行政不服審査法の定める審査請求人に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 法人でない社団であっても、代表者の定めがあるものは、当該社団の名で審査請求をすることができる。
- 審査請求人は、国の機関が行う処分について処分庁に上級行政庁が存在しない場合、特別の定めがない限り、行政不服審査会に審査請求をすることができる。
- 審査請求人は、処分庁が提出した反論書に記載された事項について、弁明書を提出することができる。
- 審査請求人の代理人は、特別の委任がなくても、審査請求人に代わって審査請求の取下げをすることができる。
- 共同審査請求人の総代は、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを含め、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。
【解説】
1.法人でない社団であっても、代表者の定めがあるものは、当該社団の名で審査請求をすることができる。
1・・・正しい
法人でない社団で代表者の定めがあるものは、当該社団の名で審査請求をすることができます(行政不服審査法10条)。
例えば、町内会や、マンション管理組合は、代表者が定まっていれば、社団の名前(〇〇町内会、××管理組合)で、審査請求ができます。
法人でない社団で代表者の定めがあるものは、当該社団の名で審査請求をすることができます(行政不服審査法10条)。
例えば、町内会や、マンション管理組合は、代表者が定まっていれば、社団の名前(〇〇町内会、××管理組合)で、審査請求ができます。
2.審査請求人は、国の機関が行う処分について処分庁に上級行政庁が存在しない場合、特別の定めがない限り、行政不服審査会に審査請求をすることができる。
2・・・誤り
処分庁に上級行政庁がない場合の審査請求は、当該「処分庁」に対して行うことになります(行政不服審査法4条1号)。
本肢は「行政不服審査会」が誤りです。
正しくは「当該処分庁」です。上級行政庁とは、処分庁を指揮監督する権限を有する行政庁を指します。
例えば、「税務署長」の上級行政庁は「国税局長」です。
処分庁に上級行政庁がない場合の審査請求は、当該「処分庁」に対して行うことになります(行政不服審査法4条1号)。
本肢は「行政不服審査会」が誤りです。
正しくは「当該処分庁」です。上級行政庁とは、処分庁を指揮監督する権限を有する行政庁を指します。
例えば、「税務署長」の上級行政庁は「国税局長」です。
3.審査請求人は、処分庁が提出した反論書に記載された事項について、弁明書を提出することができる。
3・・・誤り
処分庁が審理員に提出するのが弁明書です(行政不服審査法29条2項)
一方、
審査請求人が提出することができるのが反論書です(行政不服審査法第30条1項)。
処分庁の弁明に対して、審査請求人が反論するという流れです。
正しくは、審査請求人は、処分庁が提出した弁明書に記載された事項について、反論書を提出することができる。
処分庁が審理員に提出するのが弁明書です(行政不服審査法29条2項)
一方、
審査請求人が提出することができるのが反論書です(行政不服審査法第30条1項)。
処分庁の弁明に対して、審査請求人が反論するという流れです。
正しくは、審査請求人は、処分庁が提出した弁明書に記載された事項について、反論書を提出することができる。
4.審査請求人の代理人は、特別の委任がなくても、審査請求人に代わって審査請求の取下げをすることができる。
4・・・誤り
審査請求人の代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができます。ただし、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができます(行政不服審査法12条2項)。
本肢は、「特別の委任がなくても、審査請求人に代わって審査請求の取下げをすることができる」というのは誤りです。
審査請求人の代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができます。ただし、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができます(行政不服審査法12条2項)。
本肢は、「特別の委任がなくても、審査請求人に代わって審査請求の取下げをすることができる」というのは誤りです。
本肢は、対比して勉強していただき部分なので、個別指導で対比部分を解説いたします!
5.共同審査請求人の総代は、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを含め、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。
5・・・誤り
総代は、各自、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを除き、当該審査請求に関する一切の行為をすることができます(行政不服審査法11条3項)。
本肢は、「審査請求の取下げを含め」が誤りです。
「審査請求の取下げを含めず」であれば、正しいです。
総代は、各自、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを除き、当該審査請求に関する一切の行為をすることができます(行政不服審査法11条3項)。
本肢は、「審査請求の取下げを含め」が誤りです。
「審査請求の取下げを含めず」であれば、正しいです。
平成29年度(2017年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:物権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 人権 | 問33 | 民法:債権 |
問4 | 経済的自由 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 内閣 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 財政 | 問36 | 商法 |
問7 | 憲法の概念 | 問37 | 会社法 |
問8 | 取消しと撤回 | 問38 | 会社法 |
問9 | 無効な行政行為 | 問39 | 会社法 |
問10 | 執行罰 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政不服審査法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・社会 |
問19 | 行政事件訴訟法 | 問49 | 基礎知識・政治 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 国家賠償法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識・情報通信 |
問25 | 行政法の判例 | 問55 | 基礎知識・その他 |
問26 | 行政不服審査法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・個人情報保護 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:総則 | 問60 | 著作権の関係上省略 |