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最判平元.4.13:特急料金改定の認可処分

論点

  1. 特急料金改定の認可処分の取消しを求める訴訟において、特急利用者に原告適格が認められるか?

事案

鉄道会社である株式会社Aは、陸運局長Yから特別急行料金(特急料金)を値上げする旨の認可処分を受けた。そこで、A社の通勤定期乗車券を購入して日常的にA社の特急に乗車していたXらが、同認可処分の取消しを求めて提訴した。

判決

特急料金改定の認可処分の取消しを求める訴訟において、特急利用者に原告適格が認められるか?

認められない

地方鉄道法21条は、地方鉄道における運賃、料金の定め、変更につき監督官庁の認可を受けさせることとしている。

そして、同条に基づく認可処分そのものは、本来、当該地方鉄道の利用者の契約上の地位に直接影響を及ぼすものではなく、このことは、その利用形態のいかんにより差異を生ずるものではない。

また、同条の趣旨は、もっぱら公共の利益を確保することにあるのであって、当該地方鉄道の利用者の個別的な権利利益を保護することにあるのではなく、他に同条が当該地方鉄道の利用者の個別的な権利利益を保護することを目的として認可権の行使に制約を課していると解すべき根拠はない

そうすると、たとえXらがA鉄道株式会社の路線の周辺に居住する者であって通勤定期券を購入するなどしたうえ、日常同社が運行している特別急行旅客列車を利用しているとしても、Xらは、本件特別急行料金の改定(変更)の認可処分によつて自己の権利利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者に当たるということができず、右認可処分の取消しを求める原告適格を有しないというべきである。

したがって、本件訴え(認可処分取消しの訴え)は不適法である。

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