額の借財」についての議決権を持つ取締役が特別取締役です。つまり、特別取締役は、「特別取締役」兼「取締役」なので、a)・b)以外の決議事項の決定にも加わることができます。よって、誤りです。
平成23年度(2011年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 新しい人権 | 問33 | 民法・債権 |
問4 | 参政権 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 精神的自由 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 国会 | 問36 | 商法 |
問7 | 法の下の平等 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 法改正により削除 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・経済 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・個人情報保護 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・個人情報保護 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:物権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |