行政手続法

行政手続法14条:不利益処分の理由の提示

行政庁が不利益処分をする場合、原則、その名あて人に対し、同時に不利益処分を行う理由を示さなければなりません
ただし、例外として、処分をすべき差し迫った必要がある場合は、「処分と同時に」理由を示すことは不要です。

もっとも、上記処分をすべき差し迫った必要がある場合でも、原則、処分後相当の期間内に、不利益処分の理由を示さなければなりません
名あて人の所在が判明しなくなったときは、理由を示すことができないので、理由を示す必要はありません

そして、不利益処分を書面で行う場合、理由の提示も書面で行わないといけません。

原則 その名あて人に対し、同時に不利益処分を行う理由を示さなければなりません
例外 処分をすべき差し迫った必要がある場合は、「処分と同時に」理由を示すことは不要
もっとも、処分後相当の期間内に、不利益処分の理由を示さなければならないが
名あて人の所在が判明しなくなったときは、理由を示すことができないので、理由を示す必要はない

行政書士試験におけるポイント

13条の意見陳述の手続き」は、不利益処分前の手続きで
公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、意見陳述のための手続を執ることができないとき、意見陳述(聴聞・弁明の機会)の手続きが不要です。
「14条の不利益処分の理由提示」とは異なり、あとで意見陳述の手続きを取る必要はありません

14条の不利益処分の理由提示」は、上記例外の通り、原則、あとで、不利益処分の理由を示さなければなりません

(不利益処分の理由の提示)
第14条 行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
2 行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名あて人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。
3 不利益処分を書面でするときは、前二項の理由は、書面により示さなければならない。

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行政手続法13条:不利益処分をしようとする場合の手続(意見陳述=聴聞・弁明の機会の付与)

行政庁が不利益処分を行おうとする場合、その不利益処分の名あて人となるべき者について、意見陳述のための手続き(聴聞または弁明の機会の付与)を執らなければなりません。

聴聞と弁明の機会付与の違い

処分内容 審理方法
聴聞 許認可等の取消し
名あて人の資格又は地位のはく奪
役員の解任命令・除名命令等
口頭審理
弁明の機会の付与 上記、聴聞に該当しない不利益処分 書面審理

聴聞が必要な不利益処分

上表の通り、聴聞が必要な不利益処分は下記の3つです。3つ以外にもありますが、行政書士試験では、3つ覚えておけばよいでしょう!

許認可等の取消し

例えば、「宅建業の免許取消処分」「運転免許取消処分」「営業許可取消処分」です。

ちなみに、上記取消し処分はすべて、行政法学上の「撤回」に当たるので、併せて確認しておきましょう!

名あて人の資格又は地位のはく奪

例えば、「帰化をしないで取得した国籍」をはく奪する不利益処分です。日本人父と外国人母との婚姻前に生まれた子は、出生後に,父から認知された場合、一定要件を満たしている場合には,法務大臣に届け出ることによって,日本国籍を取得することができます。この取得した国籍をはく奪する場合、聴聞が必要となります。

役員の解任命令・除名命令

例えば、株式会社A社に対して、「役員Bを解任しなさい!」と命ずる処分をする場合、聴聞が必要となります。

意見陳述の手続きが不要な場合

上記の通り、聴聞や弁明の機会の付与が必要な場合であっても、公益上、緊急に不利益処分をする必要がある場合は、例外的に、意見陳述(聴聞や弁明の機会の付与)の手続きを執らずに、不利益処分をすることができます。

(不利益処分をしようとする場合の手続)
行政手続法第13条 行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。
一 次のいずれかに該当するとき 聴聞
イ 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。
ロ イに規定するもののほか、名あて人の資格又は地位を直接にはく奪する不利益処分をしようとするとき。
ハ 名あて人が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる不利益処分、名あて人の業務に従事する者の解任を命ずる不利益処分又は名あて人の会員である者の除名を命ずる不利益処分をしようとするとき。
ニ イからハまでに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認めるとき。
二 前号イからニまでのいずれにも該当しないとき 弁明の機会の付与

2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の規定は、適用しない。
一 公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき。
二 法令上必要とされる資格がなかったこと又は失われるに至ったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資格の不存在又は喪失の事実が裁判所の判決書又は決定書、一定の職に就いたことを証する当該任命権者の書類その他の客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき。
三 施設若しくは設備の設置、維持若しくは管理又は物の製造、販売その他の取扱いについて遵守すべき事項が法令において技術的な基準をもって明確にされている場合において、専ら当該基準が充足されていないことを理由として当該基準に従うべきことを命ずる不利益処分であってその不充足の事実が計測、実験その他客観的な認定方法によって確認されたものをしようとするとき。
四 納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、又は金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき。
五 当該不利益処分の性質上、それによって課される義務の内容が著しく軽微なものであるため名あて人となるべき者の意見をあらかじめ聴くことを要しないものとして政令で定める処分をしようとするとき。

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行政手続法12条:処分の基準

このページでは、「不利益処分の処分基準」について解説します。

まず、押さえていただきたいのは「不利益処分の定義」です。

>>不利益処分の条文はこちら

不利益処分の処分基準

不利益処分の処分基準は下記のように規定されています。

(処分の基準)
行政手続法第12条 行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。
2 行政庁は、処分基準を定めるに当たっては、不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

そして、行政庁が、不利益処分を行う際の基準が「処分基準」です。前に学習した申請に対して許可するのか不許可にするかの基準である「審査基準」と異なるので注意しましょう!

また、行政庁が「処分基準を定めること」および「公にしておくこと」は、努力義務です。つまり、「処分基準を定めなければならない」は誤りですし、「処分基準を公にしておかなければならない」という記述も誤りです。

この点は行政書士試験でも出題されやすいので注意しましょう!

また、処分基準については、できる限り具体的なものとしなければなりません(義務)

この点は「審査基準」も同じです。審査基準についても、できる限り具体的なものとしなければなりません(義務)

行政手続法第2条4号:不利益処分
行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。
イ 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続としての処分
ロ 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分
ハ 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分
ニ 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの

<<行政手続法11条:複数の行政庁が関与する処分 | 行政手続法13条:不利益処分をしようとする場合の手続>>

行政手続法11条:複数の行政庁が関与する処分

例えば、申請者Aが、X市とY市に関連する申請を行った。X市とY市は互いに、他の行政庁の判断を見て、処分をしようと思い、どちらの処分も遅延することがあると、申請者Aとしては困ります。そのため、他の関連申請が審査中であることを理由に、許認可等を遅延させることをしてはならないとしています。

また、関連する複数の行政庁は、お互いが協力しながら申請に対する審査するよう努力義務としています。

(複数の行政庁が関与する処分)
行政手続法第11条 行政庁は、申請の処理をするに当たり、他の行政庁において同一の申請者からされた関連する申請が審査中であることをもって自らすべき許認可等をするかどうかについての審査又は判断を殊更に遅延させるようなことをしてはならない。
2 一の申請又は同一の申請者からされた相互に関連する複数の申請に対する処分について複数の行政庁が関与する場合においては、当該複数の行政庁は、必要に応じ、相互に連絡をとり、当該申請者からの説明の聴取を共同して行う等により審査の促進に努めるものとする。

<<行政手続法10条:公聴会の開催等 | 行政手続法12条:処分の基準>>

行政手続法9条:情報の提供

国民が、申請を行ったらいつ頃までに処分されるのかを知りたいですよね?

そのため、申請者が「いつまでに処分が下されますか?」と聞くと、行政庁は、「審査がどれくらい進んでいるのか」および「いつごろ処分が下されるのか」を示すよう努力しなければなりません。つまり絶対に示さなければならないわけではないので注意しましょう!=義務ではない。

行政手続法(情報の提供)
第9条 行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。
2 行政庁は、申請をしようとする者又は申請者の求めに応じ、申請書の記載及び添付書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない。

<<行政手続法8条:理由の提示 | 行政手続法10条:公聴会の開催等>>

行政手続法8条:理由の提示

行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合原則として、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければなりません
つまり、なぜ、申請が拒否されるのかを申請者に理由を伝える必要があります

ただし、例外として、「許認可の要件や審査基準」が明確で、かつ、申請が、この要件や審査基準に適合しないことが明らかな場合、申請者の求めがあったときにこれを示せば足ります。
言いかえると、適合しないことが明らかなときは、求めがない場合は理由を示さなくてよいです。

そして、拒否する処分を書面で行う場合理由の提示も書面で行わなければなりません。

(理由の提示)
第8条 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。
2 前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。

<<行政手続法7条:申請に対する審査、応答 | 行政手続法9条:情報の提供>>

 

行政手続法6条:標準処理期間

ここで解説する標準処理期間とは、行政庁が申請を受けて(申請が事務所に到達して)から、許可・不許可の処分を下すまでの期間のことです。

そして、行政手続法では、次の内容がポイントとして行政書士試験で問われます。

申請に対する処分を下すまでの標準処理期間のポイント

  • 申請に対する処分の標準処理期間の起算点は「申請が事務所に到達してから」である
  • 申請に対する処分の標準処理期間は、必ずしも定める必要はない(任意)
    ただし、定めた場合は、必ず、公にしなければならない
  • 法令により当該行政庁と異なる機関Aが当該申請の提出先とされている場合は、併せて、当該申請が当該提出先とされている機関Aの事務所に到達してから当該行政庁の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間も定めるよう努める(任意)。

行政手続法(標準処理期間)
第6条 行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(法令により当該行政庁と異なる機関が当該申請の提出先とされている場合は、併せて、当該申請が当該提出先とされている機関の事務所に到達してから当該行政庁の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間)を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない

<<行政手続法5条:審査基準 | 行政手続法7条:申請に対する審査、応答>>

行政手続法5条:審査基準

例えば、あなたが、宅地建物取引業の免許を受けるために、東京都知事に申請をすると、東京都知事(行政庁)は、東京都知事が定めた審査基準にしたがって、許可か不許可かを審査します。そして、行政手続法5条では、この申請された際の「審査基準」についての内容が規定されています。

審査基準のポイント

  • まず、審査基準は行政庁が定めます。これは義務です。
  • 審査基準は、できる限り具体的なものとしなければなりません。
  • 行政庁は、原則として、「申請の提出先とされている機関の事務所」に、審査基準を公にしておかなければなりません(義務)
    ただし、例外として、行政上特別の支障がある場合は、公にしなくてもよいです。

「公にする」とは、公開しておくという意味です。

審査基準は公にする必要があるのか?

原則 公にしなければならない
例外 行政上特別の支障がある場合は、公にしなくてもよい

行政手続法(審査基準)
第5条 行政庁は、審査基準を定めるものとする
2 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
3 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない

<<行政手続法4条:国の機関等に対する処分等の適用除外 | 行政手続法6条:標準処理期間>>

行政手続法4条:国の機関等に対する処分等の適用除外

処分行政指導及び届出といった行政手続きは、行政機関と国民の間だけでなく、行政機関と行政機関の間でも行われます。

下記の場合は、行政手続法が適用されません。

行政機関間で行政手続法が適用除外となる場合

行政指導 行政手続法は一切適用されない
処分 行政機関または行政主体がその「固有の資格」で処分の名あて人になるものは、行政手続法が適用されない
届出 行政機関または行政主体がその「固有の資格」で届出すべきものは、行政手続法が適用されない

固有の資格とは?

「固有の資格」とは、「行政機関の立場で」「行政主体として」といった意味です。言い換えると、「一般私人(国民)が立てないような立場」を言います。

例えば、市町村の合併や分離の届出は、市町村(行政主体)の立場で行っており、一般私人が立てない立場で届出をするので、「固有の資格」と言えます。よって、行政手続法の適用はありません。

一方、市バスの事業免許は、地方公共団体が、私人と同様の立場で処分を受けるので、「固有の資格」ではありません。よって、行政手続法の適用対象となります。市バスの事業免許は、私人でも立てる立場です。

国の機関等に対する処分等の適用除外
第4条 国の機関又は地方公共団体若しくはその機関に対する処分(これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるものに限る。)及び行政指導並びにこれらの機関又は団体がする届出(これらの機関又は団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに限る。)については、この法律の規定は、適用しない。

<<行政手続法3条:適用除外 | 行政手続法5条:審査基準>>

行政手続法3条:適用除外

行政手続法の適用除外については、行政書士試験では、覚えておかないといけない部分です。行政不服審査法の適用除外と混乱しやすい部分なので、対比しながら覚えていくとよいでしょう!

行政手続法が適用されないのは、下記の通りです。

  1. 国会若しくは地方議会の議決によってされる処分
  2. 裁判により、又は裁判の執行としてされる処分
  3. 国会若しくは地方議会の議決又は同意等を経てされる処分
  4. 検査官会議で決すべきものとされている処分及び会計検査の際にされる行政指導
  5. 刑事事件に関する検察官等がする処分及び行政指導
  6. 国税又は地方税の犯則事件に関する処分及び行政指導
    金融商品取引の犯則事件に関する処分及び行政指導
  7. 学校講習所訓練所又は研修所で、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分及び行政指導
  8. 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分及び行政指導
  9. 公務員に対する処分及び行政指導
    (例えば、懲戒処分(懲罰)・・・免職・停職・減給・戒告
    分限処分・・・降任・免職・休職・降級)
  10. 外国人の出入国難民の認定又は帰化に関する処分及び行政指導
  11. 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分(例えば、行政書士試験の結果等)
  12. 相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として法令の規定に基づいてされる裁定その他の処分及び行政指導
  13. 公衆衛生、環境保全、防疫、保安のために、警察官若しくは海上保安官等によってされる処分及び行政指導
  14. 報告又は物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行上必要な情報の収集を直接の目的としてされる処分及び行政指導行政調査も含む
  15. 審査請求再調査の請求その他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の処分
  16. 行政手続法の聴聞若しくは弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において法令に基づいてされる処分及び行政指導

行政手続法と行政不服審査法の適用除外の違い

行政手続法のみ適用除外の内容 9.公務員の懲戒処分
10.難民認定
12.利害の反する者の利害調整を目的とした処分
13.公衆衛生・環境保全・防疫・保安のための処分
14.報告または物件提出等の情報収集を目的とした処分
15.不服申立て(審査請求・再調査請求)による裁決・決定
16.聴聞・弁明の機会付与手続き(意見陳述の手続き)において法令に基づいてされる処分
不服審査法のみ適用除外の内容 当事者の法律関係を確認し、又は形成する処分で、その処分に関する訴えにおいて当事者の一方が被告となるもの

行政手続法における地方公共団体の適用除外

地方公共団体について、行政手続法が適用されないものは下記内容です。

  1. 地方公共団体の機関がする処分で、その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る
  2. 行政指導
  3. 地方公共団体の機関に対する届出で、その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る
  4. 地方公共団体の機関が命令等を定める行為

1と3について、地方公共団体の機関がする処分および届出について、その根拠となる規定が法律に置かれているものは、行政手続法が適用されます。

(適用除外)
第3条 次に掲げる処分及び行政指導については、次章から第4章の2までの規定は、適用しない。
一 国会の両院若しくは一院又は議会の議決によってされる処分
二 裁判所若しくは裁判官の裁判により、又は裁判の執行としてされる処分
三 国会の両院若しくは一院若しくは議会の議決を経て、又はこれらの同意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分
四 検査官会議で決すべきものとされている処分及び会計検査の際にされる行政指導
五 刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官又は司法警察職員がする処分及び行政指導
六 国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、国税庁、国税局若しくは税務署の当該職員、税関長、税関職員又は徴税吏員(他の法令の規定に基づいてこれらの職員の職務を行う者を含む。)がする処分及び行政指導並びに金融商品取引の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて証券取引等監視委員会、その職員(当該法令においてその職員とみなされる者を含む。)、財務局長又は財務支局長がする処分及び行政指導
七 学校、講習所、訓練所又は研修所において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童若しくは幼児若しくはこれらの保護者、講習生、訓練生又は研修生に対してされる処分及び行政指導
八 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、海上保安留置施設、少年院、少年鑑別所又は婦人補導院において、収容の目的を達成するためにされる処分及び行政指導
九 公務員(国家公務員法第二条第一項に規定する国家公務員及び地方公務員法第三条第一項に規定する地方公務員をいう。以下同じ。)又は公務員であった者に対してその職務又は身分に関してされる処分及び行政指導
十 外国人の出入国、難民の認定又は帰化に関する処分及び行政指導
十一 専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分
十二 相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として法令の規定に基づいてされる裁定その他の処分(その双方を名宛人とするものに限る。)及び行政指導
十三 公衆衛生、環境保全、防疫、保安その他の公益に関わる事象が発生し又は発生する可能性のある現場において警察官若しくは海上保安官又はこれらの公益を確保するために行使すべき権限を法律上直接に与えられたその他の職員によってされる処分及び行政指導
十四 報告又は物件の提出を命ずる処分その他その職務の遂行上必要な情報の収集を直接の目的としてされる処分及び行政指導
十五 審査請求、再調査の請求その他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の処分
十六 前号に規定する処分の手続又は第三章に規定する聴聞若しくは弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において法令に基づいてされる処分及び行政指導
2 次に掲げる命令等を定める行為については、第六章の規定は、適用しない。
一 法律の施行期日について定める政令
二 恩赦に関する命令
三 命令又は規則を定める行為が処分に該当する場合における当該命令又は規則
四 法律の規定に基づき施設、区間、地域その他これらに類するものを指定する命令又は規則
五 公務員の給与、勤務時間その他の勤務条件について定める命令等
六 審査基準、処分基準又は行政指導指針であって、法令の規定により若しくは慣行として、又は命令等を定める機関の判断により公にされるもの以外のもの
3 第一項各号及び前項各号に掲げるもののほか、地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)及び行政指導、地方公共団体の機関に対する届出(前条第七号の通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)並びに地方公共団体の機関が命令等を定める行為については、次章から第6章までの規定は、適用しない。

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