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最判平17.11.1:「都市計画法の建築制限」と「憲法29条3項に基づく損失補償」

論点

  1. 都市計画決定により長期にわたって建築制限を受けた土地所有者は、憲法29条3項に基づいて損失補償請求できるか?

事案

Xらが所有する土地は、昭和13年になされた都市計画の決定によって、都市計画道路の路線区域内とされ、60年以上にわたって、建築制限を受けた。

Xらは、マンションや病院などの建設を計画したが、いずれも建築制限のために断念していた。

そこで、長期にわたる制限は、都市計画法3条に違反するとして、都市計画決定の取消しと、国家賠償法1条に基づく損害賠償請求、予備的に憲法29条3項に基づく損失補償を求めて、盛岡市Yに対して訴えを提起した。

都市計画法第3条(国、地方公共団体及び住民の責務)
国及び地方公共団体は、都市の整備、開発その他都市計画の適切な遂行に努めなければならない。

憲法第29条3項
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

判決

都市計画決定により長期にわたって建築制限を受けた土地所有者は、憲法29条3項に基づいて損失補償請求できるか?

→損失補償請求できない

原審の適法に確定した事実関係の下においては、Xらが受けた上記の損失は、一般的に当然に受忍すべきものとされる制限の範囲を超えて特別の犠牲を課せられたものということがいまだ困難である。

したがって、Xらは、直接憲法29条3項を根拠として上記の損失につき補償請求をすることはできないものというべきである。

市道区域決定処分取消等請求事件の判決文はこちら>>

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