論点
- 大学での単位授与の認定に司法審査が及ぶか?
事案
富山大学経済学部の学生Xは、A教官の講義の履修届を提出した上で、受講していた。
しかし、A教官が成績原簿を偽造した疑いが生じ、それにより、経済学部長Yは、「A教官の授業担当停止の措置」および「学生に対する代替科目の受講の指示」を行った。
ところが、A教官は講義を続行し、Xもまた講義を受講し続け、A教官の試験を受験し、合格判定の成績を受けた。
しかし、Yは、Xの単位取得を認めなかった。
そこで、XはYを相手に単位不授与の決定の違法確認および単位取得認定の義務付けを求めて訴えを提起した。
判決
大学での単位授与の認定に司法審査が及ぶか?
→及ばない
自律的な法規範を有する特殊な部分社会における法律上の争訟は、それが一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、その自主的、自律的な解決に委ねるのを適当である。
そのため、特殊な部分社会である大学における法律上の係争について、当然に司法審査が及ぶわけではない。
そして、単位授与は当然に一般市民法秩序と直接の関係を有するものではないことは明らかである。
したがって、単位授与(認定)行為は、特段の事情のない限り、裁判所の司法審査の対象にはならない。
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