戦後日本の物価の動きに関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
- 日本では第二次世界大戦直後に年率100%を超えるハイパー・インフレーションが起こり、その後も、「復金インフレ」と呼ばれた激しいインフレーションが続いた。
- 日本の高度成長期には、消費者物価は年率で平均5~6%の上昇が続いた。これは、主に中小企業製品や農産物、サービスの価格が上昇したためである。
- 第一次石油危機による原油価格の上昇は、列島改造ブームによる地価高騰と相俟って、「狂乱物価」と呼ばれる急激な物価上昇を招いた。
- 1980年代後半から、低金利によって余った資金が土地や株式などに投資され、地価や株価などの資産価格を高騰させて、いわゆる「リフレ経済」を招いた。
- 円高によるアジアNIESからの安価な製品の流入、大型小売店やディスカウントストアの出現などにより、1990年代以降は、「価格破壊」が起こることもあった。
【答え】:4【解説】
1.日本では第二次世界大戦直後に年率100%を超えるハイパー・インフレーションが起こり、その後も、「復金インフレ」と呼ばれた激しいインフレーションが続いた。
1・・・正しい
日本では第二次世界大戦直後に、モノ不足と日本政府の財政赤字が原因で、年率100%を超えるハイパー・インフレーションが起こりました。
その後、政府は、復興するために、市場の通貨量を増やしたため、ハイパーインフレは続きました。これを「復金インフレ」と言います。
日本では第二次世界大戦直後に、モノ不足と日本政府の財政赤字が原因で、年率100%を超えるハイパー・インフレーションが起こりました。
その後、政府は、復興するために、市場の通貨量を増やしたため、ハイパーインフレは続きました。これを「復金インフレ」と言います。
2.日本の高度成長期には、消費者物価は年率で平均5~6%の上昇が続いた。これは、主に中小企業製品や農産物、サービスの価格が上昇したためである。
2・・・正しい
日本の高度成長期(1954年12月~1973年11月)には、消費者物価は年率で平均5~ 6%の上昇が続きました。
1964年の東京オリンピックや1970年の大阪万博などによる特需などにより、景気も良く、給料も上がり、中小企業製品や農産物、サービスの価格などが上昇し、継続的なインフレとなった。
日本の高度成長期(1954年12月~1973年11月)には、消費者物価は年率で平均5~ 6%の上昇が続きました。
1964年の東京オリンピックや1970年の大阪万博などによる特需などにより、景気も良く、給料も上がり、中小企業製品や農産物、サービスの価格などが上昇し、継続的なインフレとなった。
3.第一次石油危機による原油価格の上昇は、列島改造ブームによる地価高騰と相俟って、「狂乱物価」と呼ばれる急激な物価上昇を招いた。
3・・・正しい
1973年に第1次石油危機(オイルショック)が発生して、1979年に第2次石油危機になりました。
1972年に、田中角栄が「日本列島を高速道路や新幹線等で結んで、地方を地方の工業化を促進し、過疎と過密の問題と公害の問題を同時に解決する」という「日本列島改造」の政策を発表し、その結果、地価が高騰し、さらに、第1次石油危機もあり、インフレが加速しました。
これを「狂乱物価」と言います。
1973年に第1次石油危機(オイルショック)が発生して、1979年に第2次石油危機になりました。
1972年に、田中角栄が「日本列島を高速道路や新幹線等で結んで、地方を地方の工業化を促進し、過疎と過密の問題と公害の問題を同時に解決する」という「日本列島改造」の政策を発表し、その結果、地価が高騰し、さらに、第1次石油危機もあり、インフレが加速しました。
これを「狂乱物価」と言います。
4.1980年代後半から、低金利によって余った資金が土地や株式などに投資され、地価や株価などの資産価格を高騰させて、いわゆる「リフレ経済」を招いた。
4・・・誤り
1980年代後半から、低金利によって、余った資金が土地や株式などに投資され、地価や株価などの資産価格を高騰させて、いわゆる「バブル経済」を招きました。リフレ経済とは、デフレーションから抜け出たが、本格的なインフレーションには達していない経済状態です。
1980年代後半から、低金利によって、余った資金が土地や株式などに投資され、地価や株価などの資産価格を高騰させて、いわゆる「バブル経済」を招きました。リフレ経済とは、デフレーションから抜け出たが、本格的なインフレーションには達していない経済状態です。
5.円高によるアジアNIESからの安価な製品の流入、大型小売店やディスカウントストアの出現などにより、1990年代以降は、「価格破壊」が起こることもあった。
5・・・正しい
円高により、海外のものを安く買うことができるようになり、アジアNIES(韓国、台湾、香港、シンガポール等)からの安価な製品の流入、大型小売店やディスカウントストアの出現などにより、1990年代以降は、「価格破壊」が起こることもありました。
円高により、海外のものを安く買うことができるようになり、アジアNIES(韓国、台湾、香港、シンガポール等)からの安価な製品の流入、大型小売店やディスカウントストアの出現などにより、1990年代以降は、「価格破壊」が起こることもありました。
平成25年度(2013年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:債権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 法の下の平等 | 問33 | 民法 |
問4 | 憲法と私法上の行為 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 権力分立 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 国会 | 問36 | 商法 |
問7 | 憲法・精神的自由 | 問37 | 会社法 |
問8 | 行政法 | 問38 | 会社法 |
問9 | 行政法 | 問39 | 会社法 |
問10 | 行政法 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法等 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 法改正のより削除 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政事件訴訟法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・政治 |
問19 | 国家賠償法 | 問49 | 基礎知識・経済 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・社会 |
問21 | 地方自治法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・政治 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識・個人情報保護 |
問25 | 行政法 | 問55 | 基礎知識・個人情報保護 |
問26 | 行政法 | 問56 | 基礎知識・個人情報保護 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・情報通信 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:債権 | 問60 | 著作権の関係上省略 |