まず、三権分立でも勉強した通り、内閣は行政権を持っています。
そもそも内閣とは、内閣総理大臣を中心とする大臣の集まりですが、この点は「内閣の組織」のページで学習します。
行政権とは?
行政権とは、法律を執行する権限を言います。国会が法律を定めて、その法律に従って、内閣が国民のためにいろいろなサービスを行うわけです。例えば、国民年金の支給を行ったり、図書館を設置したり、高速道路を作ったりと幅広い内容を行います。
そして、通説としては、「すべての国家作用から立法(法律の立案)と司法(裁判)を除いたすべての作用(行為)」が行政権と考えられています。
議院内閣制
日本は、議院内閣制を採用している国です。国会と内閣の分離が緩やかな政治体制とも言えます。そして、議院内閣制の特徴は以下の通りです。すべて重要です。
議院内閣制の特徴
- 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名する(67条1項)
- 内閣総理大臣以外の国務大臣(各大臣)の過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない(68条1項但書)
- 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う。(66条3項)
- 内閣総理大臣その他の国務大臣は、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。(63条後段)
- 内閣は、衆議院の信任を必要とする(衆議院による不信任決議、内閣総辞職)(69条・70条)
上記5については、衆議院は内閣を辞職させることができ、一方、内閣は衆議院の解散ができることを意味しています。
衆議院の解散と内閣総辞職
衆議院の解散
解散とは、任期満了前に全衆議院議員の地位を失わせることを言います。任期満了によって議員の地位を失うことは解散とは言いません。
そして、衆議院が内閣不信任決議をした場合、内閣総理大臣が10日内に「衆議院解散」もしくは「内閣総辞職」いずれかを選ぶことができます。もし、衆議院解散を選ぶと、衆議院は解散され、衆議院議員の総選挙となります。
内閣総辞職
内閣は、下記の3つのいずれかに該当すると、総辞職します。その場合、内閣は、新たに内閣総理大臣が任命されるまで、引き続きその職務を行うものとされています。(71条)
- 衆議院が不信任決議案を可決し、または信任の決議案を否決した場合に、10日以内に衆議院が解散されない場合(69条)
- 内閣総理大臣が、死亡・辞職・国会議員の地位の喪失などにより欠けたとき(70条)
- 衆議院議員総選挙の後に初めて国会(特別会)が召集されたとき(70条)