論点
- 第二種市街地再開発事業計画の決定は、抗告訴訟の対象となる行政処分にあたるか?
事案
株式会社Xは、大阪市内の第二種市街地再開発事業の対象である地区内に土地建物を所有していた。
大阪市Yは、都市再開発法54条1項に基づき、当該事業の決定をし、公告をした。
そこで、X社は、本件事業計画決定の取消訴訟を提起した。
※第二種再開発事業では、土地や建物の所有権等は、施行者(Y)によって個別に買収または収用されてしまう、という効果が発生する。
判決
第二種市街地再開発事業計画の決定は、抗告訴訟の対象となる行政処分にあたるか?
→あたる
都市再開発法51条1項、54条1項は、市町村が、第二種市街地再開発事業を施行しようとするときは、設計の概要について都道府県知事の認可を受けて事業計画(以下「再開発事業計画」という。)を決定し、これを公告しなければならないものとしている。
そして、再開発事業計画の決定の公告をもって土地収用法26条1項の規定による事業の認定の告示とみなすものとしている。
したがって、再開発事業計画の決定は、その公告の日から、土地収用法上の事業の認定と同一の法律効果を生ずるものであるから(同法26条4項)、市町村は、右決定の公告により、同法に基づく収用権限を取得するとともに、その結果として、施行地区内の土地の所有者等は、特段の事情のない限り、自己の所有地等が収用されるべき地位に立たされることとなる。
しかも、この場合、都市再開発法上、施行地区内の宅地の所有者等は、契約又は収用により施行者(市町村)に取得される当該宅地等につき、公告があった日から起算して30日以内に、その対償の払渡しを受けることとするか又はこれに代えて建築施設の部分の譲受け希望の申出をするかの選択を余儀なくされるのである。
そうであるとすると、公告された再開発事業計画の決定は、施行地区内の土地の所有者等の法的地位に直接的な影響を及ぼすものであって、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たると解するのが相当である。(処分性を有する)