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意見公募手続(行政手続法39条、40条、41条、42条、43条、45条)

命令等を定める際の意見公募手続の流れは以下の通りです。行政書士試験対策として、流れにそって頭に入れることをお勧めします。別々に覚えると、整理しづらいからです。行政書士試験は、覚える量が多いので、整理しながら頭に入れないと合格するのが難しいです。

  1. 行政機関による命令等の案の作成と公示
  2. 意見の募集
  3. 提出意見の考慮と命令等の策定
  4. 命令等の公示

命令等の案の作成と公示

命令等の案とは、行政機関が定めようとしている命令等の内容です。この案は具体的かつ明確な内容であって、かつその命令等の題名および、命令等を定める根拠となる法令の条項が明示されたものでなければならない。

命令等の案の公示にあたっては、関連する資料も併せて公示しなければなりません(義務)。

公示の方法は、インターネットで行います(45条)。

意見の募集

意見を提出できる者

命令等制定機関は、広く一般の意見を求めなければなりません義務)。つまり、利害関係人以外も意見を提出できます

意見の提出期間

意見の提出期間は、命令等の案を公示の日から起算して30日以上で定めなければなりません。(39条3項)

ただし、やむを得ない理由があるときは例外として、30日以下の期間でも許されます。(40条1項)

30日を下回る意見提出期間にする場合は、やむを得ない理由を明らかにしなければなりません

やむを得ない理由とは、命令等の制定期間が法律で決まっていて、意見を聴いている時間がない場合です。

意見公募手続の周知・情報の提供

意見公募を行うにしても、国民がそのことを知らなければ意味がありません。

そのため、命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めるに当たっては、必要に応じ、当該意見公募手続の実施について周知するよう努めるとともに、当該意見公募手続の実施に関連する情報の提供に努めるものとする。意見公募手続の周知と情報提供は努力義務です。(41条)

提出意見の考慮と命令等の策定

命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定める場合には、意見提出期間内(原則、30日以上の期間)に当該命令等制定機関に対し提出された当該命令等の案についての意見を十分に考慮しなければならない(義務)。(42条)

命令等の公示

命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には、当該命令等の公布と同時期に、下記内容を公示しなければなりません。

  1. 命令等の題名
  2. 命令等の案の公示の日
  3. 提出意見(提出意見がなかった場合にあっては、その旨
  4. 提出意見を考慮した結果意見公募手続を実施した命令等の案と定めた命令等との差異を含む。)及びその理由

※提出意見について、整理・要約したものでもよいです(43条2項)。また、例外として、第三者の利益を害する場合は、記載事項から除くことができます(43条3項)。

命令等制定機関は、意見公募手続を実施したにもかかわらず命令等を定めないこととした場合には、その旨(別の命令等の案について改めて意見公募手続を実施しようとする場合にあっては、その旨を含む。)並びに「命令等の題名」及び「命令等の案の公示の日」を速やかに公示しなければなりません(43条4項)。

公示の方法は、インターネットで行います(45条)。

 

(意見公募手続)
行政手続法第39条 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見(情報を含む。以下同じ。)の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。
2 前項の規定により公示する命令等の案は、具体的かつ明確な内容のものであって、かつ、当該命令等の題名及び当該命令等を定める根拠となる法令の条項が明示されたものでなければならない。
3 第一項の規定により定める意見提出期間は、同項の公示の日から起算して30日以上でなければならない。
4 次の各号のいずれかに該当するときは、第一項の規定は、適用しない。
一 公益上、緊急に命令等を定める必要があるため、第一項の規定による手続(以下「意見公募手続」という。)を実施することが困難であるとき。
二 納付すべき金銭について定める法律の制定又は改正により必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法についての命令等その他当該法律の施行に関し必要な事項を定める命令等を定めようとするとき。
三 予算の定めるところにより金銭の給付決定を行うために必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法その他の事項を定める命令等を定めようとするとき。
四 法律の規定により、内閣府設置法第49条第1項若しくは第2項若しくは国家行政組織法第3条第2項に規定する委員会又は内閣府設置法第37条若しくは第54条若しくは国家行政組織法第8条に規定する機関(以下「委員会等」という。)の議を経て定めることとされている命令等であって、相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として、法律又は政令の規定により、これらの者及び公益をそれぞれ代表する委員をもって組織される委員会等において審議を行うこととされているものとして政令で定める命令等を定めようとするとき。
五 他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に同一の命令等を定めようとするとき。
六 法律の規定に基づき法令の規定の適用又は準用について必要な技術的読替えを定める命令等を定めようとするとき。
七 命令等を定める根拠となる法令の規定の削除に伴い当然必要とされる当該命令等の廃止をしようとするとき。
八 他の法令の制定又は改廃に伴い当然必要とされる規定の整理その他の意見公募手続を実施することを要しない軽微な変更として政令で定めるものを内容とする命令等を定めようとするとき。

(意見公募手続の特例)
行政手続法第40条 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合において、30日以上の意見提出期間を定めることができないやむを得ない理由があるときは、前条第三項の規定にかかわらず、30日を下回る意見提出期間を定めることができる。この場合においては、当該命令等の案の公示の際その理由を明らかにしなければならない。
2 命令等制定機関は、委員会等の議を経て命令等を定めようとする場合(前条第四項第四号に該当する場合を除く。)において、当該委員会等が意見公募手続に準じた手続を実施したときは、同条第一項の規定にかかわらず、自ら意見公募手続を実施することを要しない。

(意見公募手続の周知等)
行政手続法第41条 命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めるに当たっては、必要に応じ、当該意見公募手続の実施について周知するよう努めるとともに、当該意見公募手続の実施に関連する情報の提供に努めるものとする。

(提出意見の考慮)
行政手続法第42条 命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定める場合には、意見提出期間内に当該命令等制定機関に対し提出された当該命令等の案についての意見(以下「提出意見」という。)を十分に考慮しなければならない。

(結果の公示等)
行政手続法第43条 命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には、当該命令等の公布(公布をしないものにあっては、公にする行為。第五項において同じ。)と同時期に、次に掲げる事項を公示しなければならない。
一 命令等の題名
二 命令等の案の公示の日
三 提出意見(提出意見がなかった場合にあっては、その旨)
四 提出意見を考慮した結果(意見公募手続を実施した命令等の案と定めた命令等との差異を含む。)及びその理由
2 命令等制定機関は、前項の規定にかかわらず、必要に応じ、同項第三号の提出意見に代えて、当該提出意見を整理又は要約したものを公示することができる。この場合においては、当該公示の後遅滞なく、当該提出意見を当該命令等制定機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしなければならない。
3 命令等制定機関は、前二項の規定により提出意見を公示し又は公にすることにより第三者の利益を害するおそれがあるとき、その他正当な理由があるときは、当該提出意見の全部又は一部を除くことができる。
4 命令等制定機関は、意見公募手続を実施したにもかかわらず命令等を定めないこととした場合には、その旨(別の命令等の案について改めて意見公募手続を実施しようとする場合にあっては、その旨を含む。)並びに第一項第一号及び第二号に掲げる事項を速やかに公示しなければならない。
5 命令等制定機関は、第39条第4項各号のいずれかに該当することにより意見公募手続を実施しないで命令等を定めた場合には、当該命令等の公布と同時期に、次に掲げる事項を公示しなければならない。ただし、第一号に掲げる事項のうち命令等の趣旨については、同項第一号から第四号までのいずれかに該当することにより意見公募手続を実施しなかった場合において、当該命令等自体から明らかでないときに限る。
一 命令等の題名及び趣旨
二 意見公募手続を実施しなかった旨及びその理由

(公示の方法)
第45条 第39条第1項並びに第43条第1項(前条において読み替えて準用する場合を含む。)、第4項(前条において準用する場合を含む。)及び第5項の規定による公示は、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により行うものとする。
2 前項の公示に関し必要な事項は、総務大臣が定める。

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