AとBは婚姻し、3年後にBが懐胎したが、その頃から両者は不仲となり別居状態となり、その後にCが出生した。Bは、AにCの出生を知らせるとともに、Aとの婚姻関係を解消したいこと、Cの親権者にはBがなること、およびAはCの養育費としてBに対し毎月20万円を支払うことを求め、Aもこれを了承して協議離婚が成立した。ところが離婚後、Aは、Bが別居を始める前から他の男性と交際していたことを知り、Cが自分の子であることに疑いを持った。
このような事情において、Cが自分の子でないことを確認するため、Aは誰を相手として、いつまでに、どのような手続をとるべきか。民法の規定および判例に照らし、とるべき法的手段の内容を40字程度で記述しなさい。
【解説】
問題文の状況
- A(男)とB(女)は婚姻し、3年後にBが懐胎したが、その頃から両者は不仲となり別居状態となり、その後にCが出生した。
- B(女)は、A(男)にCの出生を知らせるとともに、Aとの婚姻関係を解消したいこと、Cの親権者にはBがなることを求めた。
- B(女)は、「A(男)はCの養育費としてB(女)に対し毎月20万円を支払うこと」を(A男に対して)求めた。
- A(男)もこれを了承して協議離婚が成立した。
- ところが離婚後、A(男)は、B(女)が別居を始める前から他の男性と交際していたことを知り、Cが自分(男A)の子であることに疑いを持った。
質問内容
上記事情において、Cが自分の子でないことを確認するため、
- Aは、誰を相手として、
- いつまでに、
- どのような手続をとるべきか?
つまり、上記3点を40字にいれればよいです。
問題文の状況の1と5
- A(男)とB(女)は婚姻し、3年後にBが懐胎したが、その頃から両者は不仲となり別居状態となり、その後にCが出生した。
- ところが離婚後、A(男)は、B(女)が別居を始める前から他の男性と交際していたことを知り、Cが自分(男A)の子であることに疑いを持った。
ということから、とりあえず、婚姻期間中に懐胎していることは分かります。
このことから、妻が婚姻中に懐胎した子Cは、夫Aの子と推定します(民法772条)。
そして、上記の場合において、夫Aは、子Cが嫡出であることを否認することができます(民法774条)。
上記否認権は、子C又は親権を行う母Bに対する嫡出否認の訴えによって行います(民法775条)。
つまり、Cが自分Aの子でないことを確認するためには「嫡出否認の訴え」という手続きをとるべきで、「相手は、BまたはC」とすべきであることが分かります。
また、上記嫡出否認の訴えは、夫Aが子Cの出生を知った時から3年以内に提起しなければなりません(民法777条)。
これらを質問内容に当てはめて、40字にまとめると
「AはC又はBを相手として、Cの出生を知った時から3年以内に、嫡出否認の訴えを提起すべき。(44字)」
となります。
平成27年度(2015年度)|行政書士試験の問題と解説
| 問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
|---|---|---|---|
| 問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
| 問3 | 外国人の人権 | 問33 | 民法:債権 |
| 問4 | 基本的人権 | 問34 | 民法:債権 |
| 問5 | 憲法9条 | 問35 | 民法:親族 |
| 問6 | 司法の限界 | 問36 | 商法 |
| 問7 | 財政 | 問37 | 会社法 |
| 問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
| 問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
| 問10 | 行政立法 | 問40 | 会社法 |
| 問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
| 問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
| 問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
| 問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
| 問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
| 問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
| 問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
| 問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
| 問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・社会 |
| 問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
| 問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
| 問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
| 問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
| 問24 | 行政法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
| 問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・情報通信 |
| 問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・個人情報保護 |
| 問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
| 問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
| 問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
| 問30 | 民法:物権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |


