行政事件訴訟法に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア 処分の差止めの訴えの審理中に当該処分がなされた場合、差止めの訴えは、当該処分の取消しの訴えとみなされる。
イ 取消判決は、その事件について、処分庁その他の関係行政庁を拘束すると定められているが、同規定は、公法上の当事者訴訟に準用されている。
ウ 不作為の違法確認の訴えは、処分又は裁決についての申請をした者に限り、提起することができ、それ以外の第三者が提起することは許されない。
エ 裁判所は、必要であると認めるときは、職権で、処分をした行政庁以外の行政庁を訴訟に参加させることができるが、その行政庁から申し立てることはできない。
オ 行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分をする場合には、相手方に対し、取消訴訟の被告とすべき者等を教示しなければならないが、審査請求に対する裁決をする場合には、それに対する取消訴訟に関する教示の必要はない。
- ア・イ
- ア・オ
- イ・ウ
- ウ・エ
- エ・オ
【解説】
ア 処分の差止めの訴えの審理中に当該処分がなされた場合、差止めの訴えは、当該処分の取消しの訴えとみなされる。
ア・・・誤り
本肢のような規定は、行政事件訴訟法にはありませんので誤りです。
本肢のような規定は、行政事件訴訟法にはありませんので誤りです。
イ 取消判決は、その事件について、処分庁その他の関係行政庁を拘束すると定められているが、同規定は、公法上の当事者訴訟に準用されている。
イ・・・正しい
処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束します(行政事件訴訟法33条1項)。
この規定(拘束力)は当事者訴訟にも準用されています(行政事件訴訟法40条1項)。
処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束します(行政事件訴訟法33条1項)。
この規定(拘束力)は当事者訴訟にも準用されています(行政事件訴訟法40条1項)。
よって、正しいです。
ウ 不作為の違法確認の訴えは、処分又は裁決についての申請をした者に限り、提起することができ、それ以外の第三者が提起することは許されない。
エ 裁判所は、必要であると認めるときは、職権で、処分をした行政庁以外の行政庁を訴訟に参加させることができるが、その行政庁から申し立てることはできない。
エ・・・誤り
裁判所は、「処分又は裁決をした行政庁以外の行政庁」を訴訟に参加させることが必要であると認めるときは、当事者若しくはその行政庁の「申立て」により又は「職権」で、決定をもって、その行政庁を訴訟に参加させることができます(行政事件訴訟法23条)。
よって、「行政庁から申し立てることはできない。」が誤りです。
行政庁からの申立てによっても「他の行政庁の訴訟参加」はできます。
裁判所は、「処分又は裁決をした行政庁以外の行政庁」を訴訟に参加させることが必要であると認めるときは、当事者若しくはその行政庁の「申立て」により又は「職権」で、決定をもって、その行政庁を訴訟に参加させることができます(行政事件訴訟法23条)。
よって、「行政庁から申し立てることはできない。」が誤りです。
行政庁からの申立てによっても「他の行政庁の訴訟参加」はできます。
オ 行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分をする場合には、相手方に対し、取消訴訟の被告とすべき者等を教示しなければならないが、審査請求に対する裁決をする場合には、それに対する取消訴訟に関する教示の必要はない。
オ・・・誤り
行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分又は裁決をする場合には、原則として、当該処分又は裁決の相手方に対し、一定事項を書面で教示しなければなりません(行政事件訴訟法46条)。
「審査請求に対する裁決」についても、その後、取消訴訟の提起は可能なので、上記教示は必要です。
よって、本肢は誤りです。
行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分又は裁決をする場合には、原則として、当該処分又は裁決の相手方に対し、一定事項を書面で教示しなければなりません(行政事件訴訟法46条)。
「審査請求に対する裁決」についても、その後、取消訴訟の提起は可能なので、上記教示は必要です。
よって、本肢は誤りです。
平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
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問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 外国人の人権 | 問33 | 民法:債権 |
問4 | 基本的人権 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 憲法9条 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 司法の限界 | 問36 | 商法 |
問7 | 財政 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政立法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・個人情報保護 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:物権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |