令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講

最大判昭37.3.7:警察法改正無効事件

論点

  1. 国会の両院の議事手続について、司法審査が及ぶか?
  2. 市町村警察を廃止したことは憲法92条に違反するか?

憲法第92条(地方自治の基本原則)
地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

事案

旧警察法では、市町村警察の制度があった。しかし、昭和29年の法改正(新警察法)により、従来の市町村警察は廃止され、都道府県警察に組織変更された。その組織変更の結果、大阪府は、組織変更に伴う予算を議会で可決した。それに対して、住民Xは、新警察法は、市町村の警察権限を奪うもので憲法92条、94条に違反するとして、新警察法の無効を主張した。

憲法第94条(地方公共団体の権能)
地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

判決

国会の両院の議事手続について、司法審査が及ぶか?

及ばない

裁判所は、両院の自主性を尊重するべきである。

そのため、裁判所は、両院の議事手続きに関する事実を審理して、その有効無効を判断すべきでない。

市町村警察を廃止したことは憲法92条に違反するか?

違反しない

新警察法が、市町村警察を廃止し、その事務を都道府県警察に移したからといって、そのことが地方自治の本旨に反するものと解されない。

したがって、同法は、その内容が憲法92条(地方自治の基本原則)に反するものとして無効な法律ということはできない。

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