戸籍に関する事務は、この法律に別段の定めがあるものを除き、市町村長が管掌します(戸籍法2条)。つまり、戸籍関係の事務は、原則、市町村長の管轄の仕事で、監督します。そして、法務大臣は、市町村長が戸籍事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができます(3条)。
そして、戸籍法に基づく届出は、「本人の本籍地」又は「届出人の所在地」で行わなければなりません(戸籍法25条1項)。ただし、届出によっては、上記以外の場所で届け出をすることができる場合もあるので、その点も解説していきます。ちなみに、届出先については、市区町村の役所です。
出生
出生の届出は、14日以内(国外で出生があったときは、3か月以内)にこれをしなければなりません(49条)。
出生届出書の記載事項
- 子の「男女の別」及び「嫡出子又は嫡出でない子の別」
- 出生の「年月日時分」及び「場所」
- 父母の氏名及び本籍、父又は母が外国人であるときは、その氏名及び国籍
- 世帯主の氏名及び世帯主との続柄
- 「父母の出生の年月日」及び「子の出生当時の父母の年齢」
- 「子の出生当時の世帯の主な仕事」及び「国勢調査実施年の4月1日から翌年3月31日までに発生した出生については、父母の職業」
- 父母が同居を始めた年月
子の名前
子の名には、常用平易な文字を用いなければなりません(50条1項)。常用平易な文字の範囲は、「常用漢字表に掲げる漢字」や「片仮名」又は「平仮名(変体仮名を除く。)」も使用できます(50条2項)。
出生の届出先
出生の届出は、子の出生地、届出人(父又は母)の所在地又は本籍地で行います(51条1項、25条1項)。もし、汽車その他の交通機関の中で出生があったときは、母がその交通機関から降りた地で、出生の届出をすることができます(51条2項)。
出生の届出義務者
嫡出子出生の届出は、父又は母が行い、子の出生前に父母が離婚をした場合には、母がこれをしなければなりません(52条1項)。一方、嫡出でない子(婚姻外の子)の出生の届出は、母がしなければなりません(52条2項)。上記届出は、法定代理人によって行うこともできます(52条4項)。もし、上記届出をすべき者が届出をすることができない場合には、下記の者が次の順序に従って、届出をしなければなりません(52条3項)。
- 同居者
- 出産に立ち会つた医師、助産師又はその他の者
また、「嫡出子否認の訴え」を提起したときであって、出生の届出をしなければなりません(53条)。
船舶で出生した場合
航海日誌を備えない船舶(小型船舶)の中で出生があったときはその船舶が最初に入港した地で、出生の届出をすることができます(51条2項)。一方、航海日誌を備える義務がある船舶(大型船舶)において、航海中に出生があったときは、船長は、24時間以内に、航海日誌に記載して、署名しなければなりません(55条1項)。その後、船舶が日本の港に到着したときは、船長は、遅滞なく出生に関する航海日誌の謄本をその地の市町村長に送付しなければなりません(55条2項)。また、船舶が外国の港に到着したときは、船長は、遅滞なく出生に関する航海日誌の謄本をその国に駐在する日本の大使、公使又は領事に送付し、大使、公使又は領事は、遅滞なく外務大臣を経由してこれを本籍地の市町村長に送付しなければなりません(55条3項)。
病院、刑事施設で出生した場合
病院、刑事施設その他の公設所で出生があった場合に、父母が共に届出をすることができないときは、公設所の長又は管理人が、届出をしなければなりません(56条)。分かりやすく言うと、父母が刑務所に入っていて、母が刑務所内で出産した場合、自らが出生の届出を出しに行くことができません。この場合、刑務所長が届出をしなければなりません。
認知
認知とは、法律上の婚姻関係によらず生まれた子を、その父が自分の子だと認める行為を言います。父が認知することで法律上の父子関係が成立します。
認知をしようとする者は、下記事項を届書に記載して、その旨を届け出なければなりません(60条1項)。
- 父が認知をする場合には、母の氏名及び本籍
- 死亡した子を認知する場合には、死亡の年月日並びにその直系卑属の氏名、出生の年月日及び本籍
そして、胎内に在る子を認知する場合には、届書に「その旨、母の氏名及び本籍」を記載し、「母の本籍地」で認知の届出をしなければなりません(61条)。
婚姻中の父母が認知した子は、その認知の時から、嫡出子の身分を取得します(民法789条2項)。また、父母が嫡出子出生の届出をしたときは、その届出は、認知の届出の効力を有します(戸籍法62条)。
裁判による認知
認知の裁判が確定したときは、訴えを提起した者は、裁判が確定した日から10日以内に、裁判の謄本を添附して、その旨を届け出なければなりません。その届書には、裁判が確定した日を記載しなければなりません(戸籍法63条)。もし、認知の裁判を提起した者が、裁判確定後、認知の届出をしないときは、その相手方が、裁判の謄本を添付して、認知の裁判が確定した旨を届け出ることができます(63条2項)。
遺言による認知
遺言による認知の場合には、遺言執行者は、その就職の日から10日以内に、認知に関する遺言の謄本を添附して、認知の届出をしなければなりません(64条)。「就職の日」とは、遺言執行者になった日です。
認知された胎児が死体で生まれた場合
認知された胎児が死体で生まれたときは、出生届出義務者(父または母)は、その事実を知った日から14日以内に、認知の届出地で、その旨を届け出なければなりません。但し、父がすでに死亡しており、遺言による認知をしていた場合、遺言執行者が遺言による認知の届出をした場合には、遺言執行者が、その届出をしなければなりません(65条)。
婚姻
婚姻をしようとする者は、下記事項を届書に記載して、その旨を届け出なければなりません(74条)。
- 夫婦が称する氏
- 当事者が外国人であるときは、その国籍
- 当事者の父母の氏名及び父母との続柄並びに当事者が特別養子以外の養子であるときは、養親の氏名
- 当事者の初婚又は再婚の別並びに初婚でないときは、直前の婚姻について死別又は離別の別及びその年月日
- 同居を始めた年月
- 「同居を始める前の当事者の世帯の主な仕事」及び「国勢調査実施年の4月1日から翌年3月31日までの届出については、当事者の職業」
- 当事者の世帯主の氏名
婚姻取消の裁判が確定したときは、訴えを提起した者は、裁判が確定した日から10日以内に、裁判の謄本を添附して、その旨を届け出なければなりません。その届書には、裁判が確定した日を記載しなければなりません(75条、63条1項)。もし、婚姻取消の裁判を提起した者が、裁判確定後、婚姻取消の届出をしないときは、その相手方が、裁判の謄本を添付して、婚姻取消の裁判が確定した旨を届け出ることができます(75条、63条2項)。
婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、婚姻取消によって婚姻前の氏(苗字)に復します(戻ります)(民法749条、767条1項)。なお、上記規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、婚姻取消の日から3か月以内であれば、届け出ることによって、婚姻取消の際(婚姻中)に称していた氏を称することができます(民法749条、767条2項)。そして、婚姻取消の際に称していた氏を称しようとする者は、「婚姻取消の年月日」を届書に記載して、その旨を届け出なければなりません(75条の2、77条の2)。
離婚
離婚をしようとする者は、下記事項を届書に記載して、その旨を届け出なければなりません(76条)。
- 親権者と定められる当事者の氏名及びその親権に服する子の氏名
- 協議上の離婚である旨
- 当事者が外国人であるときは、その国籍
- 当事者の父母の氏名及び父母との続柄並びに当事者が特別養子以外の養子であるときは、養親の氏名
- 同居を始めた年月
- 別居した年月
- 別居する前の住所
- 「別居する前の世帯の主な仕事」及び「国勢調査実施年の4月1日から翌年3月31日までの届出については、当事者の職業」
- 当事者の世帯主の氏名
離婚又は離婚取消の裁判が確定したときは、訴えを提起した者は、裁判が確定した日から10日以内に、裁判の謄本を添附して、その旨を届け出なければなりません。その届書には、裁判が確定した日を記載しなければなりません(77条1項、63条1項)。もし、離婚又は離婚取消の裁判を提起した者が、裁判確定後、離婚又は離婚取消の届出をしないときは、その相手方が、裁判の謄本を添付して、離婚又は離婚取消の裁判が確定した旨を届け出ることができます(77条1項、63条2項)。
離婚裁判により離婚した場合の届書の記載事項(77条2項)
- 上記76条の記載事項
- 「親権者と定められた当事者の氏名」及び「その親権に服する子の氏名」
- 調停による離婚、審判による離婚、和解による離婚、請求の認諾による離婚又は判決による離婚の別
婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏(苗字)に復します(戻ります)(民法767条1項)。なお、上記規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から3か月以内であれば、届け出ることによって、離婚の際(婚姻中)に称していた氏を称することができます(民法767条2項)。そして、離婚の際に称していた氏を称しようとする者は、「離婚の年月日」を届書に記載して、その旨を届け出なければなりません(77条の2)。
離婚又は認知の場合の親権者
子の出生前に父母が離婚した場合において、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができます(819条3項ただし書)。
父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が親権者となります(819条4項)。
そして、上記規定によって協議で親権者を定めようとする者は、父が親権者である旨を届け出なければなりません(78条)。
未成年者の後見
未成年者の後見開始の届出は、未成年後見人が、その就職の日から10日以内にしなければなりません(81条)。「就職に日」とは、未成年後見人となった日です。未成年後見人とは、例えば、弁護士などがなります。
未成年者の後見開始の届書の記載事項
- 後見開始の原因及び年月日
- 未成年後見人が就職した年月日
未成年後見人が死亡・欠格事由に該当した場合
「未成年後見人が死亡し」、又は「後見人の欠格事由に該当」することとなったことにより未成年後見人の地位を失ったことによって未成年後見人が欠けたときは、後任者は、就職の日から10日以内に、未成年後見人が地位を失った旨の届出をしなければなりません(82条1項)。また、未成年者、その親族又は未成年後見監督人も上記届出をすることができます(82条3項)。そして、上記届書には、未成年後見人がその地位を失った「原因」及び「年月日」を記載しなければなりません(82条4項)。
複数人いた未成年後見人の一部の者が死亡・欠格事由に該当した場合
数人の未成年後見人の一部の者が「死亡し」、又は「後見人の欠格事由に該当」することとなったことにより未成年後見人の地位を失ったときは、他の未成年後見人は、その事実を知った日から10日以内に、未成年後見人が地位を失った旨の届出をしなければなりません。また、未成年者、その親族又は未成年後見監督人も上記届出をすることができます(82条3項)。そして、上記届書には、未成年後見人がその地位を失った「原因」及び「年月日」を記載しなければなりません(82条4項)。
未成年者の後見の終了の届出
未成年者の後見の終了の届出は、未成年後見人が、10日以内にしなければなりません(84条1項)。その届書には、未成年者の後見の終了の「原因」及び「年月日」を記載しなければなりません(84条2項)。
未成年後見人に関する78条~84条の規定は、未成年後見監督人について準用します(85条)。
死亡の届出
死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡があったときは、その事実を知った日から3か月以内)にしなければなりません(86条1項)。
死亡届出書の記載事項
- 死亡の年月日時分及び場所
- 死亡者の男女の別
- 死亡者が外国人であるときは、その国籍
- 死亡当時における配偶者の有無及び配偶者がないときは、未婚又は直前の婚姻について死別若しくは離別の別
- 死亡当時の生存配偶者の年齢
- 出生後30日以内に死亡したときは、出生の時刻
- 「死亡当時の世帯の主な仕事」並びに「国勢調査実施年の4月1日から翌年3月31日までに発生した死亡については、死亡者の職業及び産業」
- 死亡当時における世帯主の氏名
死亡届出義務者
下記の者が、その順序にしたがって、死亡の届出をしなければなりません。ただし、順序にかかわらず届出をすることができます(87条1項)。
- 同居の親族
- その他の同居者
- 家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人
また、死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人及び任意後見受任者も、これをすることができます(87条2項)。
死亡届出場所
- 亡くなった人の死亡地の役所 (88条1項)
亡くなった場所の役所(病院で息を引き取った場合の、その病院がある市区町村役場など)でも死亡届の届け出が可能です。 - 亡くなった人の本籍地の役所(25条1項)
- 届出人の所在地の役所(25条1項)死亡届を届け出る人の所在地の役所でも提出は可能です。
また、下記の場合は、上記以外の場所でも死亡の届出ができます(88条2項)。
- 死亡地が明らかでないときは、死体が最初に発見された地で、死亡の届出をすることができる。
- 汽車その他の交通機関の中で死亡があったときは死体をその交通機関から降ろした地で、死亡の届出をすることができる。
- 航海日誌を備えない船舶の中で死亡があったときはその船舶が最初に入港した地で、死亡の届出をすることができる。
国籍の得喪
「国籍の得喪」とは、個人が国籍(国民としての法的な所属国)を得たり失ったりすることを指します。
日本国籍を取得する原因には、「出生」、「(国籍取得)届出」、「帰化」の3つがあります。
日本国籍を失う原因には、「帰化の取り消し」「国籍離脱」「他国の国籍を取得した場合(国籍法11条)」があります。
国籍取得の届出
国籍を取得した場合の国籍取得の届出は、国籍を取得した者が、その取得の日から1か月以内(その者がその日に国外に在るときは、3か月以内)にしなければなりません(102条1項)。
国政取得届出書の記載事項
- 国籍取得の年月日
- 国籍取得の際に有していた外国の国籍
- 父母の氏名及び本籍、父又は母が外国人であるときは、その氏名及び国籍
- 配偶者の氏名及び本籍、配偶者が外国人であるときは、その氏名及び国籍
- その他法務省令で定める事項
帰化
帰化とは、「外国籍の方が日本国籍を取得する」ことを意味します。
国籍取得と帰化の違い
届出による国籍の取得とは、一定の要件を満たす者が、「法務大臣に対して届け出る」ことによって、日本国籍を取得するという制度です。一方、帰化とは、日本国籍の取得を希望する外国人からの意思表示に対して、「法務大臣の許可」によって、日本の国籍を与える制度です。
例えば、父が日本人で母が外国人である子は、日本国籍を取得することができます。
帰化の届出
法務大臣の許可を得て帰化した者は、告示の日から1か月以内に、帰化の届出をしなければなりません(102条の2)。ちなみに、法務大臣が帰化を許可した場合には、官報にその旨が告示されます。
国籍喪失の届出
国籍喪失の届出は、届出事件の本人、配偶者又は四親等内の親族が、国籍喪失の事実を知った日から1か月以内(届出をすべき者がその事実を知った日に国外に在るときは、その日から3か月以内)にしなければなりません(103条1項)。
国籍の留保の意思の表示
国籍留保とは、外国で生まれた子で、出生によって日本国籍と同時に外国国籍も取得した子が、日本国籍喪失を防ぐための制度です。
そして、出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれたものは、日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、その出生の時にさかのぼって日本の国籍を失います(国籍法12条)。日本の国籍を留保したい場合、出生の日から3か月以内に、日本の国籍を留保する旨を届け出をしなければなりません(戸籍法104条1項)。そして、この国籍留保の届出は、出生の届出とともに、市区町村役場又は在外公館に提出する必要があります(104条2項)。ただし、天災その他第一項に規定する者の責めに帰することができない事由によって上記期間内に届出をすることができないときは、その期間は、届出をすることができるに至った時から14日以内に行えばよいこととなっています(104条3項)。
日本国籍の選択の宣言
外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなった時が「18歳に達する以前であるときは20歳に達するまでに」、その時が「18歳に達した後であるときはその時から2年以内」に、いずれかの国籍を選択しなければなりません(国籍法14条1項)。そして、日本国籍の選択は、「外国の国籍を離脱すること」によるほかは、「日本の国籍を選択し、かつ、外国国籍を放棄する旨の宣言(選択の宣言」をすることによって行います(国籍法14条2項)。この日本の国籍の選択の宣言は、その宣言をしようとする者が、その旨を届け出ることによって行います(104条の2第1項)。
氏(苗字)の変更
やむを得ない事由によって氏(苗字)を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければなりません(107条1項)。「やむを得ない事由」とは、氏の変更をしないとその人の社会生活において著しい支障を来す場合をいうとされています。
外国人と婚姻をした者の氏の変更
外国人と婚姻をした者がその氏を配偶者の称している氏(外国人の苗字)に変更しようとするときは、その者は、その婚姻の日から6か月以内に限り、家庭裁判所の許可を得ないで、その旨を届け出ることができます(107条2項)。例えば、苗字を山田からスミスに変更する場合、6か月以内に氏名変更の届出が必要です。
また、氏を変更した者が、離婚、婚姻の取消し又は配偶者の死亡の日以後にその氏を変更の際に称していた氏に変更しようとするときは、その者は、その日から3か月以内に限り、家庭裁判所の許可を得ないで、その旨を届け出ることができます(107条3項)。例えば、婚姻により苗字を山田からスミスに変更し、その後離婚して、スミスから山田に変更する(戻す)場合、3か月以内に氏名変更の届出が必要です。
父又は母が外国人で、父又は母の称している氏に変更する場合
父又は母が外国人である者でその氏をその父又は母の称している氏に変更しようとする場合、家庭裁判所の許可を得た上で市区町村長に届出をすることで氏を変更することができます(107条4項)。
例えば、「父の苗字がスミス」「母の苗字が山田」で、子の苗字が山田だったとします。この子の苗字をスミスに変更する場合、裁判所の許可が必要となります。
名の変更
名を変更しようとする者は、正当な事由が必要で、家庭裁判所の許可を得て、名の変更の届出をすることによって、変更することができます(107条の2)。正当な事由とは、名が珍名・卑猥・難解などの理由で、名の変更をしないとその人の社会生活において支障を来す場合が挙げられます。例えば、最近ではキラキラネームをつけられてしまった場合等があります。
転籍
転籍とは、本籍地を移転することを言います。
転籍をしようとするときは、新本籍を届書に記載して、「戸籍の筆頭に記載した者」及び「その配偶者」が、転籍の届出をしなければなりません(108条1項)。つまり、結婚している場合、夫と妻それぞれの署名が必要です。そして、他の市町村に転籍をする場合には、戸籍の謄本を届書に添附しなければなりません(108条2項)。転籍の届出は、従前の本籍地、住所地だけでなく、転籍地の市区町村に対して行うことができます(109条、25条1項)。
戸籍の訂正
戸籍の記載が法律上許されないものであること又はその記載に錯誤若しくは遺漏があることを発見した場合には、利害関係人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができます(113条)。この申請は、許可の裁判があった時から1か月以内に、その謄本を添附して、戸籍の訂正を申請しなければなりません(115条)。